はい、普通の人です
噂が独り歩きして、一悶着ありはしたが、ようやくゆったりとした時間が流れる。
左右には色とりどりの店が軒を連ね、人々が絶え間なく行き交っていた。看板の文字は見慣れない書体だったが、それすら異世界らしさを際立たせている。
夕暮れ時だというのに街は活気が収まることがないらしい。
行商人が声を張り上げ、荷馬車がゆっくり通り過ぎ、子供達が路地を駆け回る。街全体が一つの生き物のように脈打っているようだった。
異世界特有の服装をした人々も入り混じり、露店からは香ばしい肉を焼く匂いが漂ってくる。脂が炭に落ちる音まで聞こえてきそうなぐらいだ。
甘い焼き菓子の香り。
焼き立てのパンの匂い。
どこかで香辛料を炒める刺激的な香りまで混ざり合い、空腹を容赦なく刺激してきた。腹の奥が期待するようにきゅっと締まる。
「焼き立てのパンだよー!」
「新鮮な果物はいかがですかー!」
「魔石安いよ! 今日だけの特別サービスだ!」
あちこちで威勢のいい声が飛び交う。
耳に入る言葉の半分は知らない単語なのに、不思議と市場の賑わいだけは日本と何も変わらない。声の抑揚、活気の温度、そういうものは言葉の壁を越えて伝わってくる。
「おぉ……」
周囲を見回す。
犬の耳を生やした獣人が普通に買い物をしていて、その耳が時折ぴくぴくと動くのが、妙に生々しかった。
耳の長いエルフらしき女性は、八百屋で真剣な顔をしながらリンゴを吟味していた。一つ手に取っては、光にかざすようにして確かめている。
ローブ姿の魔法使いが露店のおじさんと値切り交渉までしている。指を突きつけ合いながらの真剣勝負のようなやり取りだった。
夢にまで見たファンタジーな世界が、目の前で当たり前の日常を送っていた。
テンションが上がる。これだよ、これ! 俺が想像していた異世界は!
胸の奥から抑えきれない高揚感がすぐに湧き上がってくる。
冒険者。
魔法。
獣人。エルフ。全部いる。
「異世界最高ーー」
「英雄様だ!」
誰だ。今、俺の感動に水を差したやつ。せっかくの高揚感が一瞬で凍りついた。
振り向くと、さっき城門にいた兵士が満面の笑みでこちらを指差していた。
「あの方が姫様をお救いになった英雄様だ!」
だからやめろ。お前の声、王都中に響いてないか? その声量に思わず耳を塞ぎたくなる。
「え? 本当に?」
「意外と若いぞ」
「しかも武器が木の棒だ」
「木の棒? 木の棒であの魔物を?」
人の流れが止まり、視線が一斉にこちらへ集まる。まるで目に見えない糸が一斉に引かれたかのような感覚だった。
数十人。いや、百人近い。石畳の上に立ち止まった人々の数を頭の中で数えそうになってしまう。
やめて。そんな期待に満ちた目で見ないで。俺は英雄じゃない。ただ事故に巻き込まれた一般人だ。
しかも武器は本当に木の棒一本。伝説になる要素なんて一つもない。そんな言葉が渦を巻いていた。
「英雄様!」
「握手してください!」
「弟子にしてください!」
「うちの娘と結婚を!」
「最後のは飛びすぎだろ!」
最後の一人だけ展開がおかしい。初対面だぞ。娘さんの意思も確認しろ。
全力でツッコむ。しかし誰も笑わない。むしろ「さすが英雄様、気さくなお方だ」とでも言いたげな目を向けてくる。その温かい視線が、逆に居心地の悪さを増幅させていった。
「カンザキ様」
フィリアが困ったように微笑んだ。
