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XIV ガラスから出来る二酸化炭素削減法

 私達の身の回りにはガラス製品がたくさんあふれています。

 私が家の中を少し歩き回っただけでも、窓ガラス、この作品を執筆するために使ったデスクトップ型パソコンやテレビの画面、蛍光灯、コップ、ドリンク剤など、たくさんあります。

 道端にある自動販売機ではビタミンドリンクなどのビンジュースが並んでいることがあります。

 飲食店ではビンビールやビンジュースが店内に置かれています。

 少し専門的になりますが、理科の実験室に入れば試験管にビーカー、フラスコ、試薬ビンなど、ガラス製品が本当にたくさんあふれています。

 私達は生活をする以上、必ずガラス製品のお世話になるのは間違いないでしょう。


 そのガラスにはいくつか種類があります。

 私達が普段ガラスと言っているものはソーダガラスと言われ、二酸化ケイ素(SiO2)、酸化ナトリウム(Na2O)、石灰石(CaCO3)が主成分です。

 構造としては、無数の二酸化ケイ素が立体的に連なっており、そこにナトリウムイオン、カルシウムイオンなどが結合した形になっています。

 このガラスは窓ガラスなどの板ガラス、ビン類、普通のガラス器具類に使われています。

 しかし薬品に弱く、大体600℃前後で溶けてしまうため、理化学用の器具には不向きです。

 理化学用の器具にはカリガラス(酸化ナトリウムの代わりに酸化カリウムが使われている。硬くて溶けにくく、薬品に強い。)が使われています。

 二酸化ケイ素のみから出来ているガラスは石英ガラスと言われ、耐熱ガラスや光ファイバーなどに使われています。

(参考資料:チャート式シリーズ 新化学)


 私はよくドリンク剤(デカビタCやオロナミンCなども含む)に手を出す方で、会社に出かける前によく飲みます。

 そのため、ガラスビンを入れておくゴミ袋がいつの間にか重くなってしまっていることもよくあり、それをごみ収集の場所に持っていくのは一苦労です。

 他の人にやってもらう時には申し訳ない気持ちにすらなります。

 自分で言うのも何ですが、ガラスビンに注目しただけでも私自身が使っているガラスの量はかなりのものになることが予想されます。

 しかしそのガラスも製造段階でエネルギーを必要とし、そのために二酸化炭素を排出しています。


 私はインターネットで色々検索をしたところ、板硝子協会のホームページから次のようなデータを得ることが出来ました。

 2004年度の二酸化炭素排出量は135.2万トン

 2004年度のガラスの製造量は2914万換算箱

(1換算箱は2mm厚換算で100平方フィート=約9.29平方メートル、約45kg)


 これを元に計算をした場合、ガラスの総製造量は2914万×45kg=13億1130kg(131.1万トン)

 1トンの製造で排出される二酸化炭素は135.2万÷131.1万≒1.031トン。

 つまりガラス1kgを製造するのに二酸化炭素は1.031kg排出されることになります。


 これをドリンク剤のビンに当てはめて考えた場合、どうなるのか自分で計算してみました。

 空になった100mlドリンク剤のビン5本をはかりで測定したところ、510gでした。

 つまりビン1本(102g)を製造するのに排出される二酸化炭素は1.031×0.102=0.105162kg(約105.2g)になります。

 1ヶ月あたりで100mlのドリンク剤を20本飲み干していたとした場合、そのビンを製造するのに2103.2gの二酸化炭素が排出されていることになります。

 実際には褐色ビンにするために着色をしたり、キャップやラベルを作ったり、輸送もしていますので、排出量はさらに増えることが予想されます。

 しかし、ビンをリサイクルすることでその排出量はかなり減らすことが出来るはずです。

 以前書きましたが、アルミ缶の場合、リサイクルすればボーキサイトから製造する時のわずか3%の電力消費ですむというデータも出ています。


 私はこの項を執筆してからドリンク剤の代わりにサプリメント剤を購入するケースが増えてきました。

 これならゴミは少なくてすみますので、二酸化炭素排出量の削減にも貢献出来るのではないかと思います。

 また二酸化炭素には直接関係ないですが、ゴミ捨ての時にすっかり重くなったビン入りのゴミ袋を持ち上げてゴミ捨て場に行かなくてもすみます。

 私の場合はドリンク剤ですが、上記のようなことはビン入りのお酒にも当てはまると思います。

 缶もそうですが、ビン入りのお酒を飲む方は購入する時や、飲んだ時に二酸化炭素排出量のことを少しばかり考慮してみてはいかがでしょうか?


 上記にも書いてあることですが、私達の周りにはさまざまなガラス製品があふれています。

 知らず知らずのうちにガラスはいくらでもあるという感覚になってしまうかもしれません。

 ガラスを製造するのに必要な二酸化ケイ素は地球上の土や砂、岩石中にいくらでも存在していますので、化石燃料のように枯渇する心配はないと思われます。

 しかし、ガラスを製造するのには大量の電気エネルギーを使います。

 日本では電気料金が高いため、わが国は中国など電力が安い国に製造してもらっているのが現状です。

 ガラスもそうですが、私達の身の回りにある様々なものはたくさんの国のおかげで手に入り、たくさんの二酸化炭素排出の上でそこにあるということを忘れないようにしてみましょう。


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