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1 スキル鑑定を受けます

昨夜、おじいさまはスビートにあいさつするため、私の部屋にいらっしゃった。


しかし、スビートは知らない人が怖かったのか、机の下に潜り込んで出てこなかった。


「出てきて、おじいさまにご挨拶してほしいな」とお願いしたところ、涙目をして嫌そうにのろのろと机の下から出てきた。


その様子をご覧になったおじいさまは、聖獣様の御機嫌を損ねては申し訳ないとおっしゃり、そのままおやすみになるため、隣の客用寝室に行ってしまった。


「ごめんね、スビート。怖かったの?

おじいさまはいい人だから、ご紹介したかったんだけれど」


「こ、怖い訳ないじゃん。平気だよ。

知らない人がいきなりやってきたから、失礼だと思って会わなかっただけだよ。

やっぱり、その、知らない人に会うには、いろいろと準備が必要だから、あらかじめ連絡をくれないとだめだよ!」


スビートは、イカ耳でしっぽをふくらませながら言うと、ぷいっとそっぽを向いてクッションの陰に隠れて、そのまま寝てしまった。



しかし、今朝起きると、コテージのテラスでおじいさまが朝のお茶を召し上がっており、スビートはおじいさまの膝の上に載って、ちゃっかりお茶についてきたクリームをもらっていた。


少しおしゃべりもしたらしい。

おじいさまは、スビートから、聖霊の国から来たことや、ママの話を聞いて感心していた。


もう、おくびょう猫め。




朝ごはんをいただき、王宮の出入口付近まで、おじいさまの馬車でご一緒させていただく。

私は、王立図書館で今日も卒業論文のための調査だ。


おじいさまは、10日ぐらい王都にいらっしゃるそうだ。

ただ、社交や王都事務所の仕事があるらしく、今日からはタウンハウスにご滞在予定だと伺っている。


馬車の中で、私は、最優秀生徒をとりたいと思ってがんばっていること、ケイトリン・アローリアナ様とマルガリータがお見舞いに来てくれた時のことなどをお話しする。



おじいさまは、にこにこと話を聞いてくれ、私が馬車を降りる際におっしゃった。

「神官は私のほうで手配しておく。安心して励みなさい」


王立図書館でひたすらに論文調査して、コテージに戻ると午後3時ぐらいだった。

保健医のアンドレ先生がお見えになっていた。

実は先生は高位の神官で、神殿から学園に派遣されて生徒の健康管理をしているそうだ。



「先ぶれもなく来てしまってごめんなさい。

オルロー公爵から急ぎの出張鑑定依頼があったと聞いたので、来ちゃった♡」


筋肉ムキムキのいかついお兄さんにかわいく「てへぺろ」されてしまいましたわ。



鑑定は庭で行うので準備するという先生に先に行っていただき、自室にお湯を入れた桶を用意してもらい、身を清める。


私の部屋で、スビートはへそ天でいびきをかいて寝ていた。

体を拭きながら、なんとなくお腹の毛を撫でると、「くしゅっ」とくしゃみをして体をひねり、まだ寝ている。


どこから見てもただの猫だわ。


というか、今日も知らない人(アンドレ先生)がお見えになっているのだけれど、油断しすぎじゃないかしら。




ダイをお供にして庭に行くと、アンドレ先生は東屋に祭壇を作り、地面に魔方陣を描いていらっしゃった。


「さあ、いくわよ」

アンドレ先生は、古語で呪文を唱え始めた。何をおっしゃっているのかは不明だ。


やがて、魔方陣が光始めると私は先生の促しに従い魔方陣の中にできた光の道をまっすぐ進み、祭壇の前に出ると、祭壇に奉られている水晶玉に触れた。

水晶玉はまぶしく輝いたが、やがておさまった。


先生は水晶玉をじっと見ていたが、やがて手元の紙に何かを書きつけ、一枚を私にくれた。

「確かにライラ・オルロヴァ公爵令嬢のスキル授与を確認しました。

あなたのスキル名は、、、【公爵令嬢のお願い】です!」


アンドレ先生の唱えた古語の呪文は、ダイには日本語で、こう聞こえています。(ダイは言語チートがあるので、どんな言葉であっても全部日本語に翻訳された状態で聞こえます。)


「ヘイ!ディールディール!

猫にヴァイオリン、牛は月を飛び越える。それを見ていた子犬は大笑いさ。そして、逃げ出したお皿とスプーンを捕まえよう、ヘイ!」


ダイは、今、呪文の意味を必死で考察しています。

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