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星の雫  作者: まひる
第二章
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2−14

第二章 戦い

14


 ヒビキは唖然と見詰めるしかない。唸りながらうずくまる男達をよそに、キョウは呼吸すら乱れていなかった。


「さぁ、少し遅くなったが宿へ帰ろう。」


 何事もなかったかのように響の腰を抱いたまま宿へ足を向ける。


「な…っ、いい加減に放せよっ!」


 我に返った響は思い切り京の胸を押した。


「またそんな強がり言って。響、今の自分を分かってる?」


「何言って…っ!」


 静かに身体を放されるが、自分の足に力が入らない。


「腰が抜けてるみたいだね。と言う事で却下。良いよね?」


 放してあげない、と抱き上げられた。文句も言えない。襲ってきた男達が転がっているここに放置されれば、確実に身の危険を避けられないからだ。


「…くそ…っ。」


 せめてもの強がり。怒った顔で視線を逸らした。


 腹が立つ。何でこうも調子が狂わされるんだ。


「どうしたのさ、響。」


「…っ!こ、こっち見るな!お前、何か変だ!いつも変だけど…、今はもっと変だ。良く喋るし、やたら…。」


 顔を覗き込まれ、慌てて逸らす。お姫様抱っこされている響は、それくらいしか抵抗が出来なかった。


「…やたら、何?」


 いつの間に宿に着いたのか、フワリとベッドに下ろされて正面から見詰められる。


 京の真っ黒な瞳に捕らえられると、そこから逃れられなくなるのだ。


「…や…やたら触って来るからだっ!放れろっ、オレは寝るっ!」


 身体を捻って横を向こうとしたら、今度は足を捕まれる。


 な…何だよ、こえーよ馬鹿っ。


 知らず知らず涙目になっていた響に、フッと京の笑い声が聞こえた。


「そんなに怯えないでよ。靴、脱がなきゃだろ?…ゴメンね、泣かすつもりはなかったんだけど。俺、何か焦っちゃってたな。酒飲んで楽しくなって、つい…ね。もうしないよ…おやすみ、ひーたん。」


 優しく響の靴を脱がし、最後にポンと軽く頭を撫でる。


「ちょっと酔いを醒ましてくる。」


 そしてそのまま部屋を出て行った。呆然とその背を見送る。


 な…?何だ…ひーたん?!アイツ、壊れたのか?


 パチパチと瞬きしながら、混乱する響。


 ホントに酒のせいか?だったら何であんな…辛そうな顔をするんだ?


 分からなかった。だが、分かりたくもなかったかもしれない。無理矢理頭から追い出し、ギュッと目をつむった。

ひーたん………。

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