8歳児と拾った"者"。
家に帰り着いた私は急いで"若者"の手当を開始します。
しっかりと身体を綺麗に整えると同時進行で傷の大きい必要な部分にだけ、本当は水気を吸収しないドレッシング材などが有効と分かっていますが、そんな物は無いため清潔な布で覆います。
家に帰ってきたときにあーやんにお師匠様とキースさんを呼ん来て貰うようにお願いしていたため、処置が終わる頃には2人が私の部屋に入ってきました。
「・・・・・何があったの、リク?」
部屋に入ってきた二人は、私のベッドに眠っている"若者"と私を見比べて顔をしかめて質問してきました。
朝のジョギングであったことを大まかに説明すれば、二人は大きなため息をはき出します。
「リクがお人好しなのは分かっているんだけどね・・・。
悪いことをした訳では無いんだけど・・・、でもやっぱり気に入らないわね。
あたしの可愛くて、優しい、リクに心配されるなんて・・・。
しかも、しかも、看病されるなんてっ!あたしもまだして貰ったことないのにっ!!ずるいわ!!!」
「そこかっっ?!
よりにもよって、そこに突っ込むのかよ!
違うだろ-がっ!ここは、"元の場所に返してきなさいっ"だ!!」
「・・・・・二人とも、落ち着いて下さい。
まず、お師匠様そんな問題ではありません。
次に、キースさん一応耳や尻尾は生えていますが、捨て犬では無いと思います。」
『・・・・・・・・。』
妙なことを口走る二人に一応突っ込みを入れます。
「・・・・・まあ、うん。
そうね、とりあえず街の近くにでも捨ててきましょうか。」
「・・・・・そうだな。面倒くさいしな。」
「・・・・・助けた本人の前でそんな事言いますか、普通?」
『・・・・・・・・・・。』
二人に任せていては、怪我人をその辺に捨てて、放置しかねません。せっかく助けたのに私の努力も水の泡になるではありませんか。
「お師匠様、キースさん、この人は私が責任を持って元気なるまで世話をしたいと思います。
ただ、さすがに知らない人をリオの側に置くのは躊躇われるので、この人にはあまりこの部屋から出ないようにお願いしたいと思います。」
「リク、ダメよ。
貴女が心配する気持ちも分からなくは無いけど、実力を過信してこの森に入るようなアホを助ける必要はないわ。」
お師匠様が強い口調で、私の言葉を否定します。
「確かにアホかもしれませんが、助けてしまったからにはちゃんと治る姿を確認しなければ気になってしまいます。」
お師匠様達が私のことを心配してくれているのが分かります。どこの誰ともしれない存在を、家の中に招きたくは無いのでしょう。
「二人が私を心配してくれているのもちゃんと分かってます。
でも、この人にも心配してくれる人がきっといます。
それに、拾った物は最後までちゃんと世話をしなければいけないと思います。」
「はぁ・・・、リク、お前って奴は。
・・・メリッサ、捨て犬でも拾ったと思うしかねえよ。
この目になったリクは頑固だからな。俺たちが納得するまで譲らねえと思うぞ。」
「キースっ!!」
「この頑固な所は本当にお前そっくりだな。」
「うぐっ、・・・・もう、わかったわよ。
その代わり、それが少しでもおかしな真似をしてみなさい。すぐにたたき出すからねっ!」
「ありがとうございます!お師匠様、キースさん、大好きですっ!」
二人の許可を貰って抱きつきながらお礼を言う私に、二人は苦笑します。
「あたしも大好きよっっ!リク!!」
二人の許可を得るために頑張ったんです。早く元気になって下さいね、狼さん。




