机を並べて
朝の騒ぎも収まり、気付けば既に昼休み。
二年生は自分たちの机を並べ始める。
「何をしているんですか?」
急にガチャガチャと教室が騒がしくなったからだろう。
橘が不思議そうに小首を傾げる。
「ああ、言ってなかったね。お昼御飯は皆で食べてるんだよ。橘さんもどう?」
「え? 良いんですか?」
「良いよ! 今並べてあげるからね」
目の不自由な橘のために水瀬は机を他の二年生と同じようにくっつけてあげる。
「相原さんたちもどう? 一緒に食べようよ!」
「じゃ、じゃあ私も」
相原は恐る恐る自分の机を並べる。
「木村くんは?」
隣の席のよしみか、それとも水瀬のためか緒方が木村の正面に立つ。
「馴れ合うつもりはねえよ」
そういうと木村はスポーツバックを背負って教室を出ていってしまう。
「木村って本当にツンツンしてるよね~。あれじゃ友達出来ないよ」
「去年の緒方さんもあんな感じだったと思うけど」
何言っているんだ、この人という目で緒方を見たのは朝比奈。
「いやいやいや。あんなに酷くなかったでしょ!」
「そうかしら。私には同じに見えるけど。初めて話したときなんてヘラヘラ笑っているくせに近付くなオーラが出てたわよ」
「それは、まあ……。仕方ないじゃん。あのときは荒れてたんだから」
図星を刺されて緒方は後ろ髪を掻く。
「本当だよ。俺が何度お前を取り押さえたか」
珍しく愚痴を言ったのは加藤。
弁当箱を広げて嘆息する。
『あのときは皆の仲は最悪だったからね』
メモ帳と共に苦笑するのは山田。
「そうですわね。全員が全員、敵に見えましたから」
懐かしむように言ったのは須藤。
『それが今じゃ一緒にお昼を食べる仲だもんね』
スケッチブックを掲げて嬉しそうに笑う西島。
「そんな風には見えませんけど。前はそんなに仲が悪かったんですか?」
信じられないとでも言うように目を丸くする相原。
それに緒方が食いつく。
「お、気になる? それなら私が話してあげよう! 私たちがどうやって仲良くなれたかを!」
次回からは過去話です。




