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星の雫  作者: まひる
第二章
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2−8

第二章 戦い


「とりあえず朝まではここにいるんだろ。」


 既に三つの月が高くに見える。水場に着くなり、ゴロリと横になるヒビキに問い掛けた。


「うるせー。」


 だが開口一番に返って来た言葉はこれである。隣に腰掛けたもののそれ以上反応はなかった為、キョウは響の顔を覗き込む様に再び問い掛けた。


「何だ、怒ってるのか?」


「…それ以上近付くな。」


 伸ばした京の首筋に、響の短剣が添えられる。


「…何もしないさ。聞いているんだろ。」


 酷く警戒されている事に傷付きながらも、京は両手を上げてゆっくりと元の位置に腰を下ろした。


「…オレはこの大陸を出る。」


 ここでさよならだと言わんばかりの響の言葉に、さすがに京も頭に来る。


「おいっ、響っ。何考えてるんだか知らないが、俺は何処までも響と一緒に行くからな。キチンと行き先くらい言え。旅の仲間だろ。」


「…オレはお前と仲間になった覚えはない。」


 京の迫力に少したじろぎながらも、命令口調に怒りを感じた。


「まだ言ってるのか。本当に気が強いというか、強情というか…。黙っていれば可愛いのに…とにかく、俺は一緒に行くからな。」


「うるせー、お前はお前で勝手にしろ。オレはオレで好きにする。もう寝るっ。」


「はぁ…。…なぁ、朝は起こしてくれるんだろ?俺を置いて行かないよなぁ?」


「…知らん。」


「なら、抱き着いて寝る…。」


「うっとーしい!朝は出掛けに蹴り起こしてならやる。触るなっ!」


 そっぽを向いた響にくっついたら、思い切り蹴られる。それでも耳が赤くなっているのが見えたから、京は満足げに微笑んだ。



 ボカッと思い切り横腹を蹴られる。寝ぼけマナコで相手を見ると、ムスッとした響だった。


「おはよう、響。本当に蹴り起こしてくれるとはなぁ。」


「うるせー、オレはそう言っただろ。じゃあな。起こしたからな。」


 声をかけても起きなかったのはどいつだと、口から出そうになったのを必死で止める。まるで一緒に行きたいみたいじゃないかと、自分の甘い感情に歯止めをかけた。


「あ、待てって。くそっ、本当に行きやがった。」


 寝起きに蹴り飛ばされ、それでも響の後を追う。歩きの響には、ベークの歩みですぐさま追い付いた。


「なぁ、乗らないのか?」


 後ろを追いながら問い掛ける京。だが響の返答無し。


「やっぱりベークが怖いのか?そうだよなぁ、ここに来るまでも何度か落ちそうになっていたしなぁ。俺が抱き留めてやらないと…。」


「うるせーな!怖くなんかねーしっ!落ちねーしっ!仕方ないから乗ってやらぁ!」


 京にまんまとのせられベークの背に乗った響は、後で後悔するのだった。

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