周囲の歓声を聞きながらも、その表情はどこか嬉しそうにしていた。
「すっかり人気者ですね」
「全然嬉しくないんですけど!」
「本当に謙虚なお方なのですね」
「違うからやめろ!」
今度はフィリアまで勘違いし始めた。最後の良心だと思っていたのに。
もう味方がいない。
すると、一人の恰幅のいい商人が人混みをかき分け、勢いよく飛び出してきた。腹の贅肉を揺らしながら、必死の形相で駆け寄ってくる。
「英雄様!」
「はい?」
「こちらを是非お受け取りください!」
目の前へ差し出されたのは湯気を立てる大きな串焼きだった。こんがり焼けた肉から脂が滴り、香ばしい匂いが鼻をくすぐる。
「え? いやいや……」
「英雄様に食べていただければ、うちも繁盛しますから!」
「い、いや、お金が……」
「お代はいりません!」
半ば強引に串焼きを握らされる。串を持つ手の平に、じんわりと温かさが伝わってきた。その瞬間。
「ずるいぞ、お前!」
「英雄様! うちは焼き菓子ですよ!」
「こっちは果物だ、焼き菓子には負けねーぞ!」
「うちはジュース!」
「ポーション!」
「服も持ってけ! この泥棒!」
待て待て待て。話が飛びすぎだ。次から次へと品物が押し寄せてくる。両手はすぐに塞がった。
焼き立てのパン。干し肉。リンゴ。謎のジュース。帽子。マント。最後には何故か鍋まで渡されそうになる。
「ちょっと待って! もう持てません!」
「「遠慮なさらず!」」
「物理的に無理だってことが見てわからねーのか、この野郎!」
人波は止まらない。次々と伸びてくる手と、押し付けられる品物の重みだけが腕の中で増えていく。俺は完全に飲み込まれていた。
その様子を見ていたフィリアは、どこか嬉しそうに微笑む。
「皆さん、とても感謝しているのですね」
「俺が圧死しそうなんだけど!? これのどこがーーいてっ!」
頭に何かが当たる。鈍い痛みが頭頂部にじんと広がった。
リンゴだった。転がり落ちたそれが、足元でごろんと止まる。
「英雄様!」
二階の窓から少女が身を乗り出し、満面の笑みで手を振っている。窓枠から身を乗り出すその姿は、今にも落ちてしまいそうなほど危なっかしかった。
「サービスです!」
「リンゴを投げるな! 君はヒットマンかなにかか!」
今度はパンが飛ぶ。
「こっちも!」
「だから物を人に向けて投げるな!」
キャッチする間もなく、焼きたてのパンが顔面へ直撃する。痛くはない。でも妙に温かい。頬に押し付けられたパンの熱が、肌に染み込んでくるようだった。
なんで異世界初日でパンビンタされてるんだ、俺。そんな俺を見ていた隊長が腕を組み、深く頷く。
「飛んできた食料すら受け止めるとは」
「違います」
「民の想いを受け止めておられる」
「パンが顔に当たっただけ!」
「さすが英雄」
「もうやだこの国ぃぃぃ!」
◇
結局。俺は両手いっぱいの荷物を抱えたまま、王城へ連行ーーもとい、案内されることになった。両腕は既に限界である。
少し歩くだけで荷物がずり落ちそうになる。指先の感覚が怪しくなってきた。
「重っ……」
情けない声が漏れる。腕がぷるぷる震えている。
パンが五個。串焼きが七本。果物が大量。よくわからない瓶が三本。帽子が一つ。マント一枚。そして何故かフライパン。
どう考えても途中から「英雄への贈り物」じゃなくて「在庫処分」になっている。
「なんでフライパンなんだよ……」
異世界の英雄セットに標準装備なのか?
