第67話 第6階層クリア!
翌朝。
陸が目を覚ますと、隣ではエリナがまだ毛布の上に丸くなっていた。
「エリナ、朝だぞ」
「んぅ……」
少しして琥珀色の目が開く。
「おはよ、リク」
「おはよ。今日はボスまで行くぞ」
「ぼす!」
昨日の残りで簡単に朝食を済ませ、テントやマット、テーブルなどを順番に所持アイテムへ収めていく。何もなくなった岩場を確認してから、陸たちは再びボス部屋へ向けて歩き始めた。
残っていた距離は昨日よりずっと短い。途中で現れた魔物も、先行するスケルトンたちがほとんど片づけてしまう。何度か休みながら進み、やがて通路の先に大きな両開きの扉が見えてきた。
「お、あれだ!」
石壁にはめ込まれた大扉には、これまでの通路では見なかった模様が刻まれている。
エリナが扉を見上げた。
「ここが、ぼすべや?」
「そう。たぶんここ」
陸が扉の前まで近づくと、青白いウィンドウが開いた。
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【第6階層 ボスエリア】
グレートケイブリザード ×1
入場しますか?
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「やっぱりここだ」
後ろには二十体のスケルトンが揃っている。
陸が入場を選ぶと、大扉が重い音を立てて開き始めた。
ゴゴゴゴゴ……。
「わぁ……!」
エリナが開いていく扉を見つめる。
その向こうも第6階層と同じ自然の洞窟だったが、空間はかなり広い。青白く光る鉱石が岩壁に点々と埋まり、その中央に大きな影が伏せていた。
四本の太い脚。地面すれすれまで低い身体。全身を覆う暗緑色の鱗は普通のケイブリザードより分厚く、背中は岩みたいにごつごつしている。大きな頭からは鋭い牙が覗き、後ろには太く長い尾が伸びていた。
「でかっ」
グレートケイブリザードがゆっくり頭を上げる。
陸はそのまま鑑定を使った。
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グレートケイブリザード
ランク:D
Lv.20
HP 210
MP 16
筋力 78
耐久 92
敏捷 34
賢さ 8
【スキル】
ハードスケイル
テイルスイープ
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「Dランクでレベル20か」
数字を見て、陸は少しだけ首を傾げた。
ボスバトルで加わったオーガスケルトンはLv.25、オークチャンピオンはLv.29だった。
「……思ってたほどじゃないか」
「つよい?」
「まあ強いとは思うけど、たぶん大丈夫」
そう答えた直後、グレートケイブリザードが低い声を上げた。
「グルルルル……!」
「よし。行け!」
二十体のスケルトンが一斉に動いた。
最初に前へ出たのはオーガスケルトンとオークチャンピオンだった。大きな棍棒と斧を構え、その後ろから前衛たちが一気に距離を詰める。さらに矢と魔法が飛び、グレートケイブリザードの分厚い鱗へ次々にぶつかった。
グレートケイブリザードが身体をひねる。
太い尾が一気に横へ振り抜かれた。
ブオンッ!
前にいた何体かが避け、間に合わなかった一体が弾き飛ばされる。それでも陣形が崩れるほどではない。すぐ別のスケルトンが空いた場所へ入り、その横からオークチャンピオンの斧が振り下ろされた。
ガンッ!
厚い鱗が大きくへこむ。
「おお、かなり押せてるじゃん!」
グレートケイブリザードの身体を淡い光が覆った。鱗の表面が硬く光り、続けて飛んだ矢が弾かれる。
「ハードスケイルか」
だが、止まったのはそれだけだった。
オーガスケルトンの棍棒が横から叩きつけられ、巨体が大きく揺れる。前衛の剣が脚へ入り、別方向から魔法が炸裂した。グレートケイブリザードがもう一度尾を振ろうとしたところへ、オークチャンピオンが踏み込む。
巨大な斧が首元へ振り下ろされた。
ドンッ!
グレートケイブリザードの身体が石床へ沈む。
少しだけ脚が動き、そのまま止まった。
「……終わった?」
陸が見ていると、エリナが横から顔を出した。
「もうおわり?」
「うん。もう終わりか」
部屋の中には、二十体のスケルトンがそのまま立っている。
陸は倒れたグレートケイブリザードを見て、少し笑った。
「……来る方が大変だったな」
通常の魔物だけじゃない。第6階層のボスまで、今のスケルトンたちにとっては大きな脅威ではなくなっている。
「こいつら、ほんと強くなってる」
陸はグレートケイブリザードへ手を向けた。
「スケルトンラッシュ!」
青白い光が巨体を包む。分厚い鱗と肉が光の中へ消え、やがて大きな四足の骨格が立ち上がった。
「おお、こいつもでかっ」
新しく加わったグレートケイブリザードスケルトンが、ほかのスケルトンたちの横へ並ぶ。
その直後、目の前にウィンドウが開く。
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【第6階層ボス討伐完了】
討伐評価:S
第6階層をクリアしました。
報酬を生成します。
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「よっしゃ! 第6階層クリア!」
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