記憶が売り買いされる世界で、記憶買取店の店長やってます
最新エピソード掲載日:2026/10/08
記憶が売り買いされる世界。
新品は高い。擦り切れは安い。
使うほど感情が薄れて、最後は写真みたいになる。
縫坂綴は、記憶買取店の店員。
売られてくる記憶を査定して、値段をつける。地味な仕事。
自分の過去には、興味がない。
──はずだった。
一つだけ困った特異性がある。
後から買って継ぎ足された記憶には、ジグザグの縫い目が見える。
「これ、擦り切れですね」
「新品で買ったんですけど」
「三回は回ってます。しかも前の持ち主、雑に使いすぎです」
「えっ」
他人の嘘は、わかる。
自分の記憶だけは、見えない。
なのにある日、店に流れてきたジャンク品の中に、綴の幼少期があった。
覚えてない。見たこともない。
なのに、継ぎ目はない。本物。
「……なんで、俺の過去が売られてるんだ?」
その日から、綴はジャンク品ばかり査定するようになる。
「仕事です」と言いながら。
新品は高い。擦り切れは安い。
使うほど感情が薄れて、最後は写真みたいになる。
縫坂綴は、記憶買取店の店員。
売られてくる記憶を査定して、値段をつける。地味な仕事。
自分の過去には、興味がない。
──はずだった。
一つだけ困った特異性がある。
後から買って継ぎ足された記憶には、ジグザグの縫い目が見える。
「これ、擦り切れですね」
「新品で買ったんですけど」
「三回は回ってます。しかも前の持ち主、雑に使いすぎです」
「えっ」
他人の嘘は、わかる。
自分の記憶だけは、見えない。
なのにある日、店に流れてきたジャンク品の中に、綴の幼少期があった。
覚えてない。見たこともない。
なのに、継ぎ目はない。本物。
「……なんで、俺の過去が売られてるんだ?」
その日から、綴はジャンク品ばかり査定するようになる。
「仕事です」と言いながら。
1話 擦り切れ
2026/10/08 09:28