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竜種少女と静かに暮らしたい  作者: るっぴ
第一章 「竜の魔法使い伝説編」
26/86

26 「天啓と閃き」

「まだ…終われない…」


深く傷つきながら、尚もクリスタが立ち上がろうとしてる。

だが武器は魔力王の体に刺さったままだ。


俺も体中の切り傷が痛む。出血も多い。

このまま止めを刺されるのを見ている事しかできないのか…!?


足元に血溜まりを作りながらクリスタが立ち上がった。

途端に膝が崩れ、四つん這いになってしまう。

傷の消耗に加え、竜気のプレッシャーが堪え難くなってきたのだろう。


俺がクリスタを竜にしてやれれば…

でも俺にしては上出来なほうか。


今まさに俺達は死のうとしてるのに、恐怖はなくなっていた。

後悔が無いというと嘘になる。

だがやれる事はやったはずだ。



…なんて、諦められるか!

何が竜の伝説だ! 何にもならなかったじゃないか!


俺が竜の魔法使いじゃなかったら何なんだ!

異世界まで来て死ぬだけが俺の人生だったのかよ!


まだだ、まだ死ねない。

死ぬとしてもその瞬間まであがけ!

じっと死を待つなんて逆に恐怖が増すだけだ。



伝説を語った奴はもっと具体的に答えを書いておけよ!

この世界の神様は何をやってるんだ!


俺はともかく美少女のクリスタ達は助けてやれよ!

伝説の一角獣とやらはどこにいるんだよ!

闇を切り裂く乙女はどこへいった!

間違いだらけの伝説なんて人類規模で大迷惑だ!



俺はひとしきり神や伝説とやらに対して嘆き、せめてクリスタの側に居てやろうと近づいた。


「ははは…クリスタ、でっかい角がまるで伝説の一角獣だな。」



その自分の一言で俺は天啓を得た。

思考が加速した。


伝説は間違ってる。そう間違ってるのだ。

だが全部じゃないんだ。部分的に間違ってるだけなのだ。

あるいは翻訳のミスか。


だが、間違いがありながらも真実を伝えている。

あの伝説は一角獣と竜の、2つの伝説ではなく両方とも竜についての伝説だとしたら――


そして乙女、異世界の魔法使い。これが同一人物を指すとしたら――


乙女メイデン、ソーサリスでも同じ意味を持つ言葉、未婚の、初々しい、処女バージン

特に穢れ無きと前置きがあるならそれは処女を指している事は間違いない。

そしてバージンは性別の区別が無い。日本語なら童貞でも英語ならバージンだ。


闇を切り裂き魔の軍を滅ぼす。あの呪詛砲は確かに闇そのものだ。


伝説の内容は間違っていない。

言葉が摩り替わり、2つの伝説として解釈されていただけだったんだ!


俺はやはり竜の魔法使いだった。



ならば反魔力は疑いも無く竜に成る鍵だ。

これをどう使えば良かった?


まだ間に合う!

考えろ、もっと思考を加速しろ。

鍵は今、俺の手の中にある。


鍵の神ビンツは俺で門の神ズールはクリスタだ。 …あれは悪役だけどな!

クリスタに反魔力を使っても効果は無かった。竜気をまとっている状態でも。


気で体を満たして力を得ている竜種はその気の負荷で体を壊してしまう。

かと言って反魔力を放って気を追い出せば、竜気そのものが解除されてしまう。



何か引っかかる。今の俺の脳内で紡ぎ出した言葉に何かがある。

後一押しだ。そこに手が掛かりかけている。

扉から光が漏れ始めている。


第一、何で竜に童貞が必要なんだ。穢れ無きバージン男の俺じゃなきゃダメな理由って何だ!

穢れが無い。この場合、女と交わってない…


それ故の反魔力か。

竜の気が陽としたら俺の反魔力は陰なのだ。

30年間磨き上げた俺の童貞力こそが反魔力となる。


そう、無限に周囲のマナを引き寄せる竜気と俺の反魔力は相反するものだ。

相反する2つの力が竜と成る。


鍵の外れる音がした気がした。



交わりたい。クリスタとエッチしたい。

でも致してしまえば反魔力は失われる。


でもこの世界に来た途端、俺はクリスタのおっぱいと尻を触ったぜ。

それでも俺は童貞だ。童貞力はむしろ増した気がする位だ。


ちょっと位ならいいんじゃないか?

要は最後までしなきゃいいんだろうが。


いや、違う。そっちの方向はちょっと捨てよう。一応お互いに死に掛けてるし。

ああ…ダメだ。こんな時なのに、そんな煩悩が消えない!


人間命の危機になるほど子孫を残すために性欲が増すとか言うよな。

性欲パワーでこの状況を切り抜けてやる。


童貞のまま、キスのひとつもしないで死ねるものか!

キスのひとつも…キス…


知恵の扉が開いた。


全ての考えが繋がった気がした。



眠れる姫は王子様のキスで目覚めるものだ――

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