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同盟協商

ぼくは一息を付いた。今までの中隊の仕業をかんがえれば、問答無用一気にぼくを殺したかもしらない。


不安要素を完全に排除して中隊全体の支配を強化する。構成員は事の善悪とかとは完全に隔離されて、その中の「階級」しか気にしない。


それは太田やつの得意技だった。


小学校からやつは「階級」と恐怖で全校を支配した。中隊長の方式をぼくが貫いたのは、ぼく自分が「恐怖」で動いてる組織、そのピラミッドの最低階級を経験したからだ。

中隊長はぼくをちょっと見つめた。


「你捣什么鬼。何を企んでいる?」

「別に。」

「胡说。不要欺诈我。」

「日本語で言え。わかんないから。」

「面白い。度胸はいいな?こっちがどこだとしっているのかい?」


こんな近い距離で中隊長を見るのは始めてだ。やつは約2メートル前でぼくを睨んでいる。その目は鷹ように鋭い。顔には「軍人」だと書いているように強直に見える。左の頬から右目上まで長い傷があるし、その顔は果然100人ほどの中隊を指揮するには不足さがない。いわゆる、貫禄ある兵士だ。


その中隊長はぼくを猛烈な気勢で見ている。一週前のぼくなら中隊長の目を見るだけで失禁したかも知らない。しかし、今のぼくには微かな根拠だけの自身感がある。


中隊長はぼくを殺さない。絶対に。


ぼくがかけているのは中隊「兵士」たちの状況だった。


「用は!暇潰しにここへ来たのか?いいから早く言え。」

「いや、本論は言っただろう。同盟だ。」

「同盟?どこの誰と?」

「当然、玉将との。ぼくは玉将の使者だ!」


玉将、その言葉をきいて中隊のやつらが武器を握るシルエットが見える

中隊長も腰に掛けている「脇差し」に手を上げた。もちろん、ぼくは銃と自転車チューブを持っているが、2メートルなら打つ前に中隊長にやられる。もちろん、ぼくも後ろには銃を持っているが、これで中隊長を殺しただとしても、その後はこの世とバイバイだろう。

中隊長は手を上げて部下たちを止めた。


「同盟ってふざけるな。」

「ただのふざけじゃないよ。おとといと昨日の作戦で中隊も結構損失が大きいんだろう!」

「って何だ?」

「中隊の食糧と水はもう限界。昨日までの無理な作戦は19層以上の水を確報する動き。もちろん、あの「化け物」を倒すって「偉い目標」何かを引っ提げたが、それは嘘!あくまでも物資の確保じゃなかったのか?」


最初からぼくは中隊長じゃなく、その後ろにいる兵士と幹部に言っていた。ぼく自分も驚くほど、ペラペラよくも話を続けた。


「まあ、どんな理由だったのか、ぼくにはどうでも言い。結局「遠征」は失敗。食糧が不足なのかあんたら中隊の現実じゃねのか!」


ぼくはわざと後ろの中隊兵士に知らせると大声で話つづけた。


「その結果!19層の群小勢力から水を奪う計画は崩れて、19層の突破も遙遠!逆に玉将の残党に逆襲されて貴重な兵力をもっと失なった!」


ぼくはここで話を止めて中隊長と中隊の反応を見回った。ぼくが言った事実は中隊には急所だ。


「言え。」


中隊長はひとことを聞くように続けって手振りまでした。そりゃそうだろう。ぼくの切り札がまた効いている。ぼくは深呼吸をした後、また大声で言った。


「中隊も限界じゃないか?そして、19層にはあの猟師老人の二人組がいて前にも道はない!どうするんだ!あんたら中隊は!」

「要はなんだ?]

