四話:小暮さんを紹介する件について
なんかだんだん小暮さんが可愛そうになってきた……。
小暮「わかってるんならやめなさいよね! 喋ってる途中に(ryとかいれて勝手に終わら(ry」
「ユリアと小暮さんをお互いに紹介しあい、小暮さんはそのまま家に帰り、俺はユリアと一緒に家に帰った」
「ねえ、そのへんなナレーションみたいの何? 事実がないんだけど」
「あれ? 家に帰ったはずの小暮さん、どうしたの? 忘れ物?」
「ええいそれを続けるか!」
「あれ? 家に帰ったはずの小暮さん、どうしたの? 忘れ物?」
「も一回言いやがった! 二回言ったよ!」
「あれ?―――――「もうよろしい」
ボケ続けたら逃げられるだろうか、という俺の希望的観測は残念ながら外れ、ユリアと小暮さんをお互いに紹介することにする。渋々!
「ユリア、ここの小娘は小暮―――――小暮、えーっと、小暮ー? 小暮、あ、そうだ、けんたさんだ」
「違うし! 順番にツッコんでいくと結構迷った挙句に出てきたのが女の名前ですらなくけんたか! 予想の斜め上を行き過ぎてボケよりツッコミのほうが長くなってしまったし!」
「紹介します、小暮デーモンさんです!」
「芸名っぽく言ってもダメだし! そんな名前を我が子に付ける親がいたら見てみたいし! ていうかそのネタまだやるか!」
「紹介します、小娘です!」
「さっきツッコミ忘れたからって調子に乗るなよ! 二度は通用しないんだ!」
「紹介します、クラスメートです」
「ざっくりいった! 紙で手を切った時くらいざっくりいった!」
「紹介します、たとえが残念な女の子(笑)です」
「うるせー! ……品野くん、もしかしてあたしの名前知らないの?」
「存じ上げて、おりません」
「クッ…! そのしゃくれた顎がムカつく……!」
「しょうでしゅか」
「というか、わざわざ品野くんなんかの紹介待たなくても、自分で自己紹介すればよかっただけの話じゃない?」
「ぷぎゃー(笑」
「ほんっとムカつく!」
言い捨てると、小暮さんは勝手にユリアに自己紹介を始めてしまった。
くそ、まだイジり足りないのに…。
「えっと、ユリア、さん?」
「…………? ショウとそこの小娘が何を言ってるのか我には全くわからないのだ………?」
当のユリアは、俺と小暮さんの高速の掛け合いについてこれなくて、目を回していた。
「おーい、ユリア」
優しく肩を揺する。
「…ハッ? あれ? ショウ? 我は何を…。…? そこの小娘はなんなのだ? 生贄か?」
「ユリア、ここの小娘は小暮―――――小暮、えーっと、小暮ー? 小暮、あ、そうだ、けんたさんだ」
「二周目入るかやかましい。……もういい加減自己紹介させてよね…」
「なんだ? けんたさんか? ショウの友人みたいだな! 我はユリア! ショウの半身なのだ! よろしく、けんたさん!」
「……けんたさん(笑)」
ゴスッ
~~~~~~~ッ!
俺が足を襲った痛みに地面をのたうちまわっているあいだに、けんたさん(笑)の自己紹介は終わっていた。
「そうか、けんたさんはけんたさんではないのか? ゆうこというのだな? よろしく、ユウコ!」
どうも、小暮さんの下の名前はゆうこというらしかった。
「漢字は優しい子って書くのよ」
「優しい子は小指だけを的確に狙って踏み抜きません」
「うるさい!」
小暮さんに公園内を追い掛け回された。
小暮「ほら! (ryやめれ!」