領土奪還①
ギヨウ達が休養をして一か月が過ぎた頃、ギヨウ達はようやくゼルバに呼び出される。
そして、すぐにギヨウ達はゼルバの元へと向かったのだった。
「よう」
「来ましたね、ギヨウ」
ギヨウが来ると、ゼルバは立ち上がってギヨウの元へと歩いてくる。
「どうしたんだ?」
目の前で立ち止まったゼルバに、ギヨウは疑問に感じる。
「いえ、一応形式だけでも、と思いまして」
それに対して、ゼルバは答えにならない答えで返した。
だが、それが何かはすぐにわかることとなった。
「アカツキ隊の隊長ギヨウよ。あなたを三千兵隊長に昇格させます」
ゼルバが、ギヨウに対してそう言ったからである。
ギヨウは急な事で驚いたが、すぐに気を持ち直すと、
「はっ!ありがたく!」
そう返したのだった。
「では、話を始めましょうか」
あっさりと、それを終わらせると、ゼルバは元々座っていた場所に戻った。
ギヨウは、いつものように机を挟んで椅子に座ろうとしたのだが、その前にガンビカがギヨウの近くへと寄って来る。
「調子に乗るなよ。俺は抜かせんからな」
ガンビカは五千兵隊長なので、まだ五千兵隊長にはさせんぞという意味か、もしくは自分が先に将軍になるという意味だろう。
「すぐに抜かしてやるよ」
ギヨウがそう返すと、
「ぬかせ」
ガンビカも言い返して自分の席に着いたため、ギヨウも座る。
「さて、それでは話を始めましょうか」
全員が座ったのを確認して、ゼルバは話し出した。
「ズェガェを討ち取ったとはいえ、まだフェズ国の劣勢には変わりがありません。ですが、これから一気にフェズ国の領土を奪還していきます」
それは矛盾のある言葉であった。
劣勢である以上、そう簡単に押し返せることはないのだから。
「どうやるんだ?力押しってことはないよな?」
そのため、ギヨウがその矛盾を突いた。
「もちろんです。その為の策は、もう既に終わっています」
やはり、ゼルバは不思議な事を言う。
「終わっているとは、どういう意味ですか?ゼルバ様」
今度は、ガンビカが聞いてくる。
「少し話を変えましょうか。前にも話しましたが、エルエ国が占領した街などに住んでいるのは誰だと思いますか?」
突然、ゼルバが話を変える。
それが、今の話に関係あるのは明白である。
「占領した軍じゃないのか?」
ギヨウが答える。
「もちろん兵も置かれます。しかし、民の多くは元フェズ国の民です。元々いた民を全て殺して、自国民を入れるなどという事は不可能ですからね」
そんな事をしていたら、いくら人間がいても足りない。
「民がその場に残る理由は様々ですが、多くの者は行く場所がないので仕方なく残っている者でしょうね」
ここまで話せば、ギヨウ以外にはピンと来ているところである。
「つまり、その民に手伝ってもらって、エルエ軍を撃退すると言うわけですな」
ガンビカがその答えを言った。そして、得意気な顔でギヨウの方を見る。ギヨウは何故だか少し悔しくなってしまったのだ。
「少し違いますが、そんなところです」
なんとも微妙な言い方である。
「でもよ、そんなにうまくいくのか?元々戦ってはいなかった人らだろ。女子供老人ばっかだよな?それに、どうやって手伝ってもらうんだよ」
そもそも、大雑把すぎてわかりづいら話である。
「いいえ。先ほども言いましたが、もう始まっているのですよ」
「え?」
ギヨウ達には、まるで理解できない。
「まだ、私の策は続いているのです。私が先日王都で演説を行ったのはこの為です。私がフェズ国を守るために蘇ったという話は、少しずつ広まっていっているのです。そのために一か月待ったのです」
「どういうことだよ?」
相変わらず、ギヨウには意味が分からないのだった。
「その結果として起こるのは、民の反乱ですよ」
それはつまり、百姓一揆である。