「このままじゃ茶碗中でカタツムリ二匹がお互い消耗戦をするだけだ」

「カタツムリだと?」

「そうだ。この中で誰か勝って、誰が敗けるなんで外の人に何の問題になるもんか?カタツムリ同士の戦いとなにが違う!」

「蜗牛上打架・・・。カタツムリ上の戦いなのか?」


やはり、中隊長はぼくが言っている話を分かった。カタツムリ上の戦いは古代中国であったことわざの事だった。


意味ない戦争。


中隊長はクスクス笑った。


「君はこのタテモノの本質を何もわかっていない。」

「ああ、分からない。分かるもんか!けれど、玉将も昨日のスカイラウンジー戦闘後損失が大きい。このままじゃお互い戦って共滅するだけだ。」

「だから、それがこの建物の本質だと言ったらどうする?お互い戦って勝手に共滅する事が人間の本性だと言ったら?」


ぼくは中隊長の話にちょっと言葉を失った。


人間の本性だと?


こ、こいつは狂ったのか?お互い共滅?率直にこの答えはぼくの計算とは違う!くっそ!逃げるのはもう遅かった。中隊長はもう刀を抜いてぼくの首を狙った。


「この建物じゃなくても、今この地球のどこかでは人間は勝手に戦って、勝手な理由で殺される。宗教、人種、名誉、お金。人が殺される理由なんでどうでもいい。歴史でもおいろいろあったんじゃないのか?」

「そ、それは。」


ぼくは彼が刀を抜く気配すら全然気づかなかった。いつの間にぼくの喉に脇差しが付いている。


「殺し合う行為こそ人の本性、其のために強い指揮者と支配力が必要だ。」

「そんな!違う!」

「口だけでは何でも出来る。おれには全人民が出来るだけおおく生き残って救う計画がある。その計

画に玉将やつらが邪魔になったら皆殺すだけだ。」

「計画?救う?」


ぼくはペルの事を思い出して吐き気がした。ペルが殺されたのがあの計画だと?


「出来るだけ多い人が生き残るだと?それを決定するのは誰だ?中隊長てめえじゃないか?」

「ま、君が見ている通りに人は優秀な人が必要だ。」

「ぼくがてめえにそんな権利をくれた記憶はないけど?誰がそんな権利を渡した?」

「てめえら全部。」

「何だと?」

「俺の行動が間違ったら力で証明すればいい。しかし、おれの中隊員はもっとも重要な権利を俺に委託した。それもこの建物の外と違うだと思うか?」


中隊長はちょっと疲れた顔で後ろを見回った。


「どこでそんな権利を貰ったのか?てめえら猿以下の物は勝手に諦めるんだ。自分の権利を。投票もそうだし、国籍不問、猿たちが指導者と言うものを選ぶ理由はバカすぎる。自分よりもっと「偉い人」が自分を楽に約束の地に導いてると勝手に錯覚している。」

「そ、それは。」

「何故、てめえらより賢くて能力ある「偉い人」がてめえらのために戦うだと思うのか? 銃を持っている人がなぜなにも持っていない人のために戦う?それは幻想だ。自分の意思をもって、自分が考えろ。」


最後の語調は「敵意」よりぼくになんかを教える「先生」の口ぶりだった。

選ぶ。他人じゃなく、ぼくが自分の道を選ぶ。中隊長の話でぼくは混乱させたが、すぐぼくはペルとハスタを思い出した。


「中隊長殿!前座の話が無駄に長いな?本論を言え。」


中隊長はぼくを見て間抜けな顔になった後、大声で笑った。


「有意思!这娃娃真了不起!」

「いやなら、ぼくが言える。中隊も困った状況じゃないのか!どうぜお互い殺しあって殺されるなら!もっと利益がある場所へ!もっと価値ある物を得るために戦うのがよほどいいじゃないが!」


ぼくの声で中隊員がざわざわになった。その反応だけがぼくの「生命線」だ。中隊長の立場では、ぼくなんかどうでもいい囲碁の「碁石」に過ぎない。しかし、時にはあの何もない碁石はある位置に寄って全局面を牛耳る事ができる。


「19層の水、食糧!兵士たちよ!てめえらも考えた方がいい!どうぜ、死ぬのなら玉将のやつらじゃなく希望にかけろ!どうぜやらなきゃならない戦争なら!食べ物がある方向を攻撃しろ!どうだ!水を食糧のために我ら玉将との臨時休戦をしよう!」


