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3 トノリの欲望

トノリ視点です。


長いけど、しょうもないです。読まなくてもストーリー上問題はありません。

……というか、書いているうちになんか気持悪いんだけど不憫だなと悲しくなってしまったので、楽しいお話を求めている人は、とばしちゃってくださいm(__)m


明日から、ようやく本編(ライラ視点)に戻ります。

真実の愛を見つけた。

かくなる上は、必ず俺が、ツチャビッチ・ミトロヒナ、かわいいツーチャを監禁し、彼女を害する者だらけのこの世界を滅してでも彼女を守らなくてはならない、とトノリは思った。


イライラすることがあったため、トノリは授業をさぼって一人、空き教室で魔法研究をしていた。

そこに、ツーチャがやってきて、手作りのスイーツを差し出した。


「魔法研究、がんばっているわね、トノリ。

私、馬鹿だから、こうやってスイーツを差し入れして応援するしかできないけれど、トノリが研究を続けて、暗闇地獄スキルに覚醒して、私を守ってくれるって信じているわ」


トノリは、机の下でツーチャの手をそっと握ると、格好をつけて言った。

「うん、任せといて」



二人のそもそものなれそめは、今年の2月1日である。

この日は、世界に潜む鬼を退治するため、全校生が参加して豆まきなどの追儺式を行うが学園の慣例である。


トノリは、そういっためんどうくさい伝統行事に参加を強制させられることに不満を抱いていた。

3歳で闇スキルを授かり、天才魔法少年ともてはやされている自分が、なぜそのようなつまらないことをやらなくてはならないのかと思っていた。


そこでトノリは、わざと生徒たちに闇魔法で攻撃をしてやろうかと思った。こういったイベントで怪我人でも出れば、学園側の責任になるし、そうすれば学園はイベントの回数を減らすのではないかと思ったのだ。

実は、イベントがあるたびにトノリはこういった妄想をしていたが、実行したことはなかった。

だが、この日、トノリは、小さな声で闇魔法の呪文を唱え、攻撃の準備をした。生徒にぶつけなければいいだけだ、と言い訳をしながら。


2月1日の夕方、トノリが攻撃の準備をしながらイベント会場に向かって歩いていると、「遅刻、遅刻!」と叫びながら、食パンを口にくわえて走ってきたセーラー服の女と曲がり角でぶつかった。女は闇魔法の攻撃をくらい失神した。

トノリはその女を知っていた。ミトロフ男爵の娘だというその女が、聖なるスキルの使い手の可能性があるとして編入時に紹介されたのを覚えていたからだ。

さて、トノリは、気を失った女を揺さぶったが、女は目を覚まさない。

トノリは、何の反応もない、セーラー服を着た人形のような女の体に微かな興奮を覚えながら、女を背負ってイベント会場まで連れて行った。


トノリたちがイベント会場に現れたころには、すでに豆まきや鬼を祓う踊りなどのプログラムは終了しており、追儺式を手伝っていた生徒会役員たちが片づけをしているところだった。

女はそこにいた保険医の治療を受けて目覚めた。

追儺式の進行管理を担当していたレオニード先生が、トノリと女に事情を聴き、トノリに対して、攻撃対象がいないのに闇魔法を展開していたことを叱ると、女が叫んだ。


「ごめんなさい!私が全部悪いです。トノリ様は悪くないので叱らないでください。

私、今日、初めての追儺式で、準備に張り切りすぎて、遅刻しそうだったので、慌ててトノリ様にぶつかってしまいました。

気を失った私をここまで運んでくれて、本当に助かりました。

ごめんなさい。私が悪いので」


トノリはわざと闇魔法を発動したし、失神していた女を助けたとしても、そもそも女が失神したのはトノリのせいなのだが、レオニード先生はそれ以上叱るのを止めた。


トノリが、呪文の練習をしていてうっかり闇魔法の発動させてしまっただけだと嘘を言い張って譲らなかった上、被害者が納得しているならいいかと思ったからである。あと、実はレオニード先生は、イベントのたびに奇抜な格好をしてトラブルを起こす女にうんざりしていて、あまり関わりたくなかったのだ。

他の生徒会役員たちはトノリの魔法発動やなぜかセーラー服を着ている女の存在を気にすることなく、さっさと追儺式の片づけを終え解散した。


トノリは、お詫びに女を女子寮に送って行くよう保険医に指導され、おおいばりで任務を果たした。



これが、トノリが女、ツチャビッチ・ミトロヒナ嬢と知り合ったなれそめである。



それからも、助けてもらったお礼と称してバレンタインチョコをもらったり、二人で夜、寮を抜け出してデートしたり、何回も授業をさぼって森に行ったりと密かに愛をはぐくんできた。


いつの間にか、イヴァンがツーチャに思いを寄せるようになったため、いつもツーチャのそばにいようとするトノリは、なんとなくイヴァンの側近であるとみられるようになった。


しかし、実はトノリは、イヴァンの存在を心から抹消していたので、彼に見えている世界にはイヴァンは存在しておらず、いつもトノリとツーチャの二人だけしか認識されていなかった。


一方、イヴァンは、トノリのことを変わったやつだと思っていたが、それでも天才魔法使いの卵を言われているトノリが側近に加わったと噂になったことはうれしかった。

また、トノリが、奥手のためツーチャにあまり接触しない上、イヴァンとツーチャがいちゃつくのを見ても平然としていたため、イヴァンはトノリとツーチャが付き合っていると疑ったことすらなかった。


