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1 ダイの休日1

(ダイの話です。)

ゴルポリのギルドに、ダイが入ってきた。

白シャツに黒ベスト、サスペンダーの侍従のお仕着せに、黒革のパンツ、ブーツをあわせて、黒いマントを羽織っている。


ダイは、ギルド外の市民からの依頼が掲示されている掲示板を熱心に見ていたが、少し色が変わりかけた紙を見つけて手に取った。それは、もう半年ほど前から掲示されたままの依頼だ。

「ここに、このマークが入っているやつだったはず」


ダイはその依頼用紙を持って受付に行くと、依頼主の欄に書かれたマークが「アン」のものであることを確認し、依頼を受けた。

手続中、近くにいたギルド職員が、ダイ宛に伝言を預かっているから、少し待つよう頼んだ。

ダイは了承して、受付嬢に依頼の中身を読み上げてもらっていると、大きな荷物を背負い、二本の剣と皮の鎧を装備した冒険者らしい男が声をかけてきた。


「ヘイ、ショータ、久しぶり。その依頼を受けるのかい」

ダイは、本名の下の名前で冒険者登録をしている。


「ああ、ルカーシャ、久しぶりだね。

というか、こんなところでどうしたのさ。君の故郷は、ダウリポリだと思っていたよ」


「近くで依頼を受けているのさ。

そちらの案件は、さっぱり手掛かりがつかめないでいるのだけれどね。


君が時々この街にきて、割に合わない依頼を受けている上、時期的にもうすぐきそうだという噂を聞いたので、ギルドに君が来たら連絡してほしいと頼んでいたのさ。

おかげで君に会えてうれしいよ。


割に合わない依頼いうのは、それかい。見てもいいかな」


男は、ダイが見ていた紙を覗き込むと、うなった。


「こいつはひどいな。ゴブリンの巣を壊滅させろ、報酬は銀貨一枚、だって?

報酬が安すぎる。このアンっている依頼主は、ものごとが分かっていない子供か?

割に合わなさすぎるだろ」


「まあね、そういう依頼もあるだろうね」


「ショータはそれを受けるのか?

俺がギルドマスターに言って、報酬をもっと上げるか、ギルドから追加で報酬を出すよう交渉してやろうか。

ゴブリンの巣の壊滅なら、治安維持のためにギルド依頼にしてもいいような案件じゃないか」


「あまり人がいない場所だからね」


「そんなこと言ったって、、、。よし、俺も行く。パーティを組もう」


「いいよ。僕一人で十分だ」


「まあ、そう言うなよ。旧交を温めよう。

パーティで依頼を受けるように変更してくれ」

ルカはダイから紙を取り上げると、受付嬢に頼んだ。


「パーティ名は、『ルカ&ショータ』だ」

「ダサい名前だな」ダイは文句を言いながらもあきらめたようだ。


「場所を知っているのか」


「遠いよ。ルカの千里靴を貸してくれ。俺は2日しか休みを取っていない」


「俺がパーティを組まなきゃ、どうやって行くつもりだったのさ」

ルカは肩をすくめながら荷物から汚れたサンダルを取り出し、ダイに投げた。

ダイはそれを履くと、ブーツを持っていないほうの手でルカの腕をつかみ一歩前に踏み出した。



二人は、大きなゴブリンの巣の真ん中にいた。

アリジゴクの巣のあとだろうか、すり鉢状に凹んだくぼみの真ん中にいくつかの穴が掘ってあり、その中でゴブリンが暮らしているようだ。

いきなり人が現れたためか、見張りらしきゴブリンが叫び始めた。


ダイはサンダルをブーツに履き替えると、ルカに言った。

「後ろを頼む。3mぐらい離れて、1m以内には近づくな」

「いきなりかよ、おい」


ルカが二本の剣を抜いて構え、穴から飛び出し始めたゴブリンどもを切り捨て始めた。


ダイは、あたりを見回すと、一番大きな巣穴に向かって歩き始めた。

ルカから少し離れたあたりで、歩きながら右手をすっと上にあげると、黒い長い柄をした鎌がダイの手の中に見えた。

ダイはそのまま、鎌を横なぎに振り下ろした。

ダイの周りに集まっていたゴブリンどもがみな倒れた。

被害を免れたゴブリンがとっさに後ずさり、後ろから来ていた仲間とぶつかり合った。


ダイは何もなかったかのように進んでいく。


もう3回ほど鎌を振ると、一番大きな巣穴の前でダイは鎌の柄を地面に打ち付けた。

地面が振動し、穴の中から、通常のゴブリンの3倍ほどの大きなゴブリンが他のゴブリンと一緒に飛び出してきた。


ダイが鎌を振ると、大きなゴブリンも含め、ダイの周辺にいたゴブリンどもが皆倒れた。


「ショータ、もういいだろ。後は任せろ」

ルカは敗走し始めたゴブリンたちを追いかけて切り捨てていく。


ダイは、臭いな、とつぶやきながら大きな巣穴に入り、なにやら銀色の丸い物を拾って出てきた。


30分ほどのうちに、生きたゴブリンは見当たらなくなった。

ルカが死んだゴブリンの左耳を切り取っている。引き換えに討伐報酬がもらえるのだ。


ダイはゴブリンたちの巣穴のあたりの地面に向かって鎌をふるうと、えぐれた地面の中にゴブリンどもの死体を放り込んでいく。


「耳を切り取った死体は、こちらに放り込んでくれ」

「ゴブリンの弔いか、丁寧だな」

「これだけの量の死体を放置しておくと、別の魔獣が増えるからな」


「ゴブリンメイジ1匹、ゴブリンジェネラル1匹、ホブゴブリン3匹、ゴブリン48匹か。

だいたい、金貨2枚ぐらいか。30分でこれなら、まあ、おいしいかな」

ルカは左耳を袋に突っ込みながらにやりと笑った。


「もう満足したか?いつもより遅い。報告に行こう」

ダイは、また鎌を一振りして器用に穴に土をかけた。そして、千里靴に履き替えてルカの腕をつかんだ。




・同じ頃のライラ

 王立図書館で論文を執筆中。


・追記

 タイトルに人物名が入っているパートはその人物に関する記載にしようと思います。

 その関係で、11月10日のパート2の題名を変更しました。

「マルガリータの気持ち」→「闘技会のお誘い」


・あと、スビートが元居たところの漢字表記を統一しました。

「精霊界」→「聖霊界」 


 そんなところがあるのか、あるのです、ゲームだから。

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