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チェックメイトの一手先  作者: 八海宵一
10/40

9

 列車が大きく揺れ、眠っていたヴィスは目を覚ました。

 この揺れからすると、どうやらケーナバルト駅に近づいたらしい。

 ヴィスは堅い座席から身を起こし、大きなあくびをしながら、窓の外をみた。

 そして、息を呑みこんだ。

 何千、何百もの電灯がひしめき、ケーナバルトの夕刻は、まばゆい光に包まれていた。ヴィスは見たこともないネオンの看板や、点滅してアピールする電飾に唖然(あぜん)とした。

「すごい! まるで、法螺話(ほらばなし)だ」

 ヴィスはひとりつぶやいた。

 いままでの常識が覆され、頭の中がくらくらする。ユエラの夕刻は、もっと薄暗く、もっと静かな時間だった。こんな活動的な時間ではなかった。

 ケーナバルトのうわさ話は数多く耳にしていたが、まさかこれほどだとは思わなかった。このようすだと、動く床や自動馬車もきっとあるにちがいない。

 ヴィスは興奮し、胸躍(むねおど)らせた。

 見たことのない生活の匂いを嗅ぎ取り、旅人の血が騒いだ。ヴィスはまだ停車していない列車のなかで身支度(みじたく)を終えると、地団太(じだんだ)のような足踏みをし、部屋の中を行ったり、来たりした。

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