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第68話 第7階層へ!

 ボス討伐のウィンドウが消れると、部屋の中央に青白い光が集まり、報酬が現れた。


「これも回収っと」


 陸が報酬を所持アイテムへ入れると、部屋の奥から低い音が響く。


 岩壁の一部がゆっくり開き、その向こうに下へ続く階段が現れた。


━━━━━━━━━━━━━━

第7階層が解放されました。

━━━━━━━━━━━━━━


「お、第7階層!」


「つぎ?」


「そう。ちょっと行ってみるか」


「いく!」


 陸はエリナと、二十一体になったスケルトンたちを連れて階段を下りていった。


 しばらく進むと、再び広い洞窟へ出る。


 第6階層とよく似た大きな洞窟が広がっていた。天井はかなり高く、岩壁のところどころには青白く光る鉱石が埋まっている。


「ここも洞窟か」


 陸が周囲を見回していると、頭上から小さな音が聞こえた。


 カサッ、と何かが擦れる。


「ん?」


 高い天井を見上げると、黒い塊がいくつもぶら下がっていた。そのうち一つが大きく翼を広げ、天井から落ちるように飛び出してくる。


「速っ!」


 黒い影は一気に高度を下げ、そのまま前にいたスケルトンへ向かっていった。


 広い翼の膜。暗い毛に覆われた身体。口元からは牙が覗き、脚の先には鋭い爪が伸びている。


「鑑定!」


━━━━━━━━━━━━━━

ジャイアントバット

ランク:E

Lv.14


HP 48

MP 18

筋力 29

耐久 20

敏捷 58

賢さ 13


【スキル】

ダイブアタック

━━━━━━━━━━━━━━


「敏捷58か。かなり高い!」


 ジャイアントバットが前衛へ迫る。


 だが、その横から飛んだ矢が翼を貫いた。


 身体が大きく傾き、そのまま岩場へ落ちる。すぐにゴブリンソルジャースケルトンが駆け寄り、剣を振り下ろした。


 陸は倒れたジャイアントバットへ手を向ける。


「スケルトンラッシュ!」


 青白い光が死体を包む。少しして光が消えると、翼の骨格を大きく残したジャイアントバットスケルトンが姿を現した。


「おお、翼もそのまま残るのか」


 これでスケルトンは二十二体になった。


 その後も第7階層を少し進んでみた。


 天井や岩壁からジャイアントバットが飛び出してくることはあったが、今のスケルトンたちならすぐに倒せる。別の魔物が現れても、陸やエリナまで攻撃が届く前に片づいていった。


「ここも戦うだけなら大丈夫そうだ」


 第6階層でも、ボス戦そのものより、ボス部屋を探して歩く方にずっと時間がかかった。


 陸は周囲にいるスケルトンたちへ目を向ける。


「だったら、俺がずっと一緒に歩かなくてもいいか」


「かえる?」


「うん。こいつらに探してもらう」


 管理画面を開く。


 今の召喚上限は三十体。ストックには、第6階層で増やしてきたスケルトンが大量に残っている。


「せっかくだし、上限まで出そう」


 ストックから八体を選ぶ。


 青白い光が次々に広がり、ゴブリンソルジャーやケイブリザード、ブラックウルフのスケルトンたちが姿を現した。


「これで三十体!」


 陸は全員を三体ずつに分けていく。


 十組の小さな部隊ができあがった。


「それぞれ別の方向に進んで、第7階層を探索してきて」


 周囲へ伸びる通路を見ながら、続けて命令する。


「ボス部屋を見つけたら、そこで待機」


 三体ずつのスケルトンたちが、それぞれ別の方向へ動き始めた。


 岩場を踏む音がいくつも重なり、十組の部隊が次々と別の通路へ消えていく。


「いっぱい!」


「十組いるから、前よりかなり広く探せるはず」


 最後の一組まで見えなくなったところで、陸はエリナを見た。


「よし。俺たちは帰ろう」


「うん!」


 階層転移を使い、二人は家へ戻った。


 家へ戻った頃には、もう昼をだいぶ過ぎていた。


 朝から動いていたせいか、家に着いて一息つくと急に腹が減ってくる。


「なんかちょっと腹減った」


「ごはん?」


「いや、晩飯にはまだ早いし……おやつにするか」


「たべる!」


「反応早いな」


 陸は笑いながらショップを開いた。


 テーブルへ出したのは、クッキーと小さなケーキ。それから、自分用に買ったポテトチップスの袋も置く。


 エリナはすぐにケーキへ前脚を伸ばした。


「おいしい!」


「それ好きだよな」


 陸もポテトチップスの袋を開け、一枚食べる。


 パリッと軽い音がした。


 それを聞いたエリナが陸の手元を見る。


「これも食う?」


「たべる!」


 一枚渡すと、エリナは前脚でつまんで口へ入れた。


 ぱりぱりと噛んだあと、琥珀色の目が少し大きくなる。


「しょっぱい!」


「甘くないだろ?」


「でも、おいしい!」


「分かる」


 エリナはすぐにもう一枚へ前脚を伸ばした。


 それからクッキーを食べ、またポテトチップスを食べ、残っていたケーキにも手をつける。


「いや、めっちゃ食うじゃん」


「おいしい!」


「そうだけど、おやつは食べすぎない方がいいぞ」


 エリナの動きが止まった。


「なんで?」


「このあと晩飯も食べるだろ。今いっぱい食べたら、入らなくなるかもしれないし」


 エリナはテーブルに残ったポテトチップスを見た。


 少し考えてから、陸を見る。


「あとで?」


「うん。続きはまたあと」


「わかった!」


 陸が袋を閉じると、エリナは名残惜しそうに一度だけそちらを見てから、残っていた飲み物へ口をつけた。


「まあ、俺も食いすぎないようにしよ」


 そう言って、陸も最後に一枚だけポテトチップスを取った。

最後まで読んでいただきありがとうございます!

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