あとがき
最期までお読みいただき、ありがとうございました。
『魔犬ポチシリーズ:チャイムは誰のために鳴る』、これにて完結です。
今回は、ポチの物語というよりも、鈴乃森奈美という一人の少女の物語として書きました。
未来を奪われ、怨霊となってしまった彼女が、その長い夜の果てに何を得たのか。そこまで見届けていただけたのであれば、作者として嬉しく思います。
そして、最後に少しだけポチについて。
この犬はいったい何ものなのでしょうかね。
「魔犬ポチ」というシリーズ名を冠しておきながら、正直に申し上げると、作者である私にもよく分かりません。
人間の理解を遥かに超えた人工知能アスドラを従え、とんでもない怪異を相手にしても動じない。
途方もない存在でありながら、普段やっていることといえば、犬小屋で寝て、家族からメシをもらい、気に入らなければ鼻を鳴らす程度です。
果たして本当に犬なのか。
なぜあの家にいるのか。
どこから来たのか。
そもそも、いつからいるのか。
正直、今の私には分かりません。
ただ一つ確かなのは、ポチ自身にとって、そんなことはどうでもいいのでしょう。
世界の危機も、恐ろしい怪異も、昨夜何があったのかさえも。
今日の夕飯がちゃんと出てくることの方が、よほど大切なのかもしれません。
そんな正体不明の犬ですが、また別の怪異の中でお会いいただければ幸いです。
最後までお付き合いいただき、本当にありがとうございました。
2026年8月 「ロードキラー」を観ながら 菊藤 耕太郎




