女神4
今まで何人も殺してきた…。
仕方ないことだと思っていた。相手が悪者だったから…戦場だから…味方を守る為だから…。
考えもしなかった…いや、見ようとしていなかった。
その人達は、かつて救われた人達だったのだ。
勇者に…柳川に、そしてはるなに。
「ああ…。はるなは…だから…。」
はるながずっと戦おうとしなかったのは、殺すのが嫌だとかそんなただの綺麗事じゃなかった。
彼女は戦ったのだ。彼や彼女らの先祖を守る為に、それこそ命懸けで。
なのに殺せるはずが無い。彼らこそはるなが守りたかったものなのに。
「いや…ならなんではるなは戦ってるんだ?」
またも矛盾する。今のはるなは柳川と戦う為に…人を殺す選択をしている。
そんな過ちを、いや…。
「矢那はるなにとって、洋司様を止めることが最優先です。その為なら、他の犠牲は厭わないでしょう。それは、勇者様もご覧になったのでは?」
そうだ。アリスを巻き込んでの攻撃…。あんな事許されるわけが無いと思っていたが、はるなからすれば、戦うこと自体が許されない事だ。
それこそ今更…と言う事なのか。
だが…何故なんだ?そこまでの禁忌を犯してまでなんで柳川を止めたい?
勇者の証明…迷走しているとは思うが、アリスの仲間達を助けたり、柳川のやっていることは正しい…と思う。
少なくとも偽物の勇者を擁立して暴れまわっている共和国よりはマシだろう。
その柳川を…なんで止める必要がある?
「…。もし、洋司様が目的を達成するとして…それに至るまでの死者が何名に登るかはわかりません。」
その答えをエリス様は語った。
「それからもう一つー
そして、聞きたくもない真実を語るのだった。