中隊長はぼくの喉から刀を納めた。やつは鋭い目でぼくを見つめた。


「リエンチョウ、殺さないのか?」

「使者の首を切れば、話にならないから。」


この嘘つき。ぼくは直感的に分かっている。やつはぼくがどう話すか、その次第に寄ってぼくを殺す気だった。中隊長は刀を下げたままぼくを睨んでぼくに問った。


「一つだけ聞く。小僧、てめえの目的はなんだ。」

「19層の突破。」

「ただそれだけ?」


あ、そうだ。ぼくはふと恵比寿の言葉が思い出した。

中隊長なら「特等席」になんか分かるかも知らない。

そして、中隊長やろうはマイナス5、6層とかで戦った時、特等席だと聞いて中国語で何かをいった。


「特等席になんか分かっているのか?」

「もちろん分かっている。てめえも特等席だと聞いた。」


ぼくの声は自然に震えた。その震える声で中隊長に持った。


「一体、特等席はなんだ。」


中隊長は結構まじめな顔になってぼくをじっと見つめた。


「你就是酒吞的冥供。」

「ぼくは中国語わかんない。」


中隊長は糸切り歯を見せるながら陰惨に笑った。


「てめえは酒呑童子の生け贄だと言った。」

「い、生け贄だと!それなんの意味だ!」

「文字の意味その通りだ。多分、君が最後まで生き残るなら、君を殺す者は他ならぬ酒呑童子になるんだ。君に恨みがある者は建物の外でも一杯いるらしい。」


ぼくは頭を殴ったようにふらふらした。


え?


酒呑童子に殺される?


ぼくはゼロ層であった、ファーストコンタクトをふっと思い出した。あの時、酒呑童子はぼくを殺す機会があったのにぼくを殺さなかった。


「生け贄って、特等席はなのか?しゅてんやつはどうしてぼくを生かせたのだ!」

「勘違いするな。おれはてめえの先生じゃない。」

「だ、だって!おかしいじゃないか!」


ぼくは慌てて中隊長に手を伸ばした。そして、間一髪の間で脇差しがぼくの手をすれすれに通りすぎた。危なく刀を避けたが、また鋭い刃が喉で光っている。


「腕一本なくても「伝令」としては問題ないだろう。」


ぼくは一瞬頭を冷やした。慌てて被っていた仮面が破れる寸前だった。恰好よく中隊と中隊長を騙したが、肝心なところで昔の悪いくせが出た。昔のぼくは自分を救う「勇者」を待ったいた。


自分の力が弱いから、自分の代わりに惨めな状況から解放してくれる力強い勇者。


当たり前にそんな勇者はなかった。今も中隊長がぼくを「好意」で助けてくれと完全に錯覚した。

「他人に寄る癖」が出た。弱虫のために好意を示す者は少ない。特にこのタテモノの中ならもっと。

自分の意思で自分が判断しろ。


皮肉に中隊長が言った言葉がぼくを刺す。


「リエンチョウ殿、ちょっと失礼をしたな?」

「分かったら、さっさと消え。滚。」

「分かった。そして、連合攻撃の時刻と開始の信号は・・・。」

「時刻はどうでもいいじゃねが?デートじゃないし。攻撃開始の暗号をてめえが決めろ。われらは19層の前で待っているから。」

「敵は本能字にいる。そう。本能字、それでいいのか?」

「本能字だと?」

「分かっているのか?その話?」


中隊長はまたクスクス笑うながら、後ろを見た。


「あの老人が信長?よかろう。あの老人に捧げる「標的」は多いほうがいいから。」


中隊長は後ろに回るながら大声で自分の中隊員に演説した。


「聞け!われら中隊は玉将の伝令から聞いた通り、建物の全て人民の希望をつかむために挙兵する!さっき、小隊長会議で決めた通りだ。」


え?中隊はすでに19階の攻略しようと会議までしたのが?


この嘘付き。


ぼくがここに着く前にもなんの反応すらなかったくせに!中隊長が部下たちを言いくるめる腕だけは感心すべきだ。


中隊員はもう解放とか攻略とかに惚れてまじめに考え出来ない。そうだ。これは宗教だ。中隊長はその宗教の教祖で中隊員は自分が信じたい物だけを見る狂信状態だ。

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