ドルガンの酒場 part3
「語るじゃねえか。おやっさんの癖によう」
「は。大人ってのはてめーが通ってきた道を語る時だけ大人ぶるもんなのさ。しみったれた負け犬話じゃねえぞ、格好いい綺麗事をこれでもかと言うほど並べて語るんだ。その方がシブイだろうが」
「……サムイの間違いだろ?」
「火照った顔で何をぬかすか」
「それは酒のせいだ」
「がははははっ!そこまで含めて俺様よ。てめーは今、俺の酒と俺の話でどろどろんなってんだよ!どうだ太刀打ちできまい?ホレホレ?次は焼酎でも飲むか?」
「……カシオレで」
「がはははは。クソガキめぇ」
盗賊と酒場の店主は語りあった。普段無口な店主が若者に助言を施す姿は常連どもの胸をうったようで、よい口コミが広がり、ドルガンの酒場はますます盛況してゆくのだが、それはまた別のお話。
盗賊こと塵芥魅斗は、闇に沈んだ心を癒し、厄災の王都を目指し、馬を走らせた。仮にも彼は物語の主人公なのだ。このような終わりは、新界の神々が許さないのだろう。ああ、可哀想に。
しかし、彼は進むのだ。塵芥は再び歩み出した。
待ち構えるは〈死の邪王シノハゴロモ〉と〈腐りし竜骸ワザワイノキバ〉。ネームドのエルダーリッチと、同じくネームドのドラゴンゾンビ。そして亡者の大群である。ネタバレすんなって?ハハハ。仕方なかろう。語りべだってたまには、ハメを外したくなるのさ。次回予告とでも思っておくといい。
さあ。お前の怒りを見せてくれ、魅斗よ。盗賊・塵芥魅斗の未来に怠惰なる勝利の安寧をッ!!




