KOYO-の生放送は放送事故からはじまる【KOYO-サイド】
注意
この話と次の話はネットの生放送。流れるコメントに対してKOYO-がトークしていく流れとなります。ネット用語……顔文字は使いませんが、w等の記号を一部使用しております。
小説で顔文字やネット用語の記号等を不愉快に感じる方がいると昔、聞きましたのでここで報告いたします。
生放送は進行上外せない要素があるため申し訳ありませんがよろしくお願いいたします。
土曜日の夜。時刻は20時。
KOYO-の生放送が始まる時刻。
PCの液晶画面には、KOYO-の生放送が始まるやリスナーの言葉が流れていく。
現在の接続数は10万。凄まじい人数である。
《はじまった?》
《待ってました!》
コメントが流れていく。
コメントのみが流れること10秒。徐々に戸惑いのコメントが流れはじめる。
《あれ?》
《コーヨーさん?》
《ひょっとして事故?》
生放送がはじまったもののKOYO-からのリアクションが無く、困惑する12万のリスナー達。いつの間にか2万人も増えていた。
『そろそろ本番……準…………えっ?』
微かに聞こえる少女の声。雰囲気から何かに驚いているようである。
《ん?》
《おっ。登場だ!》
《遠くね? 声……》
《ひょっとしてマジで事故か?》
『時計止まっているっ!
なんでよりによってこのタイミングでよ……うわぁ。既に配信はじまっているし……うにゃっ!
アクセス数がじゅ、15みゃん!』
KOYO-の驚きの悲鳴に盛り上がるリスナー達。
《もちつけww》
《w》
《まさかの配信事故w》
《15万は……エグイな》
KOYO-が配信事故に気付き、落ち着きを取り戻すまで3分。彼女は深呼吸をすると。
『コホン。
それじゃあ。トークイベントはじめるよぉー!』
気を取り直してイベントの開始を告げた。
《www》
《仕切り直したw》
《あれ? 声の感じが変わった……だと? 別人???》
《時計よgj》
様々なコメントが流れていく。まとまりは無いが楽しそうだった。
『声の感じ……って、私は元々こんな声だよ。気のせいだよ。ハハハ』
コメントをひろい、乾いた笑い声をあげるKOYO-。そして、生放送になれていない彼女は、マイクが拾うとは思わなかったのだろう素の声で。
『身バレ怖いから、声練習……声出し頑張ったのに。放送事……』
ゴニョゴニョと嘆くのだった。
《練習。おつw》
《また事故ってるよ!》
《うん。事故だw》
『えっ……きゃあああ!』
流れていくコメントに自身のやらかしに気付くKOYO-。
画面の向こうでバタバタと慌てふためく音。ガチで慌てている気配に沸くリスナー達。
《草生える》
《まさかのドジっ娘だった。ヨーコーしゃん》
バタバタと楽しい放送事故は続く。KOYO-が我を取り戻して本題に入るまで約9分もかかったのだった。
【KOYO-の生放送は放送事故からはじまる】を最後までお読みいただきありがとうございます。
この話はステージが変わった最初と言うことでぽあぽあした話を入れました。
次の話も引き続きKOYO-のトークイベントですが、こちらはストーリー進行に大きく関わってくる話となる予定です。
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