第二百八十四章 アヤメ、フジコを救出する
モミジは焦って、「司令官!何故黙って行かせたのですか!」と慌ててハリアット号の通信機を意思波で操作して、「女神ちゃ
ん!今、何処!」とアヤメの心配をしていました。
何故モミジが焦っているのか解らない司令官は、アヤメが、「博士の通信をキャッチしながら、もうアンドロメダ星雲を出まし
た。」と返答したので驚いていました。
司令官は、「モミジ!これはどういう事なのですか?」と現状を把握しようとしていました。
サクラが、「女神ちゃんは本当に短気ね。凶悪犯と喧嘩しに行ったのね。」と呆れていました。
モミジは、「違うわよ。女神ちゃんは優しいから、司令官が暫く様子を見ると言ったので、その間に博士が凶悪犯に酷い事をさ
れるかも知れないと思い、自分の命を捨ててでも博士を助けようとして一人で行ったのよ。」と反論しました。
サクラは、「スケバングループの艦隊も連れて行かずに一人で行くなんて、私には無茶苦茶としか思えないわ。本当に馬鹿なん
だから。」と呆れていました。
モミジは、「相手が先日のような不良グループだったら、スケバングループの艦隊を連れて行ったと思うわよ。今回は相手が凶
悪犯なので危険なのよ。女神ちゃんはスケバングループのメンバーを危険に晒したくないのよ。アネゴ、人を馬鹿呼ばわりする
前に、自分の身を捨ててでも人を助けようとは思わないの?女神ちゃんはいつもこうだから、人から短気だとか馬鹿だとか思わ
れているけれども、その裏には優しい心があるのよ。」とアヤメの肩を持ちました。
司令官は、「そうか。だからアヤメさんは死人を生き返らせる事ができるのか。」と納得していました。
モミジは、「司令官!納得している場合じゃないでしょう!女神ちゃんは貴重な存在なのだから、どうしても守る必要があるの
よ。直ぐに一個連隊出撃させて!出撃させないのならスケバングループの尻を叩いて艦隊を出撃させるわよ。相手が相手なので
死人が大勢出るわよ。」と脅迫めいた言い方をしました。
司令官は、「先程説明した凶悪犯に対応したチームを一個連隊編成しました。」と対応はしていると説明しました。
モミジは、「直ぐに連隊長に出撃の指示を出して!」と焦っていました。
司令官は、「凶悪犯は大型特別艦を乗っ取っている為に、連隊長は渚の大型特別艦で、実戦経験豊富な連隊長でないと勤まらな
い。モミジ!君が連隊長だ!直ぐに渚と出撃しろ。」と指示しました。
モミジは、「渚は地球に戻りました。」と渚はいない事を伝えました。
司令官は、「私がテレジア星に非常召集した!警察からは、大型特別艦には敵わないので軍に任せると言って来た。今応援部隊
の準備もしている。文句を言わずに早く行け!アヤメが危険だろうが。」と指示しました。
モミジは一個連隊を率いて直ちに渚と出撃し、アヤメのヴィツール号を追尾しながら、テレジア星にいるサクラに、「アネゴ、
私には博士が凶悪犯と共犯だとはとても信じられないわ。でも博士なら凶悪犯に侵入される筈がないわ。博士が引き入れたとし
か考えられないわ。この事から推理すると、博士は凶悪犯に脅迫されている可能性が高いわ!何で脅迫されているのか調べて!
」と依頼しました。
サクラは、「モミジさん、あなた一度博士に殺されているのよ。それでも博士を信じるの?懲りないわね。また殺されるわよ。
」と忠告しました。
モミジは、「あの時は、博士が不穏な動きをしていた為に博士を疑い、調べていました。殺されたのは私が油断したからです。
しかし今回は違うわ。秘密調査官としての私の人を見る目を信じて!」と説得しました。
サクラはモミジを信じて調査する事にしました。
サクラがフジコの事を調べている間に、アヤメに追いついたモミジは、「女神ちゃん、博士の事が心配なのは解りますが、無茶
しないで。ヴィツール号で大型特別艦には敵わないわ。私の大型特別艦に乗り込んで!」と指示しました。
アヤメは、「相手はもう攻撃態勢に入っています。乗り移っている間に攻撃されるわ。それに博士がいるので攻撃できないから
、どの艦でも同じよ。」とヴィツール号で凶悪犯に立ち向かって行きました。
焦ったモミジは、「一個連隊前進!ヴィツール号を援護せよ。」と指示しました。
アヤメは、「一寸、モミジ!あの艦には博士が乗っているのよ。」と止めました。
モミジは、「大丈夫よ。大型特別艦はそんなに簡単に吹っ飛ばないから。」と安心させました。
アヤメは、凶悪犯が操作している大型特別艦と交戦しながら、”そう言えば以前博士が大型特別艦には弱点があると言っていた
わね。確かスクリーンに弱い個所があり、そこを集中攻撃するとスクリーンに一瞬穴が空くと言っていたが、その時に転送で乗
り込むか。”と思いながら転送の準備をしてスクリーンの弱い個所を集中攻撃しました。
一瞬できたスクリーンの穴からアヤメは大型特別艦に密かに乗り込み、博士と凶悪犯の様子を伺っていました。
フジコが現在位置などを補助通信装置で外部に知らせていた事に凶悪犯が気付いて、補助通信装置を遮断して、「貴様、余計な
