屋敷掃除
備えあれば憂いなし。
この言葉の意味は皆もご存じの事、準備をしていれば完璧だぜと言う意味だ。
え?漢字も意味も違う?なんにせよ準備は大切だと言う事を俺は言いたい、ここ連日レンの装備や重装備に入る四連式ロケットランチャーを作ったりしたことでDPが大きく削られたが、レンのRT01以外は必要な物だと思っているしかし死ぬ思いをして集まったDPももう残り1万ちょいしか残ってない。
今の装備で当分大丈夫だが何とも心ともない。
そこで何かいい狩場がないか今日はギルドに来ていた。
「敵が沢山いる狩場・・ですか?」
「そうそう、ゴブリンとかの雑魚でもいいぞ」
いつもの職員さんは俺の姿をじろじろと見た後深いため息を吐いた。
「あのですね? なんの防具も持っていない状態で10層へ行っているのも本当はありえないことなんですよ?それなのに・・・」
このいつもの職員さんの意見ももっともだろう、冒険者の集まるギルドの中でもまるで上下喪服の様な全身真っ黒な服を着てなんの鎧も装備してないのは俺くらいだ。
唯一ちゃんとしているのは俺が腰にぶら下げている剣とレンの持つ杖くらいだ。
「大丈夫だよ、レンは凄い強いから。 それで狩場を・・・ん?」
レンを指さして自信満々に言うとなぜかレンに睨まれた、実際最近戦っているのはレンで俺は後ろからついて行ってるだけだ。
「・・・・神の治療師が居るなら安心ですけど。 分かりましたではこの依頼はどうですか?」
「依頼か・・・何々?旧領主屋敷のモンスター討伐?」
渡された紙にはそう書かれていた。
詳しい説明を聞くとすでに使われなくなった前領主の別荘が街の外の山奥にありその屋敷がモンスターの住処になっているらしく入る事が出来ないだけではなく屋敷の中で増えたモンスターが外にまで出てきているらしい。
「なるほどなぁ、一つ聞きたいんだけど屋敷はどうなってもいいのか?」
「はい、もうかなり古い建物ですし。 森の奥にある屋敷なんて誰も行く人はいません」
銃を撃てば壁に穴が開き敵を倒せば血がでる、血だまりが出来たのなら掃除すればいいが銃弾で開いた銃痕はどうしようもならない、屋敷をまた利用しようとするのなら出来るだけ傷をつけないようにしないといけい。
しかし、そんな事をしなくていいそうなのでよかったこういう時に命をかける結果になっても後の事や仕事の事を考えてしまうのは俺が日本人だからだろうか、それとも社畜の要素でもあったのだろうか。
とにかく今回は依頼と言う事なのでDPと素材が貰えるだけではなく達成報酬があるので断然やる気が起きる。
早速俺達はギルドを後にして屋敷に向かった。
屋敷への道は元々整備されていた道だったので木が生えている、と言う訳ではなかったが長年放置されて雑草が生えていた。
それにしてもいくら別荘だからと言ってモンスターの居る森に建てればモンスターが住み着くのも当たり前だろう。
「あ、見えてきましたよ」
レンが指さしながら教えてくれ顔を上げると2階建ての割と豪華な屋敷が建っていた。
屋敷自体はそんなに古そうには見えないがツタが伸びてガラスが割れているし周りの樹が高いせいで薄暗いのでちょっと不気味だ。
こう言う建物は廃墟好きだと喜ぶんだろうな
「立派な建物ですね、ちょっと勿体ないです」
「まぁ立派だけどお化け屋敷みたいで近寄りたくないな、怖いし」
ガチャとコッキングレバーを引き、戦闘準備を整えた俺達は大きな扉を開けて屋敷の中に入る、窓から入る光が室内を照らしてちょっと幻想的だったが暗いのでやっぱり怖い。
中央に2回への階段があるがその横にある道を進み一階から探索しようと進むと柱の陰からいきなりゴブリンが襲い掛かって来た。
「うわああああ!?びっくりしたな!」
SCARの銃身でゴブリンの顔面を横から殴りつけて吹き飛ばし空中でクルクルと舞うゴブリンを地面に落下するまで4発撃ちこむとSCARの7.62mmNATO弾が身体に大きな穴を開けて絶命する。
流石に薄暗い中で目の前にゴブリンの顔面がドアップで来ると悲鳴をあげてしまう。
見れば奥に行けば行くほど暗くなっている、出来れば進みたくないが・・
「暗いですね・・・ここは任せてください」
そう言うとレンは武器を背中に下げ両手を前に突き出して目を閉じて
「デルライト」
と呟くとレンの手元にビー玉程の大きさの光る球体が現れレンの頭の上に移動した、大きさは小さいが大きさからは想像使いないほど周りを照らしてくれる。
「これで明るくなり・・・どうかしましたか?」
レンが目をキラキラさせながら頭上の光を見ている俺に気付く。
「それ魔法!?すげぇなかっけえ!」
「そ、そうですか? これくらい普通ですよえへへ」
禿が使ったら頭の反射でもっと明るくなりそうだ。
レンが魔法を使えるのは知っていたが使っている所は初めて見た。
「私はそこまで得意ではないのでこれくらいしかできませんが、もっとうまい人ならもっと明るいですよ」
「今のままで十分明るいだろう、十分十分。 さぁ、いくか!」
その後気付いたが俺がレンより前に居ると自分の陰で手元が見えずにリロードややりにくい。
一階の探索をしているが今の所初めのゴブリン以外には2体のゴブリンとしか出会っていない。
ギルドのいつもの職員さんの言う通りならもっと敵だらけと言う事だったが・・・
「ご主人様、あそこの部屋から灯りが出ています」
「え?灯り?」
レンの指さす方を見ると少しだけ開いたドアからオレンジ色の灯りが見える、オレンジなので太陽の光じゃなく恐らくロウソクなどの光だろう。
もしかするとあの部屋にモンスターが集まっているのかと思いレンと共にドアをゆっくり開ける。
キィィイィ・・・・
「およ?」
しかし部屋の中にモンスターは居なく、その代わりに人が生活しているような痕跡があった。
真ん中の机の上に火が灯ったロウソクに寝床だろうかボロボロの布団にリュックの様な物が置いてある。
「ご主人様」
「どうした?」
レンに呼ばれて後ろを振り向くとレンの首元にはナイフが向けられ腕を拘束されていた。
「!?だれだ!」
「へへへ動くなよ、この女を殺されたくなければな」
レンの頭上の灯りで陰になって見えなかった声の主の姿が見えてくる。
薄汚れた緑のフードを被っているので顔は見れないがぼさぼさの髪に汚れで汚くなっている口元の肌が見える。
腰には数本のナイフと短剣を刺している、見た感じ冒険者ではなくどちらかと言うと盗賊、山賊と言った所だろうか。
「腰の剣と敵持っている変な物をこちらに投げな、後金もだ」
「ご主人様!私に構わず逃げてください!」
「うるせぇ!」
「きゃ!」
盗賊の腕の中で暴れるレンの髪を引っ張り床に押し倒し上に乗りかかる盗賊
「へへへ中々の上玉じゃねぇか」
「おまえレンになにしてんだ!」
「動くなって!」
武器を構えようとする俺を視界に収めながら動くなとレンの首元にナイフをまた近づけてニヤァと笑っている
・・・どの道撃てないここから撃つと恐らく貫通してレンにも当たるだろう、かと言って剣で切りかかるにしても距離を詰めれても抜刀の時間が要る為に先にレンを殺されるだろう。
「撃ってください!ご主人様の前で汚されるくらいならいっその事殺してください!」
「おお、勇敢だねぇへへへ」
「レンーーーー!」
盗賊の手がレンの秘部に伸びていき・・・・
「だめえええええええええええええええ!」
「あぎゃ!?」
悲鳴と同時に髪飾りがレンの目の前にあった盗賊の顔面に飛んで行き盗賊が空中に飛ばされ一回転を終えた後に地面に頭から墜落する。
「ごしゅじんさまぁ!うわああああん」
「レン!」
俺に駆け寄ってくるレンだが俺とレンの間に倒れている盗賊の顔面を涙で前が見えないレンは気付かず踏みつけてバランスを崩してしまう。
「わ!わ!」
「お、おい!」
バランスを崩してフラフラになりながら足を踏み出したところはなんと盗賊の股間だった。
グチャ
「ぎゃああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」
うわあああああああああああああああああああああああああああああああああ
グチャ!と出来れば一生聞きたくない音を出して盗賊は泡を吹きながら絶叫する、俺も心のなかで絶叫する。
レンが踏んだモノはバランスを取り戻すにはやらかすぎたのだろう、レンは前のめりに倒れる様に俺の胸に顔から突っ込んでくるのでキャッチして大泣きするレンの頭を撫でてやるが俺の視線と意識はレンには向いていない、俺が見ている物はレンの髪飾りが執拗に盗賊の顔面や大切な所を打撲している光景だった。
「怖かったですご主人様ぁ!うわあああん」
「うわぁ・・・うお!うえ!?わぁ・・うお!」
目の前で敵とはいえ自分と同じ男の大切な部分がただの肉塊になっていく様を見て表情が引きつってしまうのは誰も一緒だろう
「ごしゅじんさま?なにを見て・・・あ」
股間を押さえて苦い顔をしている事に気付いたレンは、俺の見ている方を見てずっと無意識に攻撃していた髪飾りに気付き自分でも引いてるみたいだった。
その後死んでいるのか生きているのか分からない盗賊をギルドに連行した(男としては死んでいるのは確かだろう)
どうやら冒険者が盗賊に身を落としあの屋敷に住み着いていた様だ、冒険者の時はそれなりに強かったらしく屋敷にいたモンスターを倒していたせいで素材もSPも入らず無駄骨になってしまった。
初めはしくしくと泣きながらショックを受けていたレンだったが俺が例の光景が頭から離れず顔を引きつらせていると必死に弁解してきた。
「あのあれは違うんです! びっくりして髪飾りが勝手に!」
「オウソウダネ、レンガブジデヨカタヨ」
「違いますって誤解しないでくださいよぉ」
女ってこわい




