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マシナリー×マジック  作者: 射月アキラ
Code5:JOKER
42/46

01

「……さて、私は確かに君たちに『ジョーカーであることを示せ』と言いはしたが」

 静かな声音が司令室に響く。

 部屋の主であるクレイグは、二人のパイロットを前に細く息をはいた。

 一人はブラッド・ベイリー。コールガパイロット。

 作戦中、AIとの同調リンクを行い、シリーズ・エーギルにとっての脅威だったペッシャールを墜とした。

 一人はモン・チャン。ブローズグハッダパイロット。

 その機体特性である高火力を存分に発揮し、帝国の元・ジョーカーであるレヴィアタンと護衛艦を一撃のもとに破壊した。

 ──という功績だけを見れば賞賛に値するどころの話ではないのだが、今回は少々無茶がすぎた。

「命の賭け方、というものを、君たちは知っているだろう。死にかけたと同時に他人の死をも目の当たりにした君たちに命の尊さなど説く必要はあるまい。他人である私の思想を押しつける気もないし、そうしたところでさして意味がないことは理解している。そのうえで言わせてもらおう。……君たちは自分の命をもう少し大切にするべきだ」

 微苦笑したクレイグは、いつもより幾分柔らかくなった視線を二人のテスト・パイロットにおくる。頬をかくブラッドに対し、濁った瞳を虚空へ向けているチャンには届いていないようにも見えるが、火傷に覆われた顔の右側で一瞬ではあるが筋肉が引きつっていた。

 意味が通じていないということは、ない。

 『波の乙女計画』に属するパイロットであれば一度は死にかけたことのあるものばかりだし、同時に他人の死を目撃しているものも多い。それに伴って、命に対する思考と考察には個人的に時間をかけているものがほとんどなはずなのだ。

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