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たい育  作者: 鈴神楽
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誇りと効率

 マーロス大陸の小国の一つ、ブスーツ王国。

 山間の小国ながら、独特の織物等の輸出で貧乏は、していない国。

 かといって、軍隊で攻め込む程の利益も無いと言われている為、比較的な平和な国であった。

「平和だね」

 ブスーツの王子、ダッセーニが城下町を呑気に歩いている。

「殿下、警護の者もつけずに町に降りるのは、お止めくださいませんか?」

 そう進言するのは、彼の乳母の息子で、親友とも言って良い、ダルスという剣士であった。

「我が国でも指折りの剣士であるお前が居るから大丈夫だろ?」

 それを聞いて溜め息を吐くダルス。

「私一人では、本格的な襲撃には、対応出来ません。町に降りる場合は、せめて親衛隊の一組でも連れてください」

 それに対してダッセーニが肩をすくませる。

「デッセーニ兄上が許すわけなかろう。お前とて、私には、分不相応と言われて居るのだから」

 それを聞いてダルスが言う。

「それは、ダッセーニ様が勉強もサボりこの様な事をしているからです」

 それを聞いてダッセーニが言う。

「勉強は、しているよ。こうやって町を知っている。だいたい城での勉強で学べる事は、全てデッセーニ兄上が一人で行えることだと思うがね」

「確かにデッセーニ殿下は、優秀でございますが、万が一の事があるかもしれません」

 ダルスの言葉にダッセーニが鋭い目をする。

「そういう事は、城内で絶対に口にするな。反意があると誤解される。元々お前は、私より過ぎると常々言われているのだ」

 ダルスが頭を下げる。

「思案が足らぬ発言、申し訳ございません。しかし、私は、ダッセーニ殿下意外に仕えるつもりは、ありません」

 それを聞いてダッセーニが呆れた顔をする。

「お前も奇特な人間だな。私は、どうがんばっても冷や飯ぐらい。お前ぐらいの能力があればデッセーニ兄上の下で出世できるというのにな」

 そんな時、軍人が商人と争っていた。

「貴様、ふざけているのか!」

 怒り狂う軍人に対して商人は、にやけた顔で言う。

「いえいえ、ただ本当の事を言っただけです。この国の軍隊は、張子の虎だと。もしも本当に他国に攻められたら、あっという間に全滅するだけだとね」

「我慢ならん!」

 剣を引き抜き振り下ろす軍人だったが、その剣が受け止められる。

「そこまでにしておくのだ。感情のままに民を殺すのは、国の損失だぞ」

 止めるダルスに対して軍人達が反発する。

「あの様な事を言われて黙っていたら、それこそ本物の張子と思われる!」

「国民に対して、剣を振るうだけでは、同じだろう」

 ダッセーニの言葉に慌てる軍人達。

 ダッセーニは、軍人たちの前に行き告げる。

「お前たちの剣は、国民の助ける為にある。間違っても傷つける為の物では、ない」

 殿下にそういわれてこれ以上続ける訳には、行かない軍人達が悔しそうに引き下がると商人が立ち上がり言う。

「助かりましたよ。流石は、町民に人気が高いダッセーニ殿下であられる」

 その時に、商人が吹っ飛ぶ。

 ダッセーニに殴り飛ばされた商人が驚いた顔をして言う。

「何をなさるのですか!」

 それに対してダッセーニが言う。

「あいつらの剣は、国民を護る為の物なら、私の拳は、あの者達の誇りを護る為の物。あの者達は、命を賭けてこの国を護っている。それを張子の虎とは、呼ばせん!」

 強い口調に商人が必死に頭を下げる。

 そして軍人たちの方を向いたダッセーニが言う。

「感情のままに剣を振るうな。お前らの誇りは、陛下によって護られているのだから、それを信じろ」

 軍人達は、平伏する。

「己らの未熟、深く反省いたしております。今後、この様な事をしないと誓います」



 その後、酒場で軽く食事をする中、ダルスが言う。

「やはりダッセーニ殿下に仕えていて良かった」

 それを聞いてダッセーニが言う。

「いきなり何を言うのだ?」

 ダルスが嬉しそうに言う。

「先ほどの一件です。ただ、臣下を止めるだけでなく、その誇りも護っておりました。その様な事は、凡庸なお方には、出来ません」

 苦笑するダッセーニ。

「デッセーニ兄上に言わせれば、甘い言われる所でもあるがな」

 ダルスが頷く。

 ダッセーニの兄、デッセーニは、間違いなく優秀では、あるが、効率を重んじる所がある。

 仁義よりも成果を求める人間だったのだ。

「追加のご注文、ありますか?」

 ポニーテールのウエイトレスがやって来る。

「そうだな、マスターお勧めの燻製を頼む」

 ダッセーニが注文する。

「かしこまりました」

 ポニーテールのウエイトレスは、そのまま他の席に移動する。

 その中、気になる話がダッセーニの耳に入る。

「そういえば、聞いたか、隣国のマルーダ王国がこの国を狙っているそうだ」

「本当なのか?」

「ああ、この国の領土に鉱山があると睨んでるらしい」

「鉱山なんてあったのか?」

「一部の者しか、知らない秘密鉱山があるって話だぞ」

「あの噂が本当だったのかよ」

 そんな話を聞いてダルスが不快な顔をする。

「あの様な与太話をするとは、何を考えているのだ?」

 そんなダルスと違い、ダッセーニが深刻そうな顔をしていた。

「注文のお勧め燻製セットを持ってきました」

 ポニーテールのウエイトレスが席に料理を置き、返事をしないダッセーニを見る。

「例の噂だったら、本当ですよ。食料や武器の準備は、もう始まってましたから近々、本格的に動く筈ですけど、問題は、マルーダとここは、休戦協定を結んでいる事。それを無効にするだけの計略が動いてると考えた方が良いですね」

 意外な詳細な情報にダッセーニが驚く。

「君は、どうしてそんな事を?」

 ポニーテールのウエイトレスが微笑みながら言う。

「あちきは、マルーダを通ってこの国に来た旅人ですから」

 そのまま次の席に移動するのであった。

 ダッセーニが席を立つ。

「城に帰るぞ」

 ダルスも頷き、二人は、城に戻っていく。



「デッセーニ兄上、マルーダ王国に我が国を侵攻する準備があるそうです」

 城に戻ると直に報告するダッセーニにデッセーニが言う。

「それだったら、既に情報を掴んでいる。侵攻用の準備、そうそう隠蔽は、出来ないからな」

 それを聞いてダッセーニがつばを飲む。

「それで、相手は、いかなる計略を企んでくると思われますか?」

 デッセーニが苦笑する。

「休戦協定がある以上、一方的に侵攻を開始すれば、他の休戦協定を結んでいる国々全てを敵に回す事になる。何かしらの侵攻理由を作ろうとするだろう。そのチャンスは、次の建国祭。こちらも十分に注意をしよう」

