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第三章 赤の旅団
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「分かった。立入検査は一週間後だな。報酬は前金三割、成功時に残り全額。」
「分かりました、そのように。では、宜しくお願いします。」
交渉成立。メルテクの町の代表者が立ち上がって手を差し出し、京もそれを返す。響は微動だにしなかった為、握手を求められる事はなかった。
「では、私達はこれで。町に報告をしなくてはなりません。皆喜びますよ、雪山椒魚を倒す強者に依頼出来たと知ったら。失礼します。」
メルテクの町から来た二人は、何度も頭を下げながら退出する。
「俺達も行くか。」
「あの、少し宜しいですか?」
立ち上がった京に声をかけたのは、ハンター協会の会長と名乗った男。視線が京から響に向けられた。
「何か?」
「あの…、失礼ですがそちらのお方は?」
「俺の仲間と言ったはずだが。」
「いえ、それは伺いましたが…。魔導師の方ですか?お顔を隠されているようなので、少々気になりまして。」
「そんなの…っ?」
「良いよ。」
ハンター協会の会長に食ってかかりそうになった京を片手で制し、響はフードをとる。会長が息を飲んだのが分かった。
「あ、貴方様は…響様。まさか雪の大陸にいらしているとは存じませんでしたが…お会い出来て光栄です、銀の魔導師様。」
深々と頭を下げられ、今度は京の方が不思議そうに首を傾げる。
「銀の魔導師?」
「…砂の大陸で、ハンター協会からそんな称号をもらったんだ。」
「響、称号付きだったのか?」
「京様はお知りではなかったのですか?」
驚く京に、別の意味で驚く会長。
ハンター協会に登録してある剣士と魔導師の中で、ごく一部の者だけが称号を与えられた。
「なるほどな。魔導師なのにソロで行動出来るはずだ。響、言わなかったよな。」
「聞かれなかった。」
「…普通聞くかよ、称号持ってるかって。」
「と言うと、正式にパーティー登録はされていないのですね?」
「してない。」
「凄くプッシュしているんだがな。」
不満げな京だったが、ハンター協会会長としてはそれすら驚くべき事である。
誰とも行動を共にする事のない一匹狼、銀狼。それが響のもう一つの呼び名だった。ハンター協会からの仕事に対して、パーティー行動を強要すれば必ず断られて受けない。だが単独でも仕事の腕は一流で、過去に失敗した事例がなかった。




