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第二百八十五章 アヤメ、道草する

地球へ到着するとフジコは、「女神ちゃん、聞いた所によると、菊枝さんの遺言により、丸東組とは、もう交流がないらしいじゃないの。陽子さんもテレジア星に住んでいて、菊枝さんも亡くなったのでしょう?何処へ行くの?」とアヤメが何を考えているのか理解に苦しんでいる様子でした。

アヤメは、「マーガレットちゃんは?」と聞き返しました。

フジコは、「マーガレットさんは、女神ちゃんが地球人とのハーフだと言って、親が誰なのか教えてくれなかった為に、私の中では正体不明の近寄りがたい人のイメージで、態々会いに行く必要もないわよ。」と返答しました。

アヤメは、「博士は人と付き合うのは苦手のようね。もう正体は解ったので、そのイメージを変えないと駄目でしょう。その為には、スキンシップが一番効果的よ。渚もいる事だし行こうよ。」と提案しました。

フジコは、「今日、地球は平日なので、今行っても二人とも仕事で不在よ。」と消極的でした。

アヤメは、「博士、先程の怪我は自然治癒するとして、タイムマシンで治さなかったでしょう。芹沢外科医院に行こう。」とフジコの腕を引っ張って連れて行こうとしていました。

フジコは、「外科医といっても地球人の医学でテレジア星人の治療は可能なの?それと地球のお金は持っているの?保険はないから全額負担なので高いわよ。」と忠告しました。

アヤメは、「博士は本当に堅いわね。怪我の治療は地球人でもテレジア星人でも変わらないでしょう。消毒して包帯巻いて終わりではないの?違いがあっても院長先生は渚だから、そこのところは心得ているわよ。お金の事もどうにでもなるわよ。意思波

で渚に相談すればいいでしょう。」と返答しました。

フジコは、「渚ちゃんが往診で不在だったらどうするのよ。」と色んなことを想定していました。

アヤメは、「お金がなくて、もし看護師が警察に通報すれば府警本部の刑事の知り合いだと言って連絡とって貰えれば、マーガレットちゃんは捜査と称して何処かでサボっていると思うから、直ぐ来るわよ。もうゴチャゴチャ言わないで行けば良いのよ。」と理屈ばかりこねるフジコにイライラしていました。

フジコは諦めて、「はいはい、解りました。人との交流は女神ちゃんに任せるわ。」とアヤメに押し切られました。

アヤメが、「駄目よ。そんな事を言って交流を人に任せているから、いつまでも人付き合いが苦手なのよ。」と指摘しました。

フジコが、「それが解っているのでしたら、女神ちゃんは何故勉強を人任せにしたの?だからいつまでも成績が悪いのよ。試験前に、まとめて教える私の身にもなってよ。」とリベンジしました。

アヤメは、”薮蛇だった。”と後悔して、「もう卒業したし、終わった事は、もう良いじゃないの。」と誤魔化そうとしていました。

フジコは、「まだ終わっていないわよ。勉強するのは学校だけじゃないわよ。学校を卒業してからも必要よ。一生勉強が必要なのよ。学校の勉強は生活に困らない最低限度の勉強と、卒業後自分一人で勉強ができるようになる為の訓練よ。自分で勉強しないと駄目だと解っているのだったら話は早いわね。テレジア星に帰れば手取り足取り教えてあげるわね。」とアヤメを横目で見ました。

アヤメは都合が悪くなり話題を変えて、「今は、芹沢外科医院に行く話をしているのよ。私は傍にいるだけで何もしないから博士が対応するのよ。」とフジコを芹沢外科医院に連れて行きました。

診察室へアヤメとフジコが入って来た為に渚は驚いて意思波で、「確かフジコさんは医者ではなかったのですか?」と不思議そうでした。

フジコは、「テレジア星では、怪我はタイムマシンで治すので、外科医はいません。タイムマシンで治すほどの怪我じゃないので治さなかったら、女神ちゃんに連れてこられました。」と意思波で説明しました。

渚は消毒しながら、「今日、マーガレットは非番で家にいると言っていたから、意思波で連絡しておくので先に帰っていて。私も後で帰るから、積もる話をしましょう。」と提案しました。

芹沢外科医院から渚達の家に向かいながらアヤメは、「ほら、マーガレッちゃんは今日非番で家にいるらしいじゃないの。ゴチャゴチャ言わずに、まず行動する事よ。博士は口ばかりで腰が重いから。私達は植物だから、お尻から根っこが生えて動けないのか?」と指摘しました。

フジコは、「じっくりと考えて行動しないと失敗する事もあるわよ。」と反論しました。

アヤメは、「今回は、じっくりと考えていたらマーガレットちゃんの休みが終わっていたかもしれないでしょう?何事もタイミングが必要なのよ。交通事故を起こしてからブレーキを踏んでも意味がないでしょう。敵との交戦もそうよ。攻撃しようかと考えている間に、敵に攻撃されるから実戦ができないんだ。」と指摘しました。

フジコは、「それは否定しないけどね。」とアヤメの指摘を認めました。

アヤメは、”やった!博士に口論で勝った!”と喜んでいました。

アヤメ達がマーガレットと雑談していると、やがて渚が帰って来て皆で雑談していました。

フジコが、「マーガレットさんは毎回違う職業に就いていますが、刑事の次は何になるのですか?」とマーガレットに何か考えがあるのか興味がある様子でした。

アヤメが、「マーガレットちゃんは、サボる為に刑事になったから、タイムマシンを使ってサボれる職業は何か地球にあるか?」とマーガレットの考えを推理していました。

渚が、「探偵などはどうかしら?タイムマシンを使えば、どんな難事件でも忽ち解決可能なので、明智小五郎のような名探偵になれるわよ。有名探偵になれば依頼料も高くなる為に、裕福な生活が可能よ。」と渚もその恩恵にあやかろうとしていました。

