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第79話 高速探索部隊、レベル20へ!

 第10階層へ入った陸の前には、これまでと同じ自然洞窟が続いていた。


 岩肌の通路に、ところどころ青白く光る鉱石。第6階層から見慣れた景色ではあるが、ここまで来れば通常モンスターもかなり強くなっているはずだ。


 エリナは家で待っている。陸の周囲には、二十体のスピードウルフスケルトンと十体のジャイアントバットスケルトンが並んでいた。


「第10階層だし、こいつらも先に20まで上げとくか!」


 今はLv.18から19辺り。探索だけを任せるとしても、この階層を走り回らせるなら、もう少し余裕が欲しい。


 所持アイテムから誘魔の香炉を出そうとしたところで、通路の奥から硬いものが岩を叩く音がした。


「ん?」


 姿を現したのは、二本の脚で立つ大きなトカゲだった。


 全身を緑がかった鱗に覆われ、長い尾を引いている。両手には、先端が三つに分かれたトライデントを握っていた。


「リザードマンじゃん!」


 陸が声を上げた直後、リザードマンが地面を蹴った。


 トライデントが正面のスピードウルフスケルトンへ突き出される。骨の狼が横へ跳ぶと、三つの穂先が岩場を強く削った。


「武器使うのか!」


 リザードマンはそのまま柄を振り回し、横から飛び込もうとしたもう一体を牽制する。そこへ上空からジャイアントバットスケルトンが急降下したが、トライデントがすぐに跳ね上がる。


 ジャイアントバットスケルトンが翼を傾けて穂先を避けた瞬間、左右から二体のスピードウルフスケルトンが飛びかかった。一体が腕へ噛みつき、もう一体が脚へ体当たりする。


 体勢を崩したリザードマンへ、別のジャイアントバットスケルトンが上から激突した。


 ドンッ!


 リザードマンが岩場へ倒れる。


「よし! そのまま!」


 スピードウルフスケルトンたちが一斉に襲いかかり、しばらくしてリザードマンは動かなくなった。


「今までのやつより戦い方がちゃんとしてるな」


 陸は倒れた身体へ手を向ける。


「スケルトンラッシュ!」


 青白い光がリザードマンを包み、鱗も肉も光の中へ消えていく。少しして立ち上がったのは、人型の骨格に長い尾を残し、トライデントを手にしたリザードマンスケルトンだった。


 陸は少し近づいて眺めてから、リザードマンスケルトンをストックへ戻した。


「こいつもあとで見たいけど……今はこっちだ!」


 所持アイテムから誘魔の香炉を取り出し、通路の少し広くなった場所へ置く。


 陸が起動すると、淡い煙がゆっくりと周囲へ広がっていった。


 しばらくして、岩の向こうから足音が聞こえてくる。


「来た来た!」


 最初に現れたのはケイブリザードだった。続いてジャイアントバット。さらに、その奥からトライデントを持ったリザードマンまで姿を現す。


「いいね! 一気に来い!」


 三十体が動き出した。


 スピードウルフスケルトンが岩場を走り、ジャイアントバットスケルトンが頭上から飛び込む。リザードマンのトライデントが何度も振るわれるが、一体へ狙いを絞る前に別方向から次のスケルトンが襲いかかった。


 倒した魔物が消える前には、陸が次々と手を向ける。


「スケルトンラッシュ!」


 青白い光の中から新しいスケルトンが立ち上がるたび、そのままストックへ入れていく。魔物が来る。倒す。スケルトンが増える。


 その合間に管理画面を開いてレベルを確認すると、数字も少しずつ上がっていった。


「お、こいつもう19だ!」


 画面を閉じた直後、また通路の奥からリザードマンが二体走ってくる。


「よし、次!」


 しばらく戦ってから、陸はまた管理画面を開いた。


「来た! 20!」


 最初のスピードウルフスケルトンがLv.20へ到達している。


「やっと進化できるじゃん!」


 すぐに進化先を開きたくなったが、まだLv.18の個体が残っている。


「……いや、先に全員だな!」


 陸は画面を閉じ、次の群れへ顔を向けた。


 そこからも香炉狩りは続いた。


 少し戦うたびに管理画面が気になって、陸の指が伸びる。


「また20!」


 次はジャイアントバットスケルトン。


「あと六体!」


 さらに時間が経つ。


「あと二体……!」


 最後の二体はどちらもLv.19まで上がっていた。


 陸は香炉から漂う煙の向こうを見ながら、次の魔物が現れるのを待つ。


「早く来い!」


 間もなく三体のリザードマンが通路の奥から飛び出してきた。


「よし!」


 高速探索部隊が一斉に迎え撃つ。トライデントの突きをスピードウルフスケルトンがかわし、横から別の一体が脚へ食らいつく。ジャイアントバットスケルトンも頭上を飛び越え、背後から急降下した。


 三体すべてを倒し終えたところで、陸はすぐ管理画面を開いた。


「……上がった!」


 二十体のスピードウルフスケルトンと、十体のジャイアントバットスケルトン。三十体すべてがLv.20になっている。


「よっしゃ! 全員20!」

最後まで読んでいただきありがとうございます!

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