第5話 サイン
投稿2日遅れ、もはや言葉もありませぬ。
腹を切って詫びまする。
止めて下さるな!
土岐「おい、嘘だろ?」
そんな間抜けな問い掛けに答えてくれる人はいない。
いや、答えられる筈がないのだ。
土岐「何でこんなにゆっくりなんだよ」
先程から浮かび上がっているカーテンにも殆ど変化はなく、自分以外の
全てが緩やかで、まるでTV番組で検証などに使われているスーパースロー再生のようだ。
土岐「どうしようか、取り敢えず」
先程から激痛が走っている肩を自由にする。
そして……鼻フック!橘の鼻に優しく指をひっかけゆっくり釣り上げる、何してんだろう俺、と正気に戻って辞めた。
んー、こぼれた水とか一滴残らず拾えるんだろうなぁ、とか思いつつスタスタと移動する。
なんか楽しい、肩は相変わらず痛いけど、この力は凄い、恐らく2人には俺の姿は殆ど見えないだろう、まさに一瞬で、瞬き1回の間に移動して見えるんだろう。
そう考えるとやってみたいことがある。
そして俺は2人の死角に移動する。
そして、元に戻って欲しいと考える、しかし戻らない。
どうしたものか、ウンウン唸っている。
考えるのに熱中しすぎて段々と肩の痛みも気にならなくなってきた。
すると、急に声が聞こえた。
橘「痛っ!?無理矢理引っ張られたように鼻が痛い!?それに土岐君がいない!?土岐君!?」
飯島「え?え!?」
橘が痛がっているのが微妙に痛快だった。
しかし、何で急に元に戻ったんだろう?
まぁいい、俺は先程から言いたくて仕方がなかった台詞を口にする。
土岐「何処を見ている?俺はここだぞ?」
言えた、こういう台詞を言ってみたかったんだ、だってカッコいいじゃん。
橘・飯島「「なに!?」」
土岐「よし、人生で1回は言ってみたい台詞を完璧なシチュエーションで言えた!」
いかん、声に出してしまった。
まだまだ修行が足りないな。
そこで先程キョロキョロしていた2人の内ウザい方が鼻を擦りながら話し出す。
橘「決まり…だな」
土岐「何がだ?」
橘「君のサインの発動条件だよ」
土岐「何?」
橘「君の話を聞いていて思った所があったから君の肩を触ってみたんだが、正解だったようだな」
土岐「俺の骨折してる肩を鷲掴むのとサインがどう関連してるんだよ?」
橘「解らないかい?マウントでは肩に不調があった時、病室では肩の痛みが気になってきた時、そして今は肩の痛みを意識した時、だ」
そう言って橘は懐から煙草を取り出した。
煙草を取り出した橘を飯島がジト目で見ている。
橘「おっと、未成年もいるんだったね、一服いいかい?」
土岐「構わないからさっさと先を続けてくれ」
橘「あんがとね…」
シュボッ
カボチャか何かの細工が彫られた銀色の使いこまれたライターが小さな火を灯す。
カボチャの絵なんて珍しいなと思っていると。
橘が煙草のフィルター側を吸い込みライターの火が移り赤くなった先端から少しずつ灰になっていく、先ほどから殴るのに使っていた円盤型の灰皿はさりげなく回収されているようだ。
橘は窓枠に身体を預け外にむかって煙を吐き出し、どことなく気だるげに話を続けた。
橘「恐らく君のサインは自分の体に強く意識を向けた時に発動しているんじゃないかと思うんだ、昔の知り合いに1人だけ恐らく君と同じ能力を持った人を知っていてね、その人はそのサインをこう呼んでいたよ……時格昇上(自覚症状)とね」
何故だろうか、自覚症状、そのワードが俺の心の中にストンと落ちた。
時格昇上、それが俺がこれから向き合っていくのサインの名前だ。
誰も止めてくれないもんね。
ですが、宣言していた土日の内に投稿が達成できなかった事については本当に申し訳なく思っています。
私の事は嫌いになっても、小説家になろう。の事は嫌いにならないで下さい!(ドヤァ)
いや、本当に申し訳ないです。