第一話 決意
「あ、やっと来た!」
「待ってたよ!」
彼女は特徴的なギザギザした歯を見せながら笑う
「今回のお話は復讐劇かな?」
「さぁさぁ、遠慮なく椅子に座って朗読でも聞いてて!」
「それでは……物語まで3、2、1」
✿
僕の名前はイスカ
ある日、絵を描く為のインクを買いに行ったんだけど
外に出た瞬間魔法陣が出てきてもう〜びっくり
しかも、近くには何故か凛桜がいてね
凛桜ってのは僕の幼なじみでね
まぁ、お察しの通りに、異世界転移させられたね
多分僕は、なろう系とかでよくある異世界転移に巻き込まれた人間だろうね
あぁそういえば、絵を完成させられなかったのが心残りなんだよね
そこからは、その国の王様にお願いされて、国境近くの村で病気とか呪いとかを解決して、一件落着したんだけど
ノゾムが作った花火の下、ツミさんから逆プロポーズをされて結婚
その後はめでたく子供も産まれた
家族で過ごすと凄く、幸せな気分になるんだなぁって思えた
森であの子が迷子になって、探し回ったこともあったね
見つけた時に猫?みたいな生物を抱きながら泣いてたのは驚いたなぁ
でも、この後に家で食べたあのシチューは美味しかったなぁ
あ、シチューといえば
ツミさんが初めて料理したものもシチューだったね
その時は紫芋を使ってしまって、白じゃなく禍々しい色のシチューになってて驚いたね
けど、味は悪くなかった、普通に美味しかった
あぁ、いつまでもこの幸せが続くんだなぁって……
うん、ここまでは良かった
でもね、あの有名な盗賊、「ノーフェス」ってのが家に押しかけてきたの
ツミさんの言う通りに僕らの子供を逃がした
ツミさんを助けるために、部屋に行った
燃え盛る炎の中、ようやくツミさんを見つけたんだけど
そこには、血まみれで倒れてる彼女と、僕の幼なじみである凛桜が立っていてね
ツミさんに近づいて、声をかけた
揺さぶったりした
でもね、返事はなかった
人間って、極度の恐怖とか痛みにさらされると防御反応として笑うんだね
その後のことは上手く思い出せないんだけど
でも……これだけは今も心の中にある
「凛桜に復讐する」
復讐は何も生まないと言うけど……
まぁ今はいいとして、とりあえず、凛桜に復讐するためには協力者が必要だね
イスカ「_______てなわけで、ノゾム!頼む!手伝ってくれ!」
相変わらずの、あの特徴的なアホ毛
しかも、関西弁+糸目だから敵の可能性が高い……あ、この場合僕が敵だから問題無いか
ノゾムが少し考えて口を開く
ノゾム「ええよ、協力したる」
「おもろいもん見れそうやし」
一言余計だと思うが……まぁいい
待っておけよ!凛桜!
絶対復讐してやるからな!
英雄に手を出すから僕が処刑されるだろうけども!
ノゾム「いや絶対処刑されるけどとか思っとるやろ、イスカくんは」
「……自覚していないタイプの両想いやのに」
イスカ「何か言った?」
ノゾム「なんも言っとらんで」