さっきフライパンを押し付けてきた鍛冶屋のおっちゃんが胸を張った。日に焼けた顔に深く刻まれた笑い皺が広がる。
「英雄なら料理もできるだろ!」
「その理屈はどっから出てきた! みんなができると思うなよ!?」
「はっはっは! 細かいことは気にするな!」
鍛冶屋は腹を抱えて豪快に笑う。いや、お前が一番気にしろ。フライパンを見下ろす。
新品だ。しかも妙に作りがいい。持ち手の部分に細かい装飾までさりげなく施されている。これ、売ったら結構な値段になるんじゃないか。
いやいや。そんなこと考えてる場合じゃない。そんなやり取りをしていると、騎士隊長がゆっくり前に歩み出た。
それだけで周囲の空気が引き締まる。ざわめいていた市場の喧騒が、その一音を境にすっと静まっていた。
「皆の者。英勇殿はお疲れである。ここまでにいたせよ」
その一言だけで人々は素直に道を開けていく。誰一人文句を言わない。
王国騎士団の隊長という肩書きの重みが、それだけで伝わってきた。左右へ割れていく人垣の合間から、まだこちらを見つめる視線がいくつも残っていた。
「英雄様ー! また来てください!」
「今度はうちの店にも!」
「木の棒、大事にしてくださいねー!」
最後だけ気になる。なんで木の棒まで有名になっているんだ。俺は思わず自分の手に握られた棒を見る。節だらけで少し曲がっている。
どこからどう見ても、その辺の森に落ちていそうな木の枝だ。手の平に残るざらついた木の感触だけが、やけに現実的だ。
「お前……出世したな」
ぼそっと呟く。もちろん返事はない。木だから。返事されたらされたで怖い。その様子を見たフィリアが小さく肩を震わせた。
「ふふっ……」
また笑ってる。今日だけで何回笑ったんだ、この人。
「カンザキ様は面白い方ですね」
「狙ってないんですけど」
「尚更素敵ですよ」
「褒められてる気がしない」
むしろ天然認定されてないか、俺。そんな話をしているうちに王城の正門へたどり着く。
高い鉄門の前には、銀色の鎧をまとった衛兵がずらりと並んでいた。一枚岩のように連なって鎧が輝いている。
槍は寸分の狂いもなく揃い、その姿勢は微動だにしない。俺達の姿を認識すると、一斉に槍を立てた。ザッという鋭い音が一糸乱れず重なった。
「第一王女殿下、ご帰還!」
腹の底まで響く声が城内へ響き渡る。次の瞬間には、巨大な門が重々しい音を立てながら開き始めた。
地面が微かに震える。足の裏に伝わる振動が、この門の途方もない重量を物語っていた。
「うわぁ……」
門だけでマンション三階分ありそうだ……。開くだけで一つの工事現場みたいな迫力である。維持費、いくらするんだろう。考えるだけで野暮か。王族だし。
「ようこそ、王城へ」
フィリアが穏やかに微笑む。その笑顔につられて城内へ目を向ける。
広い。とにかく広い。視界いっぱいに広がる敷地が一瞬で言葉を奪っていく。
中央では噴水が水しぶきを上げ、その周囲には色鮮やかな花壇が広がっている。綺麗に刈り込まれた庭木。白い石畳。遠くでは使用人達が忙しそうに行き来していた。
一つの城というより、小さな町が城壁の中へ丸ごと入っているような規模だ。迷子になる未来しか見えない。
「すごい……」
本音が漏れる。フィリアは少しだけ嬉しそうに目を細めた。
「お気に召していただけましたか?」
「これ城っていうか、一つの町じゃん」
「よく言われます」
本人も認めるのか。その時だった。庭園の奥から小さな足音が聞こえた。
元気いっぱいに石畳を蹴る音が近づいてくる。軽やかな音が静かな庭園の空気を一気に賑やかにしていった。
「お姉ちゃーーーん!」
澄んだ声が庭園いっぱいに響いた。
