プロローグ
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――『悪魔学概論』第一章「悪魔の証明」より
不在の証明は、99.9999%に近づくことはできても、決して100%には到達しない。
どれほど証拠を積み重ねようとも。
『いや、俺たちの知らないどこかに存在するかもしれない』
その一言だけで、残された0.0001%の可能性が、あらゆる証明を覆してしまうからだ。
では、実在の証明はどうだろうか。
悪魔学においては、これもまた同じである。
どれほど証拠を積み重ねようとも。
『そうか? なら、一度見せてみろ』
その一言だけで、残された0.0001%の疑念が、あらゆる証明を覆してしまうからだ。
だからこそ、悪魔学者たちはこう定義する。
実在と不在。
あらゆる証明が100%に到達することを阻む、最後の0.0001%。
――ゼロギャップ。
永遠に埋めることのできないその隔たりこそ、現存する人類の知性では決して越えられない、悪魔学最大の難題なのだと。
* * *
0月00日、禁書が舞い散る禁書庫――
ドォォォン――!
「――欲しい、欲しい、欲しい!! 貴様の手足を切り落として一生そばに置き、頭をかち割って隅々まで探究してみたいものだ――!!」
「このイカれ女が……!」
狂気に満ちた目をぎらつかせる、白髪の美しい知識の悪魔を前に、俺はWikiで読んだ記述を思い出していた。
『……クソッ』
そう。
俺は今、あの100%に最も近づいた人間。
悪魔すら魅了する、イカれたモブキャラになっていた。




