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貞操逆転世界で好き放題  作者: miguel92
芸能編

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80/124

80.悟りと書いて小五ロリ



 民放の一つ“クジテレビ”がバラエティでスモーの特集を組むそうだ、二時間の放送のうち俺の出番は最後の20分。

 最初から俺が出て番組を盛り上げたいと代理店の人に言ったのだけど、

“カイト様のお顔はずっとワイプで抜かれますよ、二時間集中を切らさない覚悟がおありですか?”


 二時間気の抜いた顔や、間抜けな顔をしない自信が無いので、出番まで俺は楽屋で待っている、遅れがちな勉強をしようかと思っていたらドアがノックされる。

 もうメイクさんが来たのかな?

「どうぞー」


 遠慮がちに開けられたドアから入って来たのは稚草ちくさちゃんだった。

「どうしたの稚草ちくさちゃん?」


「カイト様、お手伝いに来ました、何でも言う事聞きます」


 10歳の子が、何でも言う事聞きます、なんて犯罪臭しかしないよ。

稚草ちくさちゃん、別に何もする事無いよ、お菓子でも食べてゆっくりしていて良いよ」


 俺は気を効かせたつもりだったのだが、絶望した顔になった美幼女。

「…わたし、ダメなんですか」


稚草ちくさちゃん、どうしちゃったの、全然ダメじゃないよ」


「だけど、カイト様はわたしの事を気に入ったって言ってくれたのに、本当はどうでも良かったのですか」


「そんな事無いよ、気に入ったのは本当だって」


「本当ですか?」


 俺は頷いて答えると、稚草ちくさちゃんは細い両腕を差し出す。


「抱っこしてください」


 10歳の女の子だと思っていたけど、普通の女だよ、強引なやり口で俺の膝に収まった幼女。

 最初は“何だこの子は”と思っていたけど、ほんのりと高い体温を膝に乗せていると、気持が穏やかになって来る。


 女の子を抱っこすると、メスの顔になって俺を見上げてくるのがいつもの流れだが、美幼女は不安そうな顔をして俺に抱きついている。

“この子はずっと不安だったんだ”


 そう思うと、俺は優しく抱きしめてあげた。



 つる草はジワジワと伸びていくけど、絡まれている本人は気がつかないものだ。


 ▽


 ダンスグループのお姉さん達がシコ・ダンスを踊っている、キレイに揃ったY字バランス、キッチリしたフォーメーションダンスと柔軟性を披露、ドスコイな雰囲気はみじんも無い。


「ルーターズのシコ・ダンスでした~

 さぁ~、クエストリーグもいよいよ決勝戦です。

 予選を勝ち抜いて来た二人、どちらが勝ってもおかしくない好カードになりました。

 優勝した子には荒川カイト様とスモーが出来ると言うご褒美が待っていますよ~」


 場を盛り上げているのは、美人ではないけど、愛嬌のある顔つきでお茶の間の人気者のお姉さん。

 彼女のトークにかかると、真剣勝負のスモーは最高の娯楽。

 前の世界では格式のある国技だったんだけどね。


 スモーの決勝トーナメント、体重で選んだと言っているけど、顔が基準なのは一目で分かるよ。

 俺は土俵の脇にゲスト席に座っているけど、カメラをこっちに降り過ぎだって。



 対戦はムチムチした太ももの女の子と、まだ成長の途上の細身の子。

 あーあ、顔で選んだ結果か、母数が少ないと上位取り組みがおかしな組み合わせになってしまうけど、テレビは娯楽だから仕方ないよね。

 真剣勝負ではなく、視聴者の望む物を提供するのがテレビの役割だよ。


「さぁー、決勝のギョージはわたしが務めさせて頂きますよ」

 軍配の代わりにマイクを持ったお姉さんが二人の間に立つ。


 二人が向き合い、目があった瞬間に取り組みが始まる。

 体格の良いムチムチの子は一気に押し出そうと向かって行くが、細身の子はキレイにいなしてまわしを掴むと相手のバランスを崩そうとする。

 これで勝負があったかと思ったけど、ムッチリした太ももはギリギリで踏ん張る。


 細身の子はバランスを立てなおそうとしている子に半身はんみの方向から押し出して土を着けた、一瞬の出来事だったよ、この子運動神経と言うかセンスが良いね。


「なんと言う早業、クエストリーグ初代の優秀は氷川台ひかわだい璃音りおんちゃんでした~」


 土俵の周りでは優勝インタビューや表彰式のイベントをやっている。


「CMの後は、お待ちかねのご褒美マッチ、荒川カイト様との取り組みですよ」

 番組も後半になるとCMが増えるのは前の世界と同じだね。


 やっと俺の出番、俺は優勝した璃音りおんちゃんを手招きする。


 俺に呼ばれて、ガチガチになっている女の子。

璃音りおんちゃんは何年生かな?」


「しょ… 小5でしゅ」


 あーあ、可哀そうなくらい緊張しているよ、俺は五年生の頭をポンポンしてあげる。

 緊張はほぐれたかな。


「もうすぐ取り組みだけど、璃音りおんちゃんは俺に全力でぶつかって来て欲しいんだ」


「ひゃい、わかりました」


 ▽


 身長140センチを少し超えたくらいの子、普通に向き合うと俺のお腹しか見えないから、腰を落して取り組んだけど、璃音りおんちゃんの当たりは想像以上に強く、俺は尻もちをついてしまった。


 スタジオは騒然、絶対に負ける訳が無い俺があっさり負けた。

 いや、これは倒してはいけない相手を倒してしまった事によるパニックだろう。


 ネットは更にパニックの大炎上。


[  空気読め、メスガキ ]


[ 男性に暴力、ハイ、実刑確定 ]


[ ガキ! ●すぞ ]


 なんて、物騒な言葉がネット上を駆け巡る。



 司会のお姉さんも、大慌て。

「さ、さっすがは優しいカイト様です、小学生の子に自信をつけさせてあげたいのですね、そうですよね、本気を出したら璃音りおんちゃんが怪我をしちゃいますもんねぇ」


 俺からしたら小学生に押されただけで大した事は無いのだが、真っ青なスタッフ達の表情を見て、ただ事ではない事に気がつく。

 これは、俺がおさめないとね。


 司会のお姉さんからマイクを借りた俺は言う。

「今日はとっても嬉しいです、俺は男だから誰も本気で向かって来てくれないんですよ。

 だけど璃音りおんちゃんは本気で当たってくれました」


 真っ青を通り越して白い顔になった女の子を手招きする。

璃音りおんちゃんには特別なご褒美です」


 そう言いながら小五をお姫様抱っこ。

 スタジオは“ヒャー”と言う、悲鳴と羨望が混ざった声に満たされる。

 ここで女の子を降ろしてあげれば、上手くおさまったと思うのだけど、調子に乗った俺は璃音りおんちゃんの可愛いホッペにキスしてあげた。


 スタジオはさっきとは比べ物にならない声に包まれる。




 生放送でキスは色々と問題が有る行為です。

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