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第8話:癒えぬ傷跡と、血肉に刻む温もり(後編)

「ああっ、あぁぁッ……! セト、セトぉっ……! あたし、もう……っ、狂っちゃいそう……っ!」

 ミリアの狂おしい絶叫が、狭い仮小屋の天井に何度も跳ね返る。

 セトの容赦ない突き上げを受けるたびに、彼女の滑らかな背中が弓なりにしなり、胸元の柔らかな肉が激しく上下に揺れていた。

 肉と肉がぶつかり合う情欲の音が小屋の中に鳴り響き、二人の結合部からはあふれ出た蜜が泡立ち、甘い匂いを室内全体に撒き散らしている。

 セトはミリアの細い腰を大きな手で力強く掴み固定すると、彼女の奥深くに刻まれたもっとも敏感な肉のひだへと、容赦なく肉槌を叩きつけ続けた。

 これまでのミリアの人生は、奪われ、傷つけられ、貶められることの連続だった。

 銀狼族としての誇りも、家族との温かな記憶も、すべて帝国の暴力によって踏みにじられ、彼女の心には冷たく暗い闇だけが残されていたはずだった。

 だが今、セトという圧倒的な存在が、彼女のすべてを暴力的なまでの愛と快楽で塗り替えていく。

「見ろ、ミリア。お前の身体はもう、あの冷たい檻の中にはない。この俺の腕の中にあり、俺の魔力に満たされている」

「はぁっ、あんっ……っ! うん……っ、わかる……わかるよぉ……っ! あたし、セトの熱いので、全部塗りつぶされてる……っ!」

 セトがさらに腰の回転を早め、彼女の奥の奥を激しく突くと、ミリアの瞳からポロポロと大粒の涙がこぼれ落ちた。

 しかしそれは、恐怖や苦痛の涙ではない。魂の根幹を震わせる圧倒的な快楽と、自分という存在を命がけで愛され、支配されていることへの歓喜の涙だった。

 セトの農業魔術師としての豊かなマナが、結合部を通して彼女の体内へとなだれ込んでいく。

 それは荒れ果てた大地に恵みの雨が降り注ぎ、枯れ果てた種子が芽吹くような、生命力の奔流そのものだった。

 ミリアの体内で脈打つマナが、彼女の背中に残された奴隷の焼印を内側から包み込み、引きつっていた皮膚の痛みを優しく溶かしていく。

「ああっ……暖かい……お腹のなか、セトの熱い魔力で、いっぱいになっちゃう……っ! あたし、もう……セトなしじゃ、生きていけないよぉ……っ!」

「生きる必要などない。俺のそば以外で生きることなど、この俺が許さん」

 セトは彼女のあごをすくい上げると、激しいピストンを止めないまま、逃れられないような濃厚な口づけを交わした。

 互いの舌が絡み合い、甘い唾液が口端からこぼれ落ちる。

 声にならない嬌声が口内で押し潰され、ミリアの全身がビクビクと激しく痙攣し始めた。

 子宮が力強く収縮し、セトの肉槌を狂おしいほどの力で締め上げてくる。

 限界まで高まった情欲と魔力の波が、二人を逃れられない絶頂の深淵へと引きずり込んでいく。

「セト、あたし……いく……っ! あなたの中に、あたしの全部をあげる……あぁぁぁぁッ!!」

「ミリア、すべてを受け止めろ!!」

 セトは最後の一突きを限界まで奥深くへと打ち込み、同時に自身の体内に溜め込んだ濃厚な種子と莫大なマナを、彼女の子宮の奥底へと激しく注ぎ込んだ。

「んぐぁぁぁぁッ……!!」

 ミリアは叫びともつかない声を上げ、背中を大きく反らせて絶頂に達した。

 彼女の内壁が幾重にも収縮し、セトから注ぎ込まれる灼熱の液体を逃さず飲み干そうと狂乱する。

 注ぎ込まれたマナはミリアの全身の脈管を駆け巡り、彼女の体内に残っていた過去の絶望や傷跡を、圧倒的な生命力で瞬く間に洗い流していった。

 あまりの快感の大きさに、ミリアの銀色の耳と尾がピンと跳ね上がり、やがて力無くベッドの上に倒れ込む。

 彼女の瞳はとろんと蕩け、溢れ出た涙と汗でぐしょぐしょになりながらも、その表情にはかつてないほどの充足感と安らぎが浮かんでいた。

 セトはゆっくりと彼女の中から身を引き抜くと、ぐったりと力尽きたミリアの華奢な身体を抱き上げ、毛皮のシーツで優しく包み込んだ。

 結合部からあふれ出た白い蜜と二人の体液が、彼女の太ももを伝ってシーツを濡らしている。

 ミリアはセトの胸にすり寄ると、安心しきった様子で細い息を吐き出した。

「セト……ありがとう……あたしを、救ってくれて……」

「礼など不要だ。お前は俺の開墾した最初の土地であり、俺の愛する伴侶なのだからな」

 セトは彼女の額に優しく唇を寄せた。

 ミリアの背中の焼印は消えたわけではない。だが、それはもはや彼女を縛る絶望の鎖ではなく、セトという絶対的な主によって救われ、愛されたという証へと変貌していた。

 窓の外では、死の荒野を包んでいた『灰のヴェール・ガルド』の嵐が完全に止み、雲の切れ間から力強い太陽の光が死せる大地へと注ぎ込み始めていた。

 それは、セトが開墾する新たな世界の幕開けを告げる光であり、二人の絆が不可逆のものとなったことを祝福する輝きでもあった。

 二人は互いの体温を感じ合いながら、静かに新しい朝の訪れを受け入れていくのだった。

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