事をしたな!どうなるか覚悟はできているだろうな!」とフジコを殺そうとしていました。
その様子を見ていたアヤメが飛び出して取っ組み合いになりました。
フジコは、「二人とも、辞めて!」と止めました。
アヤメは、「博士、こいつを知っているのか?」と予想外のフジコの言葉に驚きを隠せない様子でした。
凶悪犯は、「お前なんか知らん!二人とも、ぶっ殺してやる。」と動きが止まったアヤメに襲いかかりました。
フジコは、「本当に私を覚えていないの?私はあなたに助けられた事があるのよ。何故あなたは、このようになってしまったの
?昔の優しい人に戻って。」と涙ながらに訴えました。
凶悪犯は、「お前、まさかあの時の・・」と昔の事を思い出していました。
フジコは、「そうよ。そのまさかよ。お願いだから、もうこれ以上罪を重ねないで!警察へ自首して。」と涙ながらに訴えまし
た。
凶悪犯は、「俺は騙されて全財産を取られて、人を信じられなくなり、無茶苦茶していた。もう遅い。罪を償っても、こんな俺
を誰も相手にしてくれない。飢え死にするだけだ。」と失望していました。
フジコは、「そんな事はないわよ。昔のあなたを知っている人なら、必ずあなたが生活できるようにしてくれるわよ。それでも
誰も相手にしてくれなければ、私があなたの生活の面倒を見るから、出所後私の所へ来てね。」と説得しました。
凶悪犯は、「あんたの娘さんを人質にして悪かった。」と反省して監禁場所を教えてスクリーンを下ろし、自首する旨伝えまし
た。
大型特別艦の周囲を応援部隊が取り囲み、モミジが指揮する一個連隊が乗り込み凶悪犯を逮捕しました。
軍隊が凶悪犯を連行した後でアヤメは、「博士、あの凶悪犯に昔、助けられた事があるのか?」とそんな話は聞いた事がなかっ
たので不思議そうでした。
フジコは、「そんなの嘘に決まっているじゃないの。あんな凶悪犯でも昔は何か良い事をしたと思い言ってみただけよ。」と返
答しました。
アヤメは、「でも出所後博士の所へ来るようにと言っていたじゃないの?もし本当に来たらどうするの?」とフジコの対応が理
解できない様子でした。
フジコは、「彼は死刑が確定しているのよ。出所する事はないわ。」と説明しました。
アヤメは驚いて、「そんな嘘を吐いて、もし嘘だとばれたら殺されていたかもしれないぞ!なんで、そんな無茶するのだ!」と
フジコの対応に驚きを隠せない様子でした。
フジコは、「女神ちゃんがさせたんじゃないの!ああでも言わなければ女神ちゃん、殺されていたわよ。凶悪犯にやられて負傷
しているでしょう。我慢しないで早くタイムマシンで治しなさい。」と指示しました。
アヤメは、「何を言っているのよ。私が飛び出さなければ博士は殺されていたわよ。」とやむを得ず飛び出したと説明しました
。
フジコは、「まあ、それは否定しないけれども、しかし女神ちゃん、私が出したヒントによく気付いてスクリーンを突破して来
たわね。」と感心していました。
アヤメは、「という事は、あの時から博士の娘は人質に取られていて、大型特別艦を奪う計画だったのか?」と信じられない様
子でした。
フジコは、「そうね。半分当たりです。凶悪犯は脱走後、保険代わりに私の娘を拉致して、銀河系のアルファ星の惑星に監禁し
て、地球に身を潜めたのよ。その時は大型特別艦を奪う計画はなかったわ。私の立場を知り、その立場を利用して奪う事にした
のよ。」と説明しました。
監禁場所をフジコから聞いたサクラが、「博士、娘さん見付けたわよ。警察に届けて一緒に捜していましたが、かなり衰弱して
いて意思波が弱まっていた為に発見に時間が掛かりましたが、タイムマシンで元気になりました。今からテレジア星に連れて帰
ります。警察が博士からも事情を聞きたいと言っているので早く帰って来てね。」と連絡がありました。
アヤメが、「博士は容疑者ではないから、急いで帰る必要はないわよ。警察も至急事情を聞きたかったら、アネゴを通じて間接
的に連絡せずに、直接連絡してくるわよ。」と寄り道しようとしている様子でした。
フジコが、「”道草をせずに早く家へ帰りましょう。”って小学校の時に教わらなかった?」と忠告しました。
アヤメは、「私達はそんな子供じゃないわよ。博士も大変だったんだから、帰りはのんびりと道草じゃなく、寄り道でもして帰
れば良いじゃないの。私はタイムマシンで治したけれども、博士も怪我しているじゃないの。大丈夫?」とフジコの心配をして
いました。
フジコは、「大丈夫よ。かすり傷程度なので、暫くすれば自然治癒するわよ。」とアヤメを安心させました。
アヤメは、「地球へ寄って行こうか。マーガレットはタイムマシンを利用したインチキ凄腕刑事らしいよ。でも芹沢外科医院を
廃院にしたくない渚は外科医をしているようですね。」とフジコを誘いました。
フジコは、「女神ちゃんと一緒に行動すれば悪の道に誘い込まれそう。」と一歩引きました。
アヤメは、「何をオーバーな事を言っているのよ。一寸寄り道するだけじゃないの。」と軽い気持ちで誘いました。
次回投稿予定日は、7月21日です。




