結末1 【不良グループリーダーとその親】
少年は調子にのっていた。
両親は教育委員会という組織の幹部で数年前からよく聞くようになった所謂上級国民と言われる存在だ。だから、少年が悪いこと……俗に言う犯罪行為を行っても揉み消す事ができた。
特に相手が学生であったり学校関係者であれは完璧に……
少年の両親は、これまでに問題ばかりを起こしてきた息子の行動を一切諌めることはしてこなかった。
教育にたずさわる立場の彼等も少年と同じ穴の狢であったのだ。自身の持つ権力を笠に着て癒着に接待とやりたい放題の日々を送っていた。
そのような両親の背を見て育ってきた少年が問題を起こす様になったのはある種当然の事だったのかもしれない。
彼等一家のやりたい放題であった人生も唐突に終わりをむかえることとなった。
少年の結成していたグループが夏葉と言う少女を襲ってしまったのだ。
息子が警察に捕まったと聞いた両親はいつも通り己の持つ権力を使い事件自体が無かった事にしようと動き出す。
息子を引き取りに警察署に向かう両親。彼等は息子を引き取った際に『やるならバレない様にしなさい』と小言を少年に伝えるつもりであった。それほど日常的であり気楽に考え警察署へと向かっていた。
が。
今回は相手が悪すぎた。
被害者は地元でも有数の名士が経営する企業の関係者であり、そして人気絶頂のユーチューバーであった。揉み消すには相手の影響力が大き過ぎたのだ。
マスコミに取り上げられてしまった。
そこからはあっという間であった。
マスコミは何処からその情報を仕入れているものか。隠してきたはずの息子の不祥事が毎日の様に掘り起こされ、白日の元にさらされていく……
「もう。終わりだ……」
日々悪化していく事態に少年の父が力無くつぶやいた。
社会の目がこんな子供を育てた親へと向くのにそう時間はかからなかった。
そして、教育委員会の幹部としてやってきたことが世間にバレてしまった。
バッシングの嵐に少年の父は権力を……職を失うのだった。彼の手に残ったのは国、県、市にあたえた損害に対する多額の賠償請求であった。
これまでに溜め込んでいた資産を売却しても払い切れない借金だけが残った。
2年後。
「この私がホームレスだと……」
「オヤジどおする……ギャ!」
バキッ!
少年を殴り飛ばす父。その目は怒りで血走っていた。
「お前が私のキャリアを台無しにしたんだ。この愚か者がぁっ!」
「そうよ。私の優雅な生活を返しなさいっ!」
少年を罵り、二人がかりで彼を殴り続けたのだった。
一般人を見下し、やってきた悪事が知れ渡った元上級国民の一家を雇う企業など存在するはずもなく、明日を生きる事さえ難しい毎日を送ることとなるのであった。
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次は何故か剛志メインのお話となります。
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