五話:家について
小暮さんは一般規格女子です。例外も結構あったりしますけどね。
小暮「例外なんかないわよ! 普通の女の子よ!」
「ぜぇ、ぜぇ、ぜぇ」
「ふはははははは、俺に追いつこうなんて三ヶ月早いわ!」
「というか、ぜぇ、なんで品野くんは、ぜぇ、呼吸の一つも、ぜぇ、乱れてないの?」
「俺に追いつこうなんて三ヶ月早いわ!」
「ツッコミがなかったから二回言った! 寂しがり屋か!」
「そうなのだ! ショウは寂しがり屋なのだ!」
「という会話が有り、小暮さんは家に帰ったので、俺とユリアは一緒に家に帰った」
「ねえ、その事実をねじ曲げるナレーション、流行りなの?」
「あれ? 家に帰ったはずの小暮さん、どうしたの? 忘れ物?」
「ユリアちゃんと家に帰ってるはずの品野くんもどうしてまだ公園にいるのかな?」
やりおる!
小暮さん、着実にツッコミのレベルを上げてる!
「でもさ、ユリアと会ったんだし、もう俺ん家に来る必要はないんじゃない?」
「うーん、そういえばそうね。品野くんが話をややこしくし続けたせいで目的がユリアちゃんに会うことじゃなくて家に行くことになってたわ」
「なんだ? ユウコは家に帰るのか?」
「ああ、そうだよ。じゃあね、デー――――――小暮さん」
「キサマの中ではあたしにデーモンという呼び方が定着しておるな? まあいいわ………また明日。ばいばい」
小暮さんは言い残して公園から去っていった。
俺たちも公園を出て、そのまま小暮さんと同じ方向に曲がる。
「ねえ。なんでついてくるの?」
「いや、だって俺たちも家がそっちだし」
「いや、こっち学校方面なんだけど」
「うん、そうだね」
「え?」
「え?」
「え?」
「いやほら、家と真逆の方向に歩き続けたら我が家には到着しないかなー、と思いました」
「品野くん、そんなに家に来て欲しくなかったの!?」
「いや、そんなこともないけど」
魔王(の半身)ユリアが家にいるから出会うと完全に俺が魔王であることを認めざるを得ないからで。
「じゃあ、あたしこっちだから」
「うん」
「ちょっと? どうしてついてくるのかしら?」
「いや、俺んちそれだし」
「はあ? お隣さん!?」
「え? 小暮さん家ってこのマンションだったの?」
「反対側よ」
小暮さんが指差す家屋を見る。
「大豪邸?」
「こんな大きな家が隣にあったのか!? 我は知らないのだ!」
「なんで知らないのよ!?」
「いやだって、俺が引っ越してきたの始業式の一日前、――――五日前だな――――だし」
「それに、我とショウが住んでるのは最上階なのだ!」
ユリアに魔王認定された時に、魔力を暴走させて前に住んでた家を破壊しまして。
政府からお金ももらったし、この街で一番高いところにでも住もうかな、と軽い考えでマンションの最上階を全部買い取ってみました。
なんとかと煙は高いところに登りたが―――――いや、やっぱ何もない。