だが、いつの間にか二人は、お互いをトノリ、ツーチャと呼び合い、密かに見つめあいながら学園内を闊歩し、時々はトノリが眠っているツーチャをじっと観察する仲となった。


もともと、トノリはマイペースで、友達付き合いはせず、婚約者もいなかったため、人生の全てを魔法の修行に充ててきた。

しかし、最近はツーチャを想うあまり、魔法の修行もおざなりになっているし、ツーチャの関心をひくために闇魔法をぶっ放して仲間を攻撃してしまうなど、立ち回りにミスが増えていた。



そんな中、今年のハロウィンイベントでトノリは、闇属性の魔物が変化する際に、こらえきれずに闇魔法で攻撃してしまい、カボチャの魔物を強化してしまった。

結局、イヴァン、ボリス、トノリ、トーニャのパーティでは歯が立たず、生徒会役員たちと先生方とで魔物を抑える中、侍従のお仕着せを着た男とまだ幼い少女がやってきて、男が持ってきた菓子を少女の風魔法で魔物にぶつけ、魔物が大人しくなった隙に男が魔物を封じた。


風魔法を使ったトニア・ハーリングという少女は、まだ1年生なのに、この討伐の功績が認められ、魔法スキル実践講義の上級クラスで学ぶことになった。

今までは、3年生の1月に上級クラスに進級したトノリが最年少の進級者だったのだ。

実は、存在すら認識していなかった周囲の有象無象の中に、自分よりすぐれた魔法使いがいるかもしれない、と思ったトノリは、ショックを受けていた。


上級クラスの授業後、トノリが人の来ない場所で呆然としていると、たまたま近くにいた生徒会の役員たちがうわさ話を始めた。


「トノリ・タハロフ様がカボチャの魔物討伐の足を引っ張っていたな」


「闇魔法は使い勝手も悪いし、最近の彼は魔法の修行もろくにしていないし、神童も大人になったらただの人っていうか、ざまあって感じだね」


すると、今年、生徒会の会長を務めていたナザール・アウコフ侯爵令息が言った。

「しかし、トノリ様は将来どうするつもりなのだろう。


タハロフ家は子爵とはいえ代々当主が魔法狂いと言われた人物ばかりで領地経営に力を入れていないため、貧乏で有名で最近は借金の当てもなくなり、爵位を返上して平民になろうとしているという噂もあるぐらいだ。いくら優秀だったとはいえ、三男坊の彼を養う余裕はないだろう。

宮廷の魔法師になる場合、闇属性の魔物が多いから魔物討伐には向いていないし、頭はいいけれど、彼は人に何かを伝えたり、人と協力したりする姿勢がないから、研究職も難しいかもしれない」



自分は当然父のように魔法師団長になると思っていたトノリはショックを受け、魔法スキルの使用に必要な集中を欠く、不安定な精神状態になってしまった。


小さいころに死んでしまった母が生きていれば、今の自分を受け止め、慰めてくれるのだろうか、とトノリは思った。



ツーチャにそんな悩みを話すと、ツーチャは「私があなたのお母様になって、トノリ様をよしよししちゃいます」と慰めてくれ、そしてささやいた。


「私、予言能力があるの。


大丈夫、トノリ様は暗黒地獄のスキルを取得するのだから、魔法師団長にだってなれますよ」



このように、トノリには優しいツーチャだったが、ツーチャは、時々、激高して人を攻撃することがあった。


だが、トノリの目にはツーチャしか入っていない。

だから、トノリはツーチャが激高するたび、かわいいツーチャを傷つけた敵がいると思って相手を威嚇していた。


敵が土下座して謝罪する姿を見ると、トノリは、なんとかツーチャを守ることができたと安堵するとともに、今後、ツーチャを危険な目にあわせないためには、ツーチャをどこかに閉じ込めて、食事もトイレも睡眠もすべてトノリで管理し、誰の目にも触れないようにしなくてはならないと思うようになった。


こうして、ツーチャへの依存が高まれば高まるほど、トノリはツーチャの一挙手一投足に激しく喜んだり悲しんだりするようになり、ますます精神状態が不安定になっていった。


ついにトノリは、自作自演でツーチャをいじめる正体不明の敵を演じ、怯えるツーチャを救うふりをするようになった。

恐怖におびえるツーチャを説得し、なんとかトノリが用意した監禁場所に自分から閉じこもってもらうためである。

しかし、ツーチャはなかなかしぶとく、檻に入ることをいつも拒絶した。



もう、トノリには、ツーチャの予言にすがるしか彼女を監禁する方法はなかった。


確かに、暗闇地獄のスキルを授かれば、周辺の人々を皆滅して、トノリとツーチャの二人だけで生きていくことができるだろう。

そして、ツーチャが自分を愛していることは間違いないのだから、今は抵抗していても監禁してしまえば、けなげなツーチャも喜ぶだろう。



死に別れた母に愛されたいと望みつつ、それがかなえられないことからくる精神の不安定さと、あまりにも幼いころから天才魔法使いとして持ち上げられてしまったという環境がトノリの心をゆがませていたのかもしれない。


トノリは、もう、ツーチャを自分だけのものにしたいという欲望を抑えることができなかった。

このころのライラ


 護身術の練習をして疲れたので、スビートと一緒に就寝中


このころのダイ


転移であちこち行って買い物した後、コテージに戻ってまかないご飯をいただきました



 トノリはマイペースなので、ライラやダイがストーリーと違う行動をとったことの影響をあまり受けていません。つまり、トノリの攻略ルートは、ツーチャから自分の覚醒スキル名を聞いている以外は、ほぼ原作ゲーム通りです。

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