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マシナリー×マジック  作者: 射月アキラ
Code5:JOKER
44/46

03

「お、おきゅ……遅れて申し訳ありませんでした! ドゥーヴァパイロット、ノーネームでしっ! …………スミマセン……」

 声がしぼむと同時に縮こまるような姿勢になる闖入者(強制)改めノーネーム。

 唐突かつ予想外なファーストコンタクトに理解が追いつかない。言葉のひとつひとつをかみ砕き、さらに作戦中のやりとりを思い出そうとするブラッドだったが、ノーネームを名乗る二者に共通点は──

「……嘘、なんだろ?」

「本当ですスミマセン」

 ──ない。

 よくよく思い出してみれば声は似ている。のだが、硬く平坦な口調のノーネーム(パイロット)と、噛んでは謝るノーネーム(闖入者)では他者に与える印象に違いがありすぎる。同一人物であるとすれば、闖入者のノーネームが本質であり、パイロットとしてのノーネームは「過度の緊張の表れ」だと理由づけできないこともないのだが、それにしてはかなり大胆な言動をしていたようにも思えてくる。

「だってお前……ペッシャールから逃げられるとかすごい自信ありげに……」

「に……逃げたかった、んです、スミマセン」

「なぜ謝ル」

「スミマセ……ひぃっ」

 チャンを見たノーネームが──おそらくは火傷痕に驚いて──情けない悲鳴をあげた。

 直後、自分のしたことに気づいて謝罪を連発するのだが、逆効果。チャンは嫌そうな顔でノーネームを見下ろして、しばらくしてからブラッドに視線を向ける。

「おイ、どうにかしロ」

「……残念だが、俺にはなにもできない」

「分かっタ、女と親しげだったことも含めて爆破すル」

「よく分からない私怨みたいなのが含まれてるなぁオイ!」

「ばっ、爆破はヤメテ! ヤメテください! スミマセン!!」

 条件反射のように謝罪を繰り返すノーネーム。おおよそ司令室でかわされるような会話ではないのだが、彼らがそれを察する気配はない。

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