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✕✕年9月21日
特記事項なし
✕✕年2月17日
特記事項なし
✕✕年10月3日
特記事項なし
✕✕年1月3日
何かをここに書くのもどれほどぶりだろう。それがこんな内容だなんて。
いや、そんなことはわかりきっていたのかもしれない。
あの人たちに声を掛けられたのは何ヶ月、いや何年ぶりだろう。
久々に呼び出されて何事かと思えば、私の婚約者に会えと言う。
婚約者だなどと、そもそもそんなもの初めて聞いた話だが、私に拒否権などない。
仕方なく会ってみれば、あれが私の婚約者だとは。
正直ここに書き残すのも憚られる。その容姿もさることながら、聞けば私のほぼ倍の年齢だというではないか。
正気とは思えない。
だが彼らは至って正気なのだろう。私の婚約者殿のご実家はいくつもの大きな会社と特許をお持ちだという。
つまり、そういうことなのだ。
ああ、あの下卑た目。今思い出してもおぞましい。
この牢獄のような家から出られるのかと思えば、別の牢獄に移るだけではないか。それも今度はあの男の奴隷として。
既に底にいると思ったが、まだ底があるのか。
――もう、生きている必要などないのではないか。この先に待っているのは生き地獄しかない。
ああ、よく考えればむしろよくここまで生きながらえてきたものだ。
もう、いいんじゃないか。
もう、母と父とチイコに会いに行ってもいいんじゃないか。
最期にあいつらの鼻をあかしてやれるなら、そうする甲斐もあるというものだ。




