表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
50/58

無道の魔を裁く〈ソレ〉は

王都アドール・ヴァイス。

ミリーナ達と出会った、最初の拠点だ。今、骸の兵を焼き殺しながら、身内を探してる。救える奴らだけ救ったら、とっととずらかる段取りになっている。そのつもりで、MPポーションもそこそこ〈用意〉した。偉そうな貴族どもをターゲットにした大胆なスリと空き巣を繰り返し、一気に70万Gを稼いがせて貰った。もしかしたら足がついたかも知れないが、知らん。今回はリスクも背負う覚悟だ。そうした技術と労力の全てをMPにつぎ込んでいる。HPは知らない。今だけ、痛みは我慢する。俺は、俺だけは生き返れるんだから。痛みは常人の倍だが、痛みで身内を、あいつらの命を救えるのなら。今なら、魔法撃ち放題という訳だ。下位のスケルトン程度なら、幾ら来ようが負けない自信がある。火か光の魔法さえ撃てば一撃だからな。MPや資金の温存という理由から、普通の魔術師ならば、こうは行くまい。どんなに上等な魔術師でも、今の魅斗サマのような大盤振る舞いは出来まいよ。ククク。盗賊は魔術師よりも強し!盗賊こそが真の魔術師!無限の金で無限の魔力を買い、残弾を度外視した大立回りを可能とするのだぁ!


「ふははははハハハ!!どけぇ!どけぇ!雑魚どもが。最下級のスケルトンの分際で!剣や杖持ったくらいで中位に昇格ですかァ!骨の耐久力は変わってねーみてーじゃァねェかァ!?あぁぁァァ!?」

魅斗が暴れる。骸の兵は幾十幾百と崩れ去る。

もう千は倒したかも知れない。だが、まだまだ先は見えない。そして、人の姿もない。救いに来た身内どもの姿もだ。


「何処だァァァ!ミリーナ!ゴルボス!クドローノ!豆腐屋ァ!何処だァァァ!」


燃え盛る街。崩れた瓦礫。揺れる大地。

空気を蝕む瘴気と熱気。散らばる肉塊。

もう、あいつらを救うには遅すぎたのかも知れない。


「クソがぁァァァ!!」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