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11アルフと呼んで

「じゃあ最初に明日から行く事になる第一騎士団の詰所前から行くよ」


アルフィー殿下は淡々と無表情に話を進める。


「はい。お願いしますアルフィー殿下」


歩幅も違う為に私は早歩きで追いかけながら言う。


「アルフで良いよ。どうせ明日からは一緒に行動するんだ。それに、いちいち殿下なんて呼ばれるのは好きじゃない」


冷めた目でそう言うと、更に速度を上げて歩くアルフィー殿下。


「判りました。アルフ。じゃあ、私の事もルーと呼んで下さい」


親しみを込めるようにそう言うと「いやそれは良い。君の事はルークと呼ぶよ」とさっと否定された。


あれ?


もしかして、機嫌が悪いとか?


まぁ、確かに面倒事を押し付けられた訳で、私はその元凶だけどさぁ。

それに、今日は休日だったのにこんなのの面倒とか?

やっぱり怒っているよねぇ。

そんな事を考えているとアルフィー殿下の掛け声がして私は前方を見る。


「ほら、見えて来た。あの黒い建物が第一騎士団の建物だ」


目の前には二階建ての黒い建物が建っていた。


「第一騎士団は総勢100人。半数は常に王国内の要塞に長期勤務している」


「長期勤務って何か特別手当とかあるの?」

そこ大事な所だ。


「1ヶ月以内の移動は遠征とかも含めて良くあるから、そのような短期間は地区外宿泊手当てになる、それ以上だと長期移動手当が付く。まぁ、微々たる物だがな。ただ、危険度の高い遠征には危険手当が付く事がある」


「ふ~ん。そうなんだ」

そりゃあ騎士団は人数もいるけど、見返りがあってこそ命を張れると言うもの。

人が相手でも魔獣が相手でも死ぬときは死ぬんだから。


「まぁ、基本的に新人の三年間はそうそう長期移動や危険度の高い遠征はないから安心して良いよ」


アルフィー殿下は苦笑いするようにそう言った。


「分かりました」


ん~長期移動手当とか危険手当とか欲しかったなぁ。


建物の前まで来ると、外観を見る為に回りを一周した。

やれ正面玄関だとか裏口だとか、色々説明してくれるアルフィー殿下。

一週回ると先程話の途中だった説明が始まる。


「先程話していた第一騎士団の残りの50人だが、基本的には王都周辺の警備、若しくは魔物が出る森で訓練がてら狩りをしている。まぁ、新人が毎年10名程入るので、その指導が主な内容にはなるんだけど。二年目からは魔獣討伐にも出るようになるよ」


確かに、竜に乗れるまでも結構大変だしなぁ。

魔獣討伐の前の段階が結構かったるいんだよね。


思わず幼い日の事を思い出してしまった。



「生憎、ルークはまだ正式に入団が受理されていないから今日は建物の中には部外者で入る事は出来ない。建物の中は明日正式に見て回るとして、次は竜舎に行ってみようか」


「はい」


竜舎。

どんな竜ちゃんがいるんだろうか?

少し期待しつつ私はアルフィー殿下の後ろを付いて行く。


最初は取っ付きにく方かと思っていたけれど、案外面倒見が良い人なのかもしれない。



お読み頂きありがとうございます。

また読んで頂けたら幸いです。

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