現実
「うわぁ…グロいいい…。耳どこだよぉぉ…」
ゴブリンキングを倒した俺はブラックボックスを使ったことを後悔しながらゴブリンキングの肉塊を遠目に見ていた。
「あー、万象喰いで喰えばいいのか!よし!」
早速発動!耳は残してな!
喰らったことによって地面にポツンと耳が残る。
シュールだ
とりあえず大きめな耳をアイテムボックスにしまい周りを見渡す。
「とりあえずこれで終わりかな?最後に宝探しして帰るかなー?」
来た道を少し戻り別のルートへ進む。
しばらくすると一つの部屋が見えた。
ゴブリンがいないせいか妙に静かだ
「…んむ……む…」
声?その部屋からなにを言っているが聞き取れないが声が聞こえた。
「人?ゴブリンの残りか?」
警戒しながら部屋に近づく。
恐る恐る覗く。
そこは…
「っ!!」
地獄
人々はそう言うだろう。
手足を縛られ、猿轡をされた女性たちがそこにいた
全員裸でその場に繋がれている。
酷い臭いだ。
床には血や吐瀉物、排泄物が大量に落ちている。
呻き声をあげている近くに居た人の猿轡を外してやる
「あの、えっと…」
言葉が出ない。モゴモゴとしていると女性、赤毛の女性が話しかけてきた
「…ここはゴブリンの繁殖室ですよ…」
「…そう、ですか…」
現実はこれだ。ゲームじゃ無いんだ、当たり前にこうゆう事もあるんだ。
「とりあえず…この場の人の拘束を外します…。」
「お願いします…。私はちょっと動けないので…。」
一人一人の拘束を外していく。
皆、目は虚ろで気力が見えない。
腹が大きくなっている女性もいる。
…妊娠しているのだろう。
腕や足はあざだらけ、あり得ない方向に四肢が曲がっている人もいた。
全員の拘束を外し終わって最初の女性の元へ戻る。
「…ああ、皆さんの…外していただけたんですね?」
「…はい。」
すると、彼女は急に俺の手を握った。
「え…?」
「気を落とさないで下さい。私達は貴方に救って貰えました。充分なんです。」
彼女は優しい笑みを浮かべている。間近で見ると汚れてはいるが、顔は整っているのがわかった。
「………。」
「ここを出て奥に行ったところに。まだここに連れて来られて居ない人が居ると思います。助けてあげて貰えませんか?」
彼女は覗き込むように頼んできた。
「でも、ここの人は…?」
「ろくに…動けませんから…。」
弱々しく彼女は笑う。
「…わかりました、行ってきます。ここに居て下さいね?」
「はい。」
俺は部屋を後にし、奥へ向かった。