振り向くと、一人の少女がものすごい勢いでこちらへ走ってきていた。肩までの明るい金髪を揺らし、小柄な体で一直線にフィリアへ飛び込む。
「きゃっ」
フィリアは少しよろけながらも、優しく妹を抱き止めた。慣れているのだろう。驚いた様子はない。両腕を広げて受け止めるその姿には、何度も繰り返されてきたであろう、自然な動作の柔らかさがあった。
「ただいま、リリア」
「もう! 心配したんだから!」
少女――リリアは涙目になりながら姉へ抱きつく。細い肩が小さく震えていた。
「魔物に襲われたって聞いて、もうダメかと思ったぁ……」
「ごめんなさい。心配をかけたわね」
フィリアは優しく妹の頭を撫でる。指先が金色の髪をゆっくりと梳いていった。その手つきはとても自然で、普段からこうして甘やかしているのが伝わる。
さっきまで気高い王女だった人が、今は優しい姉の顔をしている。その表情の変化に思わず見入ってしまう。
リリアは何度も頷きながら涙を拭くと、不意に俺へ視線を向けた。
「……?」
じーっと遠慮という言葉も知らないくらい真っ直ぐ見てくる。なんだろう。値踏みされてる気分だ。頭の先から爪先まで、その視線がゆっくりと往復していく。
「えっと……」
何か言ったほうがいいのか? 俺が口を開きかけると、リリアはフィリアの耳元へ顔を寄せ、小声で囁いた。
「お姉ちゃん。あの人、誰?」
「命の恩人なの」
「へぇ」
リリアはもう一度俺を見る。頭の先から足元までじっくり眺める。
木の棒。荷物まみれの両手。泥だらけの服。そして真顔で一言。
「思ってたより普通の人だね」
「初対面でそれか!?」
英雄扱いされている俺への第一印象は――まさかの「普通の人」だった。今日一番、素直な評価だったのかもしれない。
評価の落差がジェットコースターすぎる。目まぐるしく変わる周囲の評価に頭がついていかない。俺のツッコミが庭園に響き渡ると、リリアはきょとんと目を丸くした。
「え? だって英雄ってもっとこう……」
彼女は両腕を大きく広げ、目をきらきらと輝かせる。どうやら頭の中に理想の英雄像があるらしい。
「身長三メートルくらいあって!」
「人間やめてる!」
「筋肉がムキムキで!」
「そこはまだわかる!」
「背中から羽が生えて!」
「天使になっていないか!?」
「毎日ドラゴンを朝ご飯に食べるんでしょ?」
「どんな食生活だ!」
矢継ぎ早に飛び出してくる妄想にツッコミが追いつかない。この子の英雄像、絶対どこかで変な絵本でも読んだんだろ。
「でも普通の人だった」
「悪かったな、普通で!」
リリアはけらけらと笑う。屈託のない、鈴を転がすような笑い声だった。
悪意はない。だからこそ余計にタチが悪い。天然というのは、時としてどんな悪口よりも人の心をえぐる。
「リリア」
フィリアが少しだけ眉を下げた。怒るというより、妹をたしなめる優しい姉の顔だ。
「失礼ですよ」
「えー。でも本当のことだもん」
「本当でも言ってはいけないことがあります」
「そうなの?」
「あります」
リリアは「ふーん」と軽く返事をすると、まるで反省した様子もなく俺を見つめた。その視線が、ゆっくりと俺の右手へ移る。
「その棒、本当に武器?」
「……俺もそう思う」
「え?」
「いや、独り言」
俺だって剣が欲しい。伝説の剣とまでは言わない。せめて鉄の剣とか。木の棒卒業くらいは許されてもいいだろ。心の中で静かに呟いた。
リリアは興味津々といった様子で俺の前まで歩いてくる。瞳は完全におもちゃを見つけた子供のそれだった。
「貸して」
「は?」
「それ! 貸して貸して!」
返事をする間もなかった。
すっと木の棒を奪われる。細い指が、あっという間に棒を掴み取っていった。
