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1 夢を見ました

うじうじと考えごとをしながら寝てしまったからだろう。




悪夢を見た。


夢を見ながら、これは夢だとわかっている夢。なのに、奇妙にリアルで。


あたたかくて湿った異質な空気。

汚らしい高い建物。

灰色の道の上を恐ろしい機械が走り回っている世界の夢だ。



私は今より年上の女になっていた。


朝起きて、鏡を見ながら自分で身だしなみを整える。


私は、黒髪に黒い瞳、平たい顔立ちをしており、目の下にはくまができている。


3階建ての粗末な建物の一室に住んでいる。


ひざをむき出しにした奇妙な服に着替える。


ありえないほどたくさんの人間が詰め込まれた機械に乗り込んで移動する。


見上げるほど高い建物の中にある仕事場に行く。


四角い箱を見ながらひたすら数字を打ち込む。


昨日も、その前の日もこうやって数字を打ち込んでいたし、多分明日も同じ行動をするだろうとわかっている。


変化のない毎日のささやかな楽しみは、夜、粗末な建物にもどってから、薄いマットレスを床に敷いて、その上に寝転んで、小さな四角い板の中に映し出される絵物語を見ること。


絵物語は、平民の少女が王子やその側近と恋に落ちるという、非現実的な話だった。





突然、頭の中に軽い調子の女の声が響いた。


《そう、スマホゲームの『アル戦』、はまってたなー。

絵師様神だし、出てくるキャラクター、みんなかっこかわいいんだよね。


特にイワン君、電撃スキルで強いんだー♪

あと、俺様発言うざいけどヒロインを自分の女認定するとすごい甘々で、そのギャップにきゅんきゅんするよね。


あれ、なんか、このスチル、どっかで見たような?》


私は、四角い板の中の絵を覗き込んだ。




そこには、昼間見たイヴァン殿下とツチャビッチ・ミトロヒナ男爵令嬢がみだらに体を接着させ、お互いを見つめあう姿が描かれていた。



ちょっとだけゲームの話が出ました。


2022.07.09 読みにくい箇所と改行を修正しました。

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