ようせいルンペルシュツルツキン
やっと、やっとルンペルシュツルツキンが……!
ルーンがざいりょうをくれたおかげで、はやりやまいのくすりは、くにじゅうにゆきわたりました。
やまいのりゅうこうはしゅうそくし、いままで、そくひティツィアーナを、よくしらなかったひとにまで、ティアのこうせきとしてひろまりました。
もちろんひとのても、かりましたが、ティアがみずからあしをはこび、くすりをくばったとちもあったため、うつくしく、こころやさしい、そくひティツィアーナのうわさは、たちまちにひとびとにつたわりました。
むしょうでくすりをあたえてくれた、のみならず、はやりやまいが、もういをふるうとちへ、あしをはこんで、てずからくすりをのませてくれる。
なんて、じひぶかいそくひさま。そくひティツィアーナさま、ばんざい。
てんしのようなティツィアーナさまにたいして、おうじさまと、おうじひさまときたら。
やまいがうつるといけない、といって、あんぜんなおうきゅうから、でてこない。
あれほど、おうじさまと、おうじひさまを、もてはやしていたというのに、てのひらをかえしたように、こくみんはティアをさんびし、おうじさまと、おうじひさまを、ひはんします。
ティアをじょおうに、というこえまで、きこえはじめました。
おこったのは、おうじさまです。
わるもののはずのティアが、みなにしょうさんされ、じぶんたちが、みなからせめられているのですから。
ティツィアーナのいんぼうだ。ティツィアーナをころせ。
けれどそのめいれいは、うけいれられませんでした。
そくひさまをうしなえば、このくにはたちいかなくなる。
ティアがこくみんからしじを、うけるようになったおかげで、おうでなくとも、おうじさまのいいぶんに、はんこうできたのです。
あせったのは、これまでティアをいじめてきたひとたちです。
ティアがちからをもってしまったため、これいじょうティアをいじめれば、こんどはじぶんたちの、たちばがわるくなってしまいます。
おこったおうじさまと、あせったひとたちは、ひとつのけつろんにいたりました。
ティツィアーナを、ころせばいい。
おうじとわるいひとたちは、ティアのあんさつをけいかくしはじめました。
しかし、そうかんたんにはいきません。
ようやくベッドからでられるようになった、だいじんや、おうさまや、おうひさまが、ティアがころされないよう、まもっていたからです。
これではティツィアーナをころせない。
おうじさまたちは、あたまをかかえます。
そんなとき、おうじひさまのまえに、ひとりのせいねんがあらわれました。
なんてうつくしいひとだろう。
せいねんをみたおうじひさまは、あまりのうつくしさにことばをなくしました。
せいねんは、じぶんは、ようせいルンペルシュツルツキンだとなのり、おうじひさまにいいました。
このくにのたからをひとつ、わたしにくれるならば、あなたのねがいを、かなえてあげましょう。
おうじひさまは、くにのたからが、なにかとかんがえもせず、ねがいごとをいいました。
こくみんがティツィアーナのことをわすれ、いままでどおり、じぶんとおうじさまをうやまうように、してほしい。
せいねんは、それはそれはうつくしくほほえんで、うなずきました。
うけたまわった。あなたのねがいをかなえましょう。
おうじひさまはよろこび、おうじさまにつたえました。
これでもう、ティツィアーナにわずらわされることはない。
おうじさまたちはあんしんして、よろこびました。
かわりにうばわれるものが、なにかもかんがえずに。
拙いお話をお読み頂きありがとうございます
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