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第三章 赤の旅団
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「これはもう、成功したも同然ですな。まさか、銀の魔導師様と行動出来るお方とは。」
「…何か俺、響のついでみたいになったな。」
「悔しかったらお前も称号を貰えるように頑張るんだな。まぁ実際、称号なんて何の役にたたねーけど。」
喜ぶハンター協会会長をよそに、軽く溜め息をつく京と響である。
「では、宜しくお願いします。」
「あぁ。」
再び頭を下げられながら、京とフードを被り直した響は宿屋に戻っていった。
「うー、寒かった。」
部屋に戻って獣毛のコートを払っている響の後ろで、京が壁にもたれながら唸っている。
「どうしたんだ?変な物でも食ったか。」
「違う。…響は16歳だよな。」
「それがどうした。」
「…いつハンター協会に登録したんだ?」
15歳で成人の儀を行う為、協会登録は昨年だと京に思われていた。
「…10歳。」
「マジか?」
京の問い掛けには頷いたものの、それ以上聞くなとばかりにベッドへ横になるとそっぽを向かれる。
もう質問タイム終了か。しかし10歳で魔導師って、どれ程の才能だ。
驚きを隠せない京だったが、質問を諦めて装備をとく。
「響、何か食べないか?」
「…ん…、寝る…。」
「もう寝てるのか。何か食べないと、筋肉つかないぞ?」
「…何か買ってきて…。外に出たくない…。」
「分かった。」
装備をし直し、京は部屋から出て行った。
「どうだ、響。美味しいか?」
「ん。」
酒場まで行ってぶどう酒やビール、焼いた肉等を買って戻って来た京。寝ていた響を起こし、二人で食べている。
俺って、本当に健気だな。こうまで他者の面倒なんかみた事ないのに。響は何か、そうさせる魅力がある。世話を焼きたくなるというか。
飲み食いしながらも、京は響を視界から外さなかった。
「…出発は明日か?」
「あ、あぁ。ここマルゴタからメルテクまでは三日かかるし。向こうに着いてから、少し情報収集したいからな。」
「…お前、身体は大丈夫なのか?」
「響が薬を塗ってくれたからな。」
「あ、そうか。じゃあ、また塗ってやる。」
「え…っ?」
「ほら、食ったら横になれよ。」
食事を終えた響は薬の準備をし始める。まだ触れると痛む為、京は自分の失言に心の中でうなだれていた。




