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神槍は転生してもやはり神槍を目指す  作者: Scull
第2章

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第26話 ロッテンナウ、炎上

リーシアたちがフォートさんとにこやかに握手して、旅立ちを惜しんだ頃、ロッテンナウに鐘の音が響いた。


カンカンカンカン!カンカンカンカン!


火事だろうか。フォートさんを振り返ると、フォートさんは「ゴブリンか」とつぶやく。とはいえ、これほど大きな町ならば、ゴブリンごときの襲撃ぐらいはなんともないはずだ。


「ううむ・・・」


なんだろう、ゴブリンの襲撃にそんなに狼狽えないといけない理由があるんだろうか。


「リーシア」とカルルが訴える。ベル師匠は無言で頷く。


「どこにいけばいい?」と、フォートさんに聞けば、


「鐘楼で...」という。


「では、後で」と言い残して表に出、鐘の音を振り向く。

連れ立って鐘楼の元に駆けつけるとまだ、男が上で鐘を叩き続けている。だが、リーシアたち以外の人はいない。


「おい!」と声をかけてみる。聞こえてないのかまだ叩き続けるので、叩く合間を見計らってもう一度声をかけると、今度は聞こえたようだ。


鐘を叩く手を止めて、下を見下ろす。

表情は見えない。すぐに梯子を伝って降りてくる。


男はリーシアたちをみて、絶望的な表情を見せる。


「これだけか...」失礼な言い方だけどしょうがない。


「付近に巣があるゴブリンが、襲撃してきた。この町は鍛治と商業の街で塀以外の防衛力がない」


「なんで!」と言い募るリーシアに


「それはいい。とにかく今、町を守れるのはお前らしかおらん。対処してくれないか」


「わかった、どうしたらいい」と答える。


「奴らは北から攻めてきている。数はおよそ30。門扉はまだ破られていないが、時間の問題だ。なんとかしてくれ」


「わかった」と言い残して、北に向かって走り出す。

走りながら顎紐をしっかり縛って、振り落とされないようにする。


「鉄帽をしっかりかぶっておいて!!」と、師匠に声をかけておく。


「わかった!」とベル師匠の声がする。カルルは大丈夫だろう。


すぐに北門につくと、ガチャガチャ、ゴツンゴツンとものが当たる音が喧しい。腰が引けている若い男が二人。


「どうか!」と声をかければ、


「ま、まだ...」


うん、まだ破られてはいないという意味か。とはいえ内開きの門扉はあまり攻撃されれば蝶番も緩むし、かんぬきだって持たない。


門柱によじ登って、扉の外を窺ってみれば、確かにゴブリンたちが30匹ほど手に手に棍棒やら古びた剣やら斧やらの武器を門扉に叩きつけている。自分達の出す声がやかましすぎて、リーシアが窺っていることには気づいていない。


このまま破られればなだれ込まれて守りきれないだろう。とはいえ門扉をこちらから開けても、破られるのと大差ない。数の不利が覆せない。


さて、どうするか。

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