ぶんっと軽快な風切り音が鳴る。
リリアは庭園の真ん中で楽しそうに素振りを始めた。ドレスの裾が、その動きに合わせてふわりと揺れる。
「おぉー! 軽い!」
「遊ぶな!」
「えい!」
と勢いよく振り抜いた瞬間だった。木の棒が手から離れる。くるくると回転しながら上空へ舞い上がった。まるで誰かが投槍大会でも始めたかのように、美しい放物線を描いていく。
「危なっ!」
俺は思わず叫ぶ。フィリアも目を見開いていた。
騎士達も一斉に空を見上げる。全員の視線が同じ一点へ吸い込まれていった。誰もが木の棒の行方を追う。
――ゴンッ! と乾いた音が庭園で響いた。予想していたよりも、ずっと重く、鈍い音。
「……え?」
全員の視線が屋根へ集まる。王城の尖塔近く。そこには一羽の巨大な黒い鳥が止まっていた。いや、止まっていたらしい。
木の棒が頭に直撃した黒い鳥は、白目をむいたまま屋根を転がり、そのまま庭園へ真っ逆さまに落ちてきた。瓦を擦る音を立てながら、その巨体が徐々に近づいてくる。
羽が何枚も宙を舞う。黒い羽がちらちらと光を反射しながら地面へ落ちていった。騎士達が何事かと一斉に駆け寄ってくる。
「隊長!」
「これは……!」
一人の騎士が鳥を確認し、驚愕の声を上げる。
「恐らく、監視用の魔物です!」
「王城上空を偵察していたようです!」
庭園の空気が一変した。
さっきまで和やかだった空気が一瞬で張り詰める。花壇の色鮮やかさすら、急に色褪せて見えた。フィリアも倒れた鳥を見つめ、小さく息を呑む。
「他国の使い魔か、魔界の使い魔でしょうか……」
俺はぽかんと口を開けたまま鳥を見る。そんな重要そうな魔物だったの? ただのカラスかと思ってたんだけど。
恐る恐る隣を見る。リリアは木の棒を持ったまま、顔を真っ青にして固まっていた。指先まで小さく震えている。
「「………」」
目が合う。数秒の沈黙。庭園に落ちた羽根が風に揺られて一枚、また一枚と転がっていった。そして。
「ごめんなさい」
「ごめん」
二人同時に頭を下げた。完全に事故だった。狙ったわけじゃない。むしろ誰より驚いているのは俺達だ。
しかし、騎士隊長だけは違った。彼はゆっくりと頷き、感服したように目を閉じる。
「さすが英雄殿」
「何を言い出すのかはわからんが、違う」
「王城へ入る前に監視の魔物を排除するとは」
「だから違います」
「未来の危険まで読んでおられたか……」
「読んでねぇよ! いい加減にしろよ、あんた!」
俺の否定など誰も聞いていない。騎士達は感嘆のため息を漏らす。
「おお……」
「なんという先見の明」
「これが英雄か……」
違う。百パーセント違う。犯人は横で泣きそうな顔をしている妹王女だ。俺が指差そうとすると、リリアは涙目のまま首をぶんぶん振る。金色の髪が、その動きに合わせて激しく揺れた。
(お願い! 言わないで!)
口だけがそう動いた。必死過ぎる。両手を合わせて拝むような仕草まで加わった。
俺はフィリアを見る。フィリアは妹と俺を見比べると、一瞬で全てを理解したらしい。くすりと上品に微笑み、人差し指をそっと唇へ当てた。
「……私達の秘密ですね」
「いや、秘密にしちゃダメな気がするんだけど?」
俺のもっともな抗議は、庭園中に響く歓声により、あっさりとかき消された。
「「英雄様、万歳!」」
「王国の守護者に栄光を!」
歓声はますます大きくなる。庭園の空気を震わせるほどの声量だった。
俺だけが取り残される。誰も真実を聞こうとしない。この世界では事実より勘違いの方が圧倒的に強いらしい。
本日何度目だろう。上空を見つめる。
――この国、本当に大丈夫なんだろうか。