マーガレットが、「皆勝手な事を言わないでよ。刑事になったのはサボる為になったんじゃないのよ。刑事ドラマを見て、”カッコ良いな”と思っただけよ。」と渚の意見を否定しました。

フジコが、「それじゃ名探偵にはならないのね。」と確認しました。

マーガレットは、「矢っ張り探偵になろうかな。」と笑っていました。

アヤメが、「矢っ張りサボる事が目的なんだ。」と納得していました。

マーガレットは、「違うわよ。空いた時間に秘密調査官の仕事をする為で、サボる為ではないわよ。」と反論しました。

渚が、「でも刑事の仕事ではサボっていたような気がするけどな。」とマーガレットを横目でチラッと見ました。

マーガレットは都合が悪くなってきた為に話題を変えて、「折角二人とも来たので、今日は外食にして、何処かに行きましょうか。」と食事の話題に変えました。

アヤメが、「私達肉食生物が食べられる料理があるのか?」と考えていました。

渚が、「焼肉だと、店によっては個室になっている店もあるので、そこで生肉を焼かずに生で食べれば良いでしょう。個室だから他人に見られないから問題ないでしょう。」と提案しました。

フジコが、「でも、網がきれいで焼き肉を焼いた痕跡がなければ怪しまれないかしら。」と心配していました。

マーガレットが、「渚ちゃんは完全にテレジア星人の体になったけれども、私は半分地球人よ。私が肉を焼いて食べれば問題ないわよ。」と提案しました。

フジコが、「そんな焼肉屋の事がすぐにでてくるの?それも個室があるなど詳しく。渚ちゃん、偶に利用しているわね。その時は網の問題はどうしたの?」と不思議そうでした。

渚は、「母が地球に来た時に利用する事もあるわよ。その時は生で食べたり、焼いたりしたから、網の問題はなかったわよ。地球人でもカボチャやナスビ等を焼いて食べるでしょう?同じ事よ。」と説明しました。

フジコが、「食事の前に何処へ行くの?」とまだ夕食まで時間があるので、またアヤメが道草するのかとうんざりしていました。

マーガレットは、「今、地球で人気のあるタレントのショーと、話題になっている覆面女子プロレスラーの試合を見に行こう。」と提案して全員で出掛けて、その帰りに焼肉屋へ行きました。焼肉を食べていると、テレジア星の陽子から大型特別艦に連絡があり、それを意思波で感じました。

「アヤメさん、私の大型特別艦を取り戻したのでしょう?いつになったらテレジア星に帰って来るの?フジコさんがついているから、変な事にはならないと思うけれども、何処にいるの?」と確認しました。

アヤメは、「博士が怪我をしたので地球の芹沢外科医院に寄り手当てして貰い、院長先生と焼肉屋で焼肉食べています。」と返答しました。

陽子が、「タイムマシンを使わずに地球で道草しているとはね。フジコさんがそんな事をする筈がないから、アヤメさん、フジコさんを唆したでしょう。」と指摘しました。

アヤメは、「博士が、”タイムマシンで治療するほどの怪我じゃないから”とタイムマシンを使わなかったので、最寄りの病院に連れて来ただけよ。すると院長先生に引き止められたのよ。」と返答しました。

渚が、「一寸、人のせいにしないでよ。」と慌てていました。

陽子が、「その大型特別艦は私専用になっていますが、軍の所有する戦艦なのよ。司令官が、”公用艦を私用に使うとは何事だ!”と怒っていたわよ。早く帰らないと司令官は盗難届けを警察に提出すると言っていたので、渚も共犯だと説明しておくわね

。アヤメさん、また刑務所暮らしになるわよ。」と笑っていました。

アヤメは、「“また“とは何だ!」と怒っていました。

渚が、「そんな事はどうでも良いわ、私を巻き込まないでよ。早く帰りなさいね。」と逃げ腰でした。

アヤメは、「解ったわよ。焼肉食ったら博士と帰るわよ。」とまだ帰りたくない様子でした。

アヤメは帰る時に、「寂しくなったら、いつでも連絡くれよ。直ぐに来るから。」と地球にくる理由をつくろうとしていました。

マーガレットは、「地球には菊子もいるのよ。寂しくなったら菊子に会いに行くわ。」とわざわざテレジア星から来る必要はないと告げました。

アヤメは、「菊子は別の所に住んでいるのか?」と皆とうまくいってないのかと娘の菊子の事を気にしている様子でした。

渚が、「ええ、そうよ。私達は自宅から出勤していますが、菊子は出張が多く、先日まで海外に出張していました。」と返答しました。

フジコが、「先日までという事は、今は帰って来ているの?菊子さんも呼んで一緒に食事すれば良かったわね。」と残念そうでした。

大型特別艦に乗り込むとフジコは、「女神ちゃんが道草するから司令官を怒らしちゃったじゃないの。」と不満そうでした。

アヤメは、「私達は軍の所属じゃないから関係ないわよ。怒りたい人は、勝手に怒らせておいたら良いのよ。そのうちに忘れるわよ。」とフジコとテレジア星に帰って行きました。


次回投稿予定日は、7月24日です。

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