 改めて自分の兄の優秀さをしるダッセーニであった。



 そして建国祭が始まる。

 マルーダ侵攻の噂は、祭りにも暗い影を落していた。

 そんな中、問題のマルーダの使者がやってくる。

 マルーダの使者を見て、ダッセーニが呟く。

「この状況でどう動けば、侵攻の名目になる?」

 そんな思案をするダッセーニの前を通り、マルーダの使者は、国王の前に平伏する。

「ブスーツ国王陛下、我らマルーダの民は、貴国の繁栄を強くお祝いいたします。これは、そのお祝いの品です」

 そして出されたのは、竹光の剣だった。

「戦わぬブスーツの軍人達には、これこそ、お似合いでございます」

 将軍の目が怒りに燃え、国王もまた静かな怒りを籠めて告げる。

「マルーダの使者殿、それは、余りにも失礼では、なかろうか?」

 それに対してマルーダが驚いた顔をする。

「これは、異なことを仰られます。我らは、休戦協定で結ばれた者同士、戦う必要がございません。戦う必要が無ければ竹光で十分でござろう」

 それを聞いて国王が苛立ちを溜める中、デッセーニが平然と言う。

「その通りでございます。ありがたく頂戴いたしましょう」

 その態度に軍人達が悔しそうにする。

 マルーダの使者は、笑顔を作り言う。

「それでは、軍人の皆様には、ここで竹光を挿してもらいましょう。それこそ友好の証というものです」

 それを聞いて軍人達が今にも怒鳴りだしそうになる中、デッセーニが頷く。

「解りました。皆の者、マルーダ王国からの祝いの品をありがたく頂くのだ」

 軍人達が動かない中、ダッセーニが動いた。

「これは、見事の竹光。ありがたく頂きます」

 そういって腰に挿す。

 その様子を見てダルスも続く。

 殿下の行動に他の軍人達も躊躇を続けられず、竹光を挿していく。

 その様子をマルーダの使者が忌々しげに見ていたが、何かを思いついた顔をして、自ら一本の竹光をとり、新兵に差し出す。

「これをどうぞ。他の竹光より軽く作っておりますから、貴方の様な方にも十分に振るえる筈でしょう」

 それが限界だった。

 新兵は、剣を抜き使者に突きつける。

「我々を愚弄するのもいい加減にしろ!」

 マルーダの使者は、それを待っていたのだ。

「これは、大変な事を! ブスーツは、マルーダの使者に剣を向けると言われるのか! 休戦協定は、偽りの物か!」

 明らかな挑発行為があったが、マルーダは、あくまで友好的な態度を崩さなかった以上、そこに剣を抜く非礼、非は、ブスーツにあるとされてもおかしくない状況。

 ダッセーニがこの状況を脱する方法を急ぎ、考える中、デッセーニが言う。

「非礼をお詫びします。非礼の償いとし、その者の命を貴国に捧げます。誰か、断罪せよ」

 デッセーニの命令に誰も動かない。

「これは、我の命令であるぞ!」

 その言葉に新兵の上官が悔しそうに剣を抜く。

「すまない。全ては、この国の安定の為だ」

 新兵も本当に悔しそうにその一太刀を待つ。

 その中、ダッセーニが竹光でマルーダの使者を打つ。

「何をなされる!」

 それに対してダッセーニが答える。

「こんな竹光でも人を傷つける事が出来る。その武器を持ってきておきながらその態度、それこそ明確な敵対行為では、ないのか?」

 それを聞いてマルーダの使者が怒鳴る。

「その様な屁理屈が通用すると思われたか!」

 ダッセーニが言う。

「そちらの屁理屈に較べたら、十分に通用すると思うがな」

 マルーダの使者が笑みを浮かべる。

「これではっきりした! ブスーツは、我らマルーダと敵対する道を選んだのだな!」

 それに対してデッセーニが何か言おうとする前にダッセーニが告げる。

「我がブスーツは、平和を重んじる。しかし、それは、尊厳を護られている中での事。尊厳を傷つける不逞の輩に対する礼は、持って居ない!」

