第9話:黄金の朝露と、境界の迷い子(後編)
仮小屋の温らかな木床の上に、セトは抱き上げた謎の少女をそっと横たえた。
外の猛烈な嵐から引きずり込まれた彼女の体表には、冷たく湿った灰がこびりついている。セトはミリアに手拭いを用意させ、少女の白い肌を覆う汚れを優しく、だが手早く拭き取らせた。
少女の髪は艶やかな黒真珠の輝きを放ち、その華奢な肢体には、王国の魔術師たちが身につける法衣とは根底から異なる、奇妙な衣装が纏わされていた。極小の金属歯車と魔力伝達管が幾重にも組み合わされた漆黒の革製ビスチェ。その背中には、重厚な真鍮製の機関装置がくくりつけられている。
「これは……『魔導工学』か」
セトは目を細め、少女の背の装置を注視した。
かつて王国において、純粋な自然魔術を至上とする聖職者や貴族層によって「忌むべき異端」と糾弾され、徹底的な抹殺対象とされた失われた技術体系。それを彼女は身につけている。
「う……あ……っ……」
少女の唇から、苦しげな吐息が漏れた。
その白い首筋や胸元には、黒ずんだ血管のような筋が浮き出ている。『灰のヴェール・ガルド』の死の瘴気が、彼女の体内に深く侵入し、その命を内側から蝕み始めていた。
「セト、この子……身体が冷たいよ! 瘴気にやられちゃってる……っ!」
ミリアが心配そうに少女の手を握りしめる。セトは冷徹な眼差しで少女の胸元に手を当て、自らの感覚を彼女の体内へと浸透させた。
「死の瘴気が魔力回路にまで固着しているな。通常の回復魔術では、この毒を解くことはできん。解毒の前に、彼女自身の魔力線が焼き切れて死に至る」
「そんな……! じゃあ、助けられないの……!?」
「いいや、方法はある。俺の『聖地創生』のマナは、あらゆる生命の根源そのものだ。外側からの治療ではなく、俺の濃厚な生命力を彼女の体内へ直接注ぎ込み、細胞の隅々まで俺の魔力で上書きし、毒を追い出せばいい」
セトは躊躇うことなく、少女の黒革のビスチェを固定していた金属の留め具を解除した。
カチリと音を立てて装甲が弾け飛び、圧迫から解放された少女の豊かな双丘が、空気の中に一気に曝け出される。まだ未成熟な幼さを残しながらも、しなやかな弾力を帯びた白い肉体が、セトの視線の下で露わになった。
その胸の谷間には、痛々しい焦げ痕のような刻印が存在していた。それは王国中央の「異端審問官」が焼き付けた、烙印の跡だった。
「んっ……や……止めて……ください……っ」
激しい熱に浮かされながらも、少女のまぶたが微かに開き、透明度の高い瑠璃色の瞳がセトを捉えた。
彼女は恐怖に身体を震わせながらも、その理知的な口調の癖を捨てきれず、途切れ途切れに言葉を漏らす。
「私……の……魔導核心に……触れないで……。異端審問局の……追手、ですか……? 私を……奴隷として……実験素体として……連れ戻す気……ですの……っ?」
「安心しろ。俺は審問官でもなければ、お前を追ってきた追手でもない。この荒野を開墾する者、セトだ」
セトは低く力強い声で応えながら、彼女の華奢な腰を抱き寄せ、その滑らかな太ももを押し開いた。
少女の着ていた漆黒のボトムスもまた引き裂かれ、彼女の秘められた最奥の蕾が、外気に晒される。死の瘴気に冒されているせいで、彼女の秘裂は乾ききり、痛々しく引きつっていた。
「セト……あたたかいお水と、新しい布、持ってきたよ」
ミリアが甲斐甲斐しく脇に控え、セトの意図を察して少女の身体を支える。
少女――フィアナは、突如として始まった異常な状況に瑠璃色の瞳を大きく見開いた。
「な……何を……!? 計測不能な……高密度のマナ波形……っ!? 待ってください、このような解毒術式は……物理的・病理学的に存在しません……っ! あ……あっ……!」
「能書きは不要だ。生き残りたいのなら、俺の熱をすべて受け入れろ」
セトは指先に濃厚な黄金色の生命マナを集中させ、フィアナの乾いた秘裂の先端へと容赦なく押し当てた。
「ひゃあぁぁぁあッ……!?」
フィアナの口から、およそ理知的な少女とは思えない甲高い悲鳴が上がった。
セトの指先から放たれる圧倒的な熱量が、直接彼女の最も敏感な粘膜を貫き、体内へと流れ込んでいく。
冷たく凍りついていた彼女の膣内が、瞬時にセトの魔力によって沸騰し、溢れ出す自らの蜜によって湿り気を取り戻していく。
「あ、熱い……熱いですわ……っ! 何ですか、この現象は……! 私の体内回路が……セト様の魔力で……塗り替えられていく……っ!」
「そうだ。お前の理屈など、俺の命の前では意味をなさない。お前の過去の傷も、追う者の影も、すべてこの俺が叩き潰してやる」
セトは彼女の拒絶を許さず、自らの硬直した熱塊を、フィアナの狭く未熟な開口部にあてがうと、一気にその最奥へと貫いた。
「んぐぁぁぁぁぁッ……!!」
フィアナの身体が弓なりにしなり、彼女の背中の魔導機関が激しい蒸気を吹き上げた。
激痛と、それを遥かに上回る未知の快楽の奔流が、彼女の脳の許容量を瞬時に突き抜けた。
セトの太く熱い塊が、彼女の無垢な内壁を極限まで押し広げ、子宮の入り口を力強く打ち据える。
「あっ、あぁっ……! 入って……入ってきていますわ……っ! 大きい……セト様の熱いのが……私の中にぃ……っ!」
「フィアナ……セトの魔力はね、すごく気持ちよくて、あったかいんだよ……。怖がらないで、全部身を任せるの……っ」
ミリアが優しくフィアナの汗ばんだ髪を撫で、彼女の恐怖をやわらげるように唇を重ねた。
獣人の少女の甘い口づけと、セトの荒々しくも絶対的な支配の突き上げ。
二人の熱量に挟まれ、フィアナの理知的な思考機能は音を立てて崩壊していった。
「セト様……っ! あ……あたし、解毒されて……快楽で、脳が溶けちゃいます……っ! あぁっ、そこ……そこを突かれたら……私、私ぃ……っ!」
「お前の命も、その知識も、すべて俺の領地の一部となれ!」
セトは腰のストロークを激しく加速させ、フィアナの内壁にこびりついていた黒い瘴気を、自らの灼熱の種子と魔力で根こそぎ焼き払っていく。
肉と肉がぶつかり合う情欲の音が小屋の中に爆音となって響き渡り、フィアナの肉体は絶頂の波に何度も呑み込まれ、瑠璃色の瞳を蕩けさせて白目を剥いた。
「いく……っ、あたし、いっちゃいますわぁぁぁッ!! セト様ぁぁぁッ!!」
最後の一突きとともに、セトの濃厚な生命の源泉が、フィアナの最奥へと大量に解き放たれた。
フィアナの体内を満たした黄金の光は、彼女の皮膚に浮き出ていた黒い紋様を完全に消し去り、胸の烙印さえもセトの紋様へと塗り替えていく。
過剰な快楽と完全な浄化の末に、フィアナは満足げな深い溜息をつき、セトの胸の中で崩れ落ちるように意識を失った。
その顔にはもはや追われる者の怯えはなく、新たな主を得た安らぎが満ちていた。




