表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
土地神殺し ―比奈木村の百年祭―  作者: 霧原 澪


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

24/24

第24話「次の土地神は、どこで死んでいるか」

翌朝、六時に宿を出た。

宿の主人が玄関まで出てきた。何も言わなかった。ただ頭を下げた。縁も頭を下げた。それで十分だった。



村を出る道に咲が立っていた。

神主の装束ではなく、普段の服だった。縁が車を止めると、咲は助手席の窓に近づいた。


「気をつけて」


それだけだった。縁はうなずいた。

バックミラーの中で、咲の姿が小さくなった。村の入り口の木立が通り過ぎた。

比奈木村が、後ろになった。



山道を抜け、県道に出た。

縁はしばらく走り続けた。ラジオをつけなかった。音楽も流さなかった。


正午近くなって、道の脇に車を止めた。

助手席に置いたスマートフォンを取り上げた。調査中は通知を止めていた。未読の表示がいくつかある。仕事の連絡。知人からのメッセージ。それらをスクロールして——


手が止まった。


差出人:桐谷 隆

受信時刻は、五日前だった。比奈木村にいた頃、縁が通知を止めていた間に届いていた。

件名:頼まれていたことについて



縁はしばらく画面を見ていた。

三年前に消えた人間からのメールが、いまここにある。


「頼まれていたことについて」——頼んだ覚えはない。いや。桐谷が最後に残したメモのことを考えた。『あとは頼む』と書いた人間が、何かを受け取って、返信している。


開けばわかる。

縁の指が画面の上にあった。



開かなかった。

スマートフォンを助手席に置いた。

今ではない、という感覚があった。これは今すぐ読むものではない——直感がそう言っていた。


(桐谷先生は生きている)


それだけで、今は十分だった。

エンジンをかけた。

ハンドルを握った。

前を向いた。


直感が、また何かを感じ始めていた。

今度は、止めない。


---

「土地神殺し ―比奈木村の百年祭―」 完

 「土地神殺し」最後までお読みいただきありがとうございます。


 この作品はWEB小説の右も左もわからないまま書き始めた初期作品の一つです。

 文字送り、改行、シーン転換等、作法もできていないまま文章に起こしたものでしたが、最後まで投稿を続けようと思い今日にいたりました。


 途中から形式を変えるのも違うかな、と思い、形式を変えずにそのまま投稿を続けましたが、やはり読みにくかったですね。続きを書くときがあれば、その際にリライトしたいと思います。


 そのような中、ここまでお付き合いいただけたこと、感謝の限りです。


 ありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