「覚えておくが良い! この行動を後悔する事になるぞ!」

 逃げ帰っていくマルーダの使者。

 軍人達が歓声を上げる中、デッセーニがダッセーニを睨んでいた。



 その夜、国王陛下の私室にデッセーニとダッセーニが呼び出されていた。

「陛下、ここは、ダッセーニを差し出し、和議を結ぶべきです」

 デッセーニの意見に国王がダッセーニを見る。

「それで良いのか?」

 ダッセーニが頷く。

「私の命一つで、戦いが避けられるのでしたら、その道をお選び下さい」

 その言葉に国王は、頷く。

「その心がけ見事。デッセーニの進言通り、お前をマルーダに差し出し、講和の道を探る事にしよう」

 こうして、ダッセーニは、マルーダに差し出される事になった。



 そして、ダッセーニの出立の日、そこには、大勢の軍人が立ち塞がった。

「おぬし達、何を考えておる!」

 それに対して、先頭に立った将軍が頭を下げる。

「今回の件、全ては、我が配下の失態。その罪、この命を持って償わせて頂きたい。そしてその命に代えて、マルーダからこの国を護りきって見せます」

 デッセーニが告げる。

「愚かな、我が国の軍でマルーダに勝てる訳が無かろう」

 それに対して将軍が強固に主張する。

「勝てなくとも、負けません!」

 その強固な態度にデッセーニが困惑していると国王が現れて言う。

「お前達のその心意気、解った。お前らにこの国の命運をたくそう」

 それを聞いてデッセーニが驚く。

「陛下、何を馬鹿な事を言っておられるのですか!」

 それに対して国王が告げる。

「デッセーニ、お前の言葉の方が正論であろう。しかし、国を運営していくのは、正論だけでは、駄目なのだ。ダッセーニ、お前が指揮を執り、必ずやマルーダを撃退しろ!」

 その言葉にダッセーニが頭を下げる。

「恩命、ありがたく受諾いたします」



 そして始まる、ブスーツとマルーダの戦争。

 事前準備を進めていたマルーダは、圧倒的な物量でブスーツに攻め込むが、ブスーツの士気は、それ以上だった。

「一歩たりとも、奴らをブスーツの領土に踏み入れさせるな!」

 ダッセーニが前線に立ち、それをダルスが命懸けで護る。

 その様子が軍人たちの士気を更に高める。

 しかし、物量差は、確実に現れてくる。

 一週間も過ぎた頃には、ブスーツの兵力は、半減していた。

「このままでは、勝てません」

 大口を叩いていた将軍の弱気にダッセーニが竹光を見せる。

「勝てないから戦わない。戦いを終わる前にその様な事を言うのだったら、この竹光を挿すか?」

 それを聞いて将軍が剣を抜いて竹光を切り捨てて言う。

「例え勝てなくともこの剣で戦い抜きます!」

 奮い立たせるダッセーニにだったが、軍議が終わった後、ダルスと二人っきりになった時、呟く。

「この戦いは、やはり、無理があったのかもしれない」

 それを聞いてダルスが柄を握り締めて言う。

「ダッセーニ殿下の命だけは、この剣にかけて護ります」

 笑顔になるダッセーニ。

「ありがとう」

 その時、テーブルに燻製の盛り合わせが置かれる。

「これは、マスターから、軍人さん達への差し入れですよ」

 ポニーテールのウエイトレスがそこに居た。

「また、お前か? よくここまでこられたな」

 ダラスの言葉にダッセーニが言う。

「お前、マルーダのスパイか?」

 ダルスが剣を抜こうとするが、その前にポニーテールのウエイトレスが動き、ダルスを地面に押さえつけた。

「護衛も居なくなったよ。どうする?」

 ダッセーニが言う。

「この命をさしだせば、この戦いを止められるか?」

 ダルスが慌てる。

「お止め下さい! 私の命などかまいません! どうか、生き残ってください!」

 ダッセーニが首を横に振る。

「お前だけのでは、ない。この戦いに参加した臣下、全ての命がかかっているのだ」

 暫くの沈黙の後、ポニーテールのウエイトレスが言う。

「犠牲になるって綺麗事は、止めな。ここで戦いが止まっても、マルーダは、諦めない。この臣下を、この国を護りたかったら、最後まで生きて、足掻きなさい」

 そういい残し、消えていく。

「直に追っ手を差し向けます!」

 開放されたダルスの言葉にダッセーニが肩をすくめる。

「無駄だ、お前をあっさり圧倒するような相手をそうそう捕まえられるか」

 悔しそうな顔をするダルスを尻目にダッセーニが言う。

「最後まで足掻けか……」



 戦いは、終盤戦に来ていた。

 ブスーツは、完全に押されていて、しかし、ダッセーニは、諦めなかった。

「相手もきつい筈だ! 最後の最後まで諦めるな!」

 そんな中、あのマルーダの使者が安全な場所からダッセーニ達を見下ろす。

「解ったであろう! これが現実だ! 分不相応のプライドがお前等の首を絞めたのだ!」

 勝ち誇るマルーダの使者にダッセーニが言う。

「黙れ! 我らは、当然の誇りを持ち、戦った! それを後悔する事は、無い。そして、まだ負けていない!」

 マルーダの使者が高笑いをあげる。

「そんな強がりがいつまで続くかな!」

 その言葉と共に増援が現れるのを見て、将軍が悔しそうにする。

「ここまでか……」

 それでもダッセーニが声を荒げる。

「まだだ! 国を護ろうとする心がある限り、我々は、決して負けない!」

「そんな精神論が通じるか!」

 マルーダの使者が嘲った時、九本の尾を持つ鳥、九尾鳥が現れる。

 尾から放たれる炎、雷、氷、光等の力がマルーダの軍を壊滅させた。

「何が起こったのだ」

 呆然とするマルーダの使者の前に九尾鳥の背からポニーテールのウエイトレス、ヤオが飛び降りて言う。

「ブスーツの戦いは、正しいと判断した。だから、神名者、八百刃が助けた、それだけ。まだ戦いを続ける?」

 ヤオが指をマルーダの使者に向けると九尾鳥の視線もそちらに向く。

「止めます! 直に止めます!」

 飛んで逃げるマルーダの使者をかわきりにどんどんと逃亡していくマルーダ軍であった。



 見事勝利を掴みとり、凱旋したダッセーニ。

「見事であったぞ」

 国王が労いの言葉を与えた後、デッセーニが言う。

「私が間違っていたのかもしれない。これからは、お前が中心になってこの国を動かすべきだ」

 それに対してダッセーニが首を横に振る。

「今回は、八百刃様のお陰の勝利です。デッセーニ兄上は、正しい判断をなされております。それこそが国を導くには、その判断が必要なのです。ただ、私は、それから漏れた弱き者の助けに成りたいと思います」

 その言葉に国王が頷く。

「お前等二人が力を合わせ、この国を護っていくのだ」

 こうして、ブスーツは、二人の王子の献身的な働きで繁栄を続けるのであった。



『これは、売れるのか?』

 白牙が、お礼として貰った青光りする石をつつく。

 ヤオは、ブスーツの秘密鉱山の中でももっとも貴重といわれる石を溜め息混じりに弄りながら言う。

「これは、ウランっていう放射能をいっぱい出す石。今は、ただの綺麗な石だと言われてるけど、加工しだいでは、物凄い破壊力をもつ兵器になるよ」

『面白い物だな、大々的に掘り出せばこの国が栄える助けになるかもな』

 白牙の言葉にヤオが苦笑する。

「その前に、死人がいっぱい出る。その事は、忠告しておいたから、あの兄弟だったら、大丈夫でしょうけどね。でも、売れないね」

 そのまま、近くの沼に投げ込むヤオであった。

『次の町での食費のあてが無くなったな?』

 白牙の言葉に肩を落すヤオ。

「途中に高く売れる獲物が居る事を祈るよ」

『神名者が誰に祈るんだ?』

 白牙の突っ込みに溜め息しか出ないヤオであった。

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