4−1+《Ⅰ》
第四章スタートです。
第四章 支部団長
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《Ⅰ》
赤の旅団での暮らしに慣れて来た頃。京はいつものように、尚と何名かの団員と連れ立って魔物狩りをしている。魔物は食糧にする為の狩りが殆どであり、雪と氷に閉ざされた大陸では当たり前の事だった。
「そっちに回れ!逃がすな!」
「くそっ、2班が尾にやられた!」
「1班と4班は協力して頭を押さえ込め!」
リーダーの尚の指示が飛び、巨大な大蛇と対する。雪の大陸の魔物は全身長い毛に覆われているものが殆どだ。この大蛇も白く長い毛に覆われている為、剣や矢の攻撃が届きにくい。
「俺がやる。」
「頼むぜ、京っ。」
「3班、俺のサポート!」
腕を見込まれた京は、既に一つの魔物狩り班が任されていた。京に任された3班は腕力勝負の男が三人。通常一班五人編成の為、京を入れても四人と少なめ。それでも京の指示と各々の力技で幾度も大型魔物戦を繰り広げ、今回も京の大剣溜め攻撃を難無くサポートしていた。
「ひゅー、さすがだね。お疲れっ!各班適当な大きさにバラしてくれよっ。京、やっぱりスゲーな。あのメンバーに、こんなにも早く認められるだけの事はあるぜ。」
「そうか。俺は特に何もしていないがな。」
歩み寄ってきた京の肩を叩きながら、尚は嬉しそうに笑っている。京は特別に指示をするのではなく、各々の判断に任せているだけだ。
「どんなやり方でもだよ。アイツ等は力があるだけに、生半可なリーダーには従わないんだ。ま、京は俺が認めた男だからな。さて、野郎共帰るぞ〜っ!」
一目置いている尚は、それだけ言って肩をポンと叩く。
俺は響に会いたいが為に、この赤の旅団に来たんだがな…。
内心溜め息をついた。響と初めて赤の旅団内部で会った数日後に見掛けた時、彼に鎖がついていない事を確認。変わらず首輪はしていたが痩せている訳でも怪我をしている訳でもなく、それなりに日常を送れていると推察出来る。本心は無理矢理にでも助け出したいのだが、さすがというべき赤の旅団。強者揃いのこの集団からの脱出は厳しかった。
たまに視線が合っても故意に反らされる感がある。いつもアイツが側にいるし、話し掛ける事も出来ない。もう何日…触れていないんだろう。
響のたまに見せるフワッとした笑顔を思い出す京。柔らかいくせ毛も、男の癖にしっとりとした肌も。勿論それ以上の事は今の所何もないのだが、無性に抱きしめたくなるのだった。




