3 ダイの休日3
前々話から引き続き、ダイの話です。
ダイは枯れ木を組んで火をつけると、焚火の番をしながらごみを燃やすようルカに頼み、料理を始めた。
ルカはごみを燃やしながらブツブツつぶやいている。
「え、なにこれ、ドラゴンの鼻くそ?
普通の魔石より魔素詰まっている感じなのだけど、あれ、これ、燃やすの?もったいなくない?
あと、これ、ドラゴンの鱗だよね。あれ、素材屋で鱗1枚を金貨10枚で売っていたよね?
あれ、これも燃やすの?10枚ぐらいあるよ。え、ほんとに燃やすの?
あと、なんだこれ、ドラゴンの住処にしか生えないというドラゴン草だよね、滋養強壮にいいとかで、これも一本金貨1枚ぐらいで売っているよね。山のようにあるのだけど。え、これも燃やすのー?」
「ルカ、それ全部転売したら市場が混乱するし、ばあさんが変な奴らに目を突けられたら困るから、さっさと燃やして。
調査依頼を失敗して補填するなら、2、3枚ぐらいなら、転売してもいいけど、あまり欲をかくなよ。
あと、ドラゴン草は香りがいいから肉を焼く時の風味づけに後で使うから」
ダイは指示しながら、どこからともなく取り出した大きな鍋に肉を放り込んで煮炊きを始めた。
「東のほうでミノタウルスが大発生した時に、大量に狩っておいた。
狩って、すぐに処理して、塩、はちみつとハーブをすり込んだから、焼くとおいしいぞ。
こっちはスープだ。野菜と肉をトマトソースと塩で煮ただけだけど」
「あーまー、いろいろ言いたいことは置いといて、うまそうだね」
肉を焼くいい匂いがし始めたころ、小柄で、頭に花柄のスカーフを巻いた老婦人が館から出てきた。
上品な服装をしているが、顔立ちはトカゲに似ている。
「どれどれ、どんな具合だい?」
「そろそろ食べようと思って。ばあさん、よそって持っていくから、そこ座っていて」
老婦人は、石の上に葡萄酒の瓶が置いてあるのを見つけると、つかんで飲み始めた。
「ばあさん、ちょっと待て!もうすぐごはんができるから、がっつくな」
「酒はいいね!こういうものを作るだけでも、人間を生かしておいてよかったと思うよ」
アンは瓶を空にすると、口を拭いながら言った。
肉とスープに、チーズをはさんであぶったパンを添えて平たい石の上にそろえて置き、ついでに葡萄酒の樽を追加すると、3人は食べ始めた。
「いただきます、って、もう食べ始めたのか。早いな」
「あはは、ショータ、いつもそれやっているのな。いただきます。ほら、おれもやったよ」
「やっぱり、酒の合間に汁物があると温まっていいね。トマトソースがすっぱくて、おいしい。
あと、やっぱり酒は、肉とか、チーズパンがあったほうがおいしく感じる」
「うま、肉の脂と塩がうまっ。なんか複雑ないい匂いするけど、これなんのハーブ?」
「うん、まあまあかな。それ、ショウガだよ。あと、焼く時ドラゴン草のけむりでいぶしたから、そっちかも」
「おおー、滋養強壮、というか、その、アレに効くというドラゴン草か・・・。
俺、調査依頼、片付いたし、ここ出たら故郷に帰るしかないよね。
そしたら、さみしい思いさせていた彼女に会うよね。、、、あれ、もしかしなくても俺、結婚するわ」
「止めろ、妄想で変なフラグ立てるな」
「フラグ?」
「いや、なんでもない」
馬鹿話をしながら食事を終え、新たに酒瓶が追加されたころ、ルカが聞いた。
「アンさんとショータはどうやって会ったの?
っていうか、さっき言っていたドラゴンが絶滅した世界って何?」
「ああ、そうだな。異世界から来た勇者の伝説は知っているか?俺は、勇者の出身の世界から来た」
「ひええ、勇者は、自分の世界のドラゴンを全部討伐しちゃったのか?」
「そうかどうかはよくわからない。ただ、俺が前いた世界にはドラゴンはいなかった。
俺は、どうした訳か、その世界からこちらの世界に紛れ込んだ。そして、最初に会ったのが、ばあさんだった」
「そうだね、こちらも、いきなり人間がいたから驚いてしまってね。生意気だからちょっと相手してやろうと思ってかかっていったのさ。
ところが、こいつはなかなか度胸があってね。
人間のいるところに逃げるでもなく、森の奥へとこちらを誘うように走りだしたのさ。
あれは、私が村に行ったら、ほかの人間に被害が及ぶと思ったのだろう?
実際、同じころ、山の向こうにいた私の番のところにも他の世界から来た人間が紛れ込んだらしいね。
番は、血気盛んだから、その人間を深追いしてしまい、町を2つ壊滅させて、結果、討伐隊が組まれたらしいよ。
まあ、どうにか逃げ延びたらしいけど、今は傷を治すために眠っているらしくて、全然連絡が取れなくてね。
元気だといいのだけれどさ。まあ、人間から見たら災厄だけど、私から見れば愛しい番だからね。
まあそんな話はいいよ。
あの時、こいつは2日間、ふらふらになりながら逃げた。ところどころ、私を出し抜こうとしながらね。
こっちも2日もあれば、こいつが間違って入り込んだだけで、私を害するために来たわけじゃないというのはわかったよ。装備が貧弱すぎたからね。
で、見どころがあるなと思ったから、そろそろ止めないかと話しかけて、それから少し食べ物を分けてやったりしたのさ。
それから、こいつは時々遊びに来るようになった。
こちらの世界の仕組みでわからないことがある時は、特にね」
「そうだな」
その頃のライラ
スビートと一緒にご飯を食べています。




