一~十
一、返却屋
「私は返却屋でございます」
俺の目の前に突如として現れたおっさんは大きな籠を背負っている変な奴だ。
「なんでも返却させてみせますよ」
胡散臭いおっさんだ。
俺はこのおっさんから離れるためにも早く帰ろうとしておっさんに背を向けると
「待ってくださいよ。今回は特別に無料でやってあけますよ」
うさん臭いし、嘘っぽいけれど無料ということなら試してみたくなった。
「そんなに言うならAをあの世に返却してきてよ」
おっさんは満面の笑みを作り「かしこまりました」と言ってどこかに去って行った。
俺はおっさんの言うことなど信じていなかった。
翌日、学校に行くとAが死んだということを知った。
二、爆弾処理班
この学校はお嬢ちゃんやお坊ちゃんが沢山いる学校だ。そして今、爆弾が仕掛けられている。
学生達はまだ学校の中で人質になっている。
そんな状況で数人の勇気有る爆弾処理班がその学校に突入した。
そして物凄い爆音とともに学校やお嬢ちゃんやお坊ちゃんや爆弾処理班が一斉に消え去った。
三、出来過ぎた子供
僕は出来過ぎた子供だった。
お母さんもお父さんも他のどうでもいい人に僕の自慢をよくする。
お父さんは「私の子供だから、当たり前ですよ」とよく笑っている。
…よく言うよ。お父さんは仕事が終わるとすぐに酒を飲みお母さんに殴りかかっているような人の子供なのにだ。
お母さんも「いつも勉強を見てあげてるんです」と笑顔でよく言う。
…よく言うよ。いつも見ているのは五歳になる自分の子供だけなのに。
僕の世界は僕の机たけだ一歩も歩くことができないほど狭い、これが僕の世界だった。
学校でも僕の世界は変わらない自分の机だけだった。
愚か者達は愚か者同士くだらないおしゃべりをしているが僕に話し掛ける人などいなかった。
僕は所詮は勉強だけの人間だったのだ。
誰からも認められることなどない。
そう考えると悲しくなる涙が自然に流れていた。
そう考える僕の体は空を飛んでいた。
四、ちっぽけな
ちっぽけな宇宙が大きくなった。
そこに地球ができた。
そこに木々や生き物ができた。
そこに人類ができた。
人類は木々を生き物を地球を滅ぼした。
五、大凶
「ここのおみくじって当たるんだよ」
「ふ~ん、そうなのか。じゃ、買ってみるか」
俺は今日、友達と神社に来ていた。
早速、俺達はおみくじを買うことにした。
「お!俺、大吉-」
俺は見事に大吉を引いた。
「いいなー。それでは俺の方はどうかな~」
友達はおみくじを開けた途端、固まった、少し震えている感じでもあった。
「ん?どうだった」
俺は友達のおみくじを覗いてみると
「だ、大凶……!それに書いてあることが『すぐ死ぬ』としか書いてないし」
友達はびりびりに大凶のおみくじを破いた。
「どうせ、こんなの嘘ッ。ウッ」
どこからか突然、飛んできた矢に刺さって友達は死んでしまった。
六、受験あるある
①隣の人の答案が見えそうだったからビリビリに破いちゃう。
②答えが解らず前の人をシャーペンでたくさんの穴を開けちゃう。
③落ちたから腹いせに学校爆破しちゃう。
七、死人に口なし
今日はお婆ちゃんの葬式である。
お婆ちゃんの葬式にはいろんな人が来てくれている。
そして重苦しい空気の中、私が焼香をする番が来た。
私がゆっくりとお婆ちゃんの棺に近づいて行って私はおもむろに死んだお婆ちゃんの口を持っていたナイフで切り取って一言、言った。
「死人に口なし……」
八、文字の力
文字には力がある。
人を勇気付ける文字。
人を救う文字。
人を恐怖させる文字。
しかし文字には人を陥れる文字もある。ここに真っ赤な血で書かれた私の名前のように……。
九、殺人鬼の踊り
ある日、殺人鬼が人で賑わっている中で唐突に頭で回転するあの踊りをしたくなった。
なのでやってみることにした。
殺人鬼は頭を地面につけると両手を横に真っ直ぐに伸ばして回転を開始した。その回転は早く、通行人の足を切り裂くほどだ。
殺人鬼はもっと早くすれば空を飛べるんじゃないかと思った。
もちろん早くすれば空を飛んだ。通行人が切り裂かれる位置が足から太ももに太ももから腹に腹から心臓に心臓から首にとその高さはどんどん高くなりもう誰も切り裂くことができなくっても殺人鬼は空を飛び続けた。
十、人肉
人ってどんな味がするんだろう。
僕はふとそんな疑問を感じながら自分の右足を眺めていた。
試してみたい、食ってみたい。
自分の右足を眺めながら僕は思った。
僕はその欲望を叶えるために包丁を台所から持ってきた。食べてもいい人肉ならすぐそばにあるではないか……。
その人肉は自分の右足の小指である。まずはその肉を試しに食うことにして包丁をぶっさした。
小指にいままで味わったことがない激痛が走る、包丁が刺さってる小指からは血が溢れ出てくる。
しかしここまできたらもうやってしまうしかない、無理やり包丁を動かそうとするが骨にがりがり当たり我慢できないほどの痛みが何度も何度も襲い来る。
それでも諦めずに包丁を動かしたら小指がとうとう足から取れた。血がまだ足から出て、痛みもあるがそんなことは今はどうてもいい。
さっさと台所に移動し早速、自分の小指を料理する。
でも初めてなので爪を剥いで焼いてみるだけにしてみた。
できあがった焼き小指を僕は早速、食べてみることにした。
焼き小指の味は骨が大きくよく分からなかった。




