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神槍は転生してもやはり神槍を目指す  作者: Scull
第2章

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第27話 ロッテンナウ開門

いきなり扉を開ければ、数の不利によってあっという間に劣勢に立たされるのは明白。それなら、ベル師匠、フィルさんに魔道で先制してもらうべきだ。門扉の前で手早く装備を整え、槍を構える間に師匠に魔道での先制を頼む。


「よしわかった。任せたまえ」

と、軽い返事がなんとも心強い。


二人の門衛には、


「槍を構えたまま、合図をしたら槍の穂先でかんぬきを外してください」と伝える。二人がガクガクと頷いたのを確認する。


門扉はまだまだガタガタ、ドカンドカンとやかましい。


数拍して、


「いいよ!リーシア!」というベル師匠の声で、「どうぞ」というと、門の向こうでは派手な爆発音が轟く。

すかさず門衛に「いまだ!」と叫ぶ。


かんぬきが外されて、二人が扉を開く。即座に歩をすすめて手近に倒れている人影を狙う。扉にもたれかかっていたのか、こちらに倒れかかってくるものの首にまず穂先を突き立てる。さつで突き込んでいるので、ゴリっと骨が外れる手応えがある。

※扎:八極門に伝わる六合大槍の技法。捻りこむように穂先を突き入れる。


腱で穂先が抜けなくならないうちに槍を抜き、すぐ左の倒れ込んだゴブリンを上から叩きつける。穂先が掠めたゴブリンの右手が武器を持ったままちぎれ飛ぶ。そのまま槍の鉤が胸板を突き破る。


顔を抑えてよろける個体は今はいい。


さらに左にいた、偶然盾をかざしていて被害を免れたものは下からすくい上げるように腹をつく。


3人ほども倒すと、ゴブリンの側も何人かは立ち上がってくる。


「ウッガァ!」「グラァアア!」


うん、何言ってるのかわからん。武器を振り上げて、威嚇しているつもりのゴブリンをあっさり突き突き倒す。愚かな。


後ろを取ったつもりなのか、叫びながら斧を振り下ろそうとしてくるゴブリンをまず石突きで牽制し、そのまま槍をクルリと回してつく。

返す槍で正面にいた敵の脳天をかちわり、ついでに足元に倒れていたゴブリンの腹を震脚で踏み潰す。隣でカルルが槍を振るっていると思うと、そちら側を気にしなくていいのがとっても助かる。


粗末な槍を突き込んでくるものはで巻き落として姿勢を崩した上で、喉を突き上げる。


棍棒を振るい飛びかかるものは、歩を進めて打撃点をずらした上で、肩で靠を打ち付ける。柄の長い槍は、懐に入られると弱いけれども、近接短打の八極拳を使えばそこは補える。


ほとんどの襲撃者を打ち倒したところで集団の後方を見やると、指揮をしていたボスらしいものがまろびながら逃げ出していく。ん、と反応しかけるけれど、まずは師匠の「火球」で火傷を負って転げ回っているものたちにとどめを刺しておこう。


ゴブリン如きのトドメを刺すためだけに剣を抜くわけにもいかないので、ここは小剣を抜いてうめいて転げている数体の首をかき切って、とどめを刺しておく。


すぐに門の前はゴブリンの死体だまりができた。山と言うほどの数ではないけれど。


「す、すごい・・・」

そりゃ、師匠の魔道があったからね。まさかゴブリンもいきなり爆発が起きるとは思うまい。


「門扉は修理をしておいた方がいいかもしれませんね」

とは言っておこう。とは言えさて、一応撃退はしたけれど、敗走しちゃったゴブリンが何頭かいたはずなので今後のことを考えたら殲滅しておいた方がいいと思うし。


とりあえず今は門扉を閉めて、鐘楼の親分に報告にいこう